
金曜に海部さんの話を聴く予定なので、予習も兼ねて、読んでみた。
単行本だが、論点が絞られていて、すぐ読める。
ホモサピエンス(現代の人類は、人種はあるが、みなホモサピエンス)が、アフリカで発生しどう世界に広がったか。
かつては、海を伝ってと言われていたが、世界各地の遺跡の研究が進み、まったく違う姿が見えてきているというのが本書のテーマ。
有史以前の話で、予備知識なしだったが、ひじょうに興味深い内容だった。
アフリカで、ホモサピエンスが生まれたというのは定説になっているが、アジアへの広がりは、さまざまなルートがあり、シルクロードと同様、日本が終着点になっているというのが、研究の成果という。
日本へは、対馬ルート、沖縄ルート、北海道ルートとあるが、特に、対馬、沖縄は、ホモサピエンスが日本に渡った38000年ほど前は、陸続きではなかったと考えられ、船を使って渡航したと考えられるとのこと。
それを検証するプロジェクトが進行中とのことだ。
正直、信じがたいが、発掘結果からの結論は、こうなるというのだから、検証を待つしかないのか。
100kmを超える渡航技術を当時のホモサピエンスが持っていたのか?
偶然とは考えられないという。
このホモサピエンスが縄文人につながり、本格的な大陸からの大陸人の流入により、弥生時代に突入していくという流れは、検証できるという。
結構、目からウロコの本だった。
講演がますます楽しみになった。