昨日の夜からハノイ。
天気イマイチながら、街は元気。
日本より、韓国が目立つのが...,
本書は、3巻シリーズの第1巻。
本屋に並んでいるのを見て、迷わずゲット。
ただ、その後読みそびれていて、やっと第1巻を読んだ。
2015年に行われた古代史シンポジウムを基調講演と関連論説をバランスよくまとめてあって、最新情報の駆使したすばらしい内容になっていた。
上野さんの後書きにあるが、古代史の研究は、明治以降、敗戦まで、政治的な理由で、まともな議論ができなかった。戦後、議論ができるようになったのと、画期的な考古学的な発見により、具体的な研究が飛躍的に進んだ。
本書は、その最新成果をまとめたものだが、そのテーマの選び方がいいと思ったら、亡くなられた上田正昭さんのアドバイスによるものだという。
そのテーマとしては、倭国とは実際どのような王権で、どのように誕生したのか?卑弥呼と魏王朝の関係は?銅鏡からの分析、鬼道とは?三角縁神獣鏡、邪馬台国とヤマト国の関係は?となっており、それぞれのテーマについて、最先端の研究成果が発表され、一部は、他の本でも、発表になっている。
高校の時、魏志倭人伝の邪馬台国の場所についての記載について、長々と習った記憶があるが、当時の中国において、日本列島が、東方ではなく、南方にイメージされていたことは、説明になかった。これらも、日中韓の資料分析から徐々に浮かび上がってきたものだ。
纒向遺跡の発掘は、倭国、邪馬台国の議論には欠かせない大発見だった。
結論が出た訳ではないが、九州北部から、倭国へ、大きな流れがあったことは間違いなく、そこに、銅鏡や、土器や、古墳の分析を進めると、よりリアルな姿が、浮かび上がってくる。
今後の議論の発展がますます楽しみになった。