本書は、本屋で見つけた。
光明皇后は、奈良時代のど真ん中にいた人だが、その目線から奈良時代を追った本。
奈良時代を、俯瞰する本は、多くあるが、目線を当事者に落として追う本は、初めてかもしれない。
より、リアル感が増す。
もちろん、元は同じなのだが、目線を落とすと、新たな発見も出てくる。
改めて思うのは、藤原家と天皇家との、微妙な関係だ。
光明子は、そのど真ん中にいた。
そして、当時、若くして亡くなった人の多いこと。
聖武天皇と、光明子は、翻弄された。
そして、天平を今に伝えたのは、聖武天皇と光明子であることを、再認識させられる。
世界的に見ても、希なことだ。
1200年以上前からのタイムカプセルって他にあるのだろうか。
もちろん、ローマとか行けば、石でできた建造物や、像は残されているが、様々なグローバルな文化に属する遺物が遺されたケースを知らない。
一旦正倉院に収めれて、光明子自身に寄って引き出された物語が本書の落ちか。
深い思いがこめられている。
本書を読むと、日本創世記の、天皇家の、野望と苦悩が、リアルに感じられる。
古代史ファンには、ぜひお勧めしたい良書。
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