本書は、NHK出版より、最近出た本。
NHKによく出るようになった物理学者の佐々木さんの本。
仏教って、そもそも何だっけ?という人に、ぴったりの内容になっている。
アーリア人がインドに侵入というのは、世界史で習ったが、そもそもアーリア人って何と聞かれると、インドの西から来たというイメージしかなかった。本書によれば、元々中央アジアにいたと言われており、そこから、インドに侵入したり、逆に、中東、ヨーロッパに侵入したりしたそうだ。
だから、インドの言葉は、ヨーロッパに近いと言われている。
そのアーリア人が作り上げたカースト制度に反する形で発展したのが、仏教だったが、後にヒンドゥ教に飲み込まれていった。
本書は、佐々木氏の講座を新書化したもので、読みやすくできているが、元来の仏教と、大乗仏教に発展していく過程が興味深い。
アショカ王の碑文の重要性も改めて認識した次第。当時の物は、それ以外にほとんど残っていない。
読みやすいし、物理学者らしく、論理的に説明されているので、何となく仏教のイメージがもやもやしている人にお勧めしたい。