本書は、新聞の宣伝で見つけた。
佐々木さんの本は、何冊か読んだが、切れ味鋭くという印象。
宮崎さんの本は、初めて。
佐々木さんは、理系出身らしく、緻密に積み上げるタイプ。宮崎さんは、実践から入るタイプ。
切り口が違うから、なかなか議論が噛み合っていないようにも思うのだが、そもそも仏教の伝わり方自体、議論百出なのだから、議論の根拠をどこに置くのかという議論から始めなければいけない。
多種伝わる教典から推測することは、不可能ではないのだが、確定することはできない。古代史の研究のようなものか。
とはいえ、本書は、ブッダの人生と、仏法僧の切り口から、痛快な議論を展開してくれる。
前回の鈴木さんの本は、あまりにも難しかったが、本書は、断片的に言いたいことはわかる。
ブッダ一人で、ここまで深い思慮をしていたのかというと、驚くしかないが、これも、後に付け加えられた部分も混じり込んでおり、なんともいえない。
仏教の真髄とは何ぞやと思われている方にお勧め。