オフィスの近くの桜。まだまだ大丈夫。
本書は、ネットで検索してでてきたので、GET。
大乗仏教思想が専攻の先生による書だが、元は、1992年発行の新書だったいうから、もう20年以上も、読み継がれている。
ということで、わかりやすい本かな?と思ったのだが、中盤の大乗仏教の話のあたりから、完全にお手上げ。すべてが逆説で説明され、だから何?というところが、理解不能。
例えば、「一切は真実である」、また、「一切は真実ではない」、「一切は真実であり、また真実ではない」、「一切は真実であるのではないし、また真実でないのではない」ーこれが諸々のブッダの教えである。
この文を理解できる人が、どれだけいるのだろう?
ということで、鎌倉時代、庶民にもわかりやすい仏教が生まれた?
ただ、大乗、小乗の違いが比較的わかりやすく書いてあったので、備忘録代わりに、載せておきたい。
大乗
◇人間は誰でも釈尊と同じ仏となれると考えられている。
◇最終的に仏となり、自覚・覚他円満の自己を実現する。
◇一切の人々を隔てなく宗教的救済に導こうと努力し、利他を重視する。
◇みずから願って地獄など苦しみの多い世界におもむいて救済行に励む、生死への自由がある。
◇釈尊の言葉の深みにある本意を汲み出すなかで、仏教を考えようとした。
◇在家仏教の可能性を示唆した。
小乗
◇人間は釈尊にはほど遠く、修行してもとても及ばないと考えられている。
◇最後に阿羅漢となり、身と智とを灰滅して静的な涅槃に入る。
◇自己一人の解脱のみに努力し、自利のみしか求めない。
◇業に基づく苦の果報から離れようとするのみで、生死からの自由しかない。
◇釈尊の言葉をそのまま受け入れ、その表面的な理解に終始する傾向があった(声聞といわれる。なお、声聞は本来、弟子の意味である)。
◇明確な出家主義。
日本に伝わった仏教は、典型的な大乗仏教だが、こう比べられると、小乗仏教じゃなくてよかったと思う?