かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

倭の五王

2018年04月07日 | Books
今日は、ゴルフ。
雨が、ほとんど降らなかったのは良かったが、風がめちゃくちゃ。
上手い人なら関係ないんだけど。
でも、風が強くなった後半の方が良くて、大波賞を頂いた。



本書は、本屋の平積みで見つけた。
何を今更と思ったが、読んでみて面白かった。

倭の五王というと、魏志倭人伝から、古事記の世界をつなぐものとして貴重なものという意識はあったが、これだけ、集中して説明してもらうと、目からウロコだ。

まず、そもそも記紀に著されるこの時代の話は、神々の話と、人の話の過渡期で、正直よくわからない。
本書は、その時代を、中国に残る書物から解き明かそうとした書だ。

まず、感じたのは、中国の書で、明らかになっていたと思っていたことが後の解釈によるものだったということだ。
5人の血縁関係にしても、その比定にしても、確証はないのだ。

本書は、当時の天皇は、有力豪族の中から選ばれたのではないかとする。
なぜなら、記録には、血縁関係が明確にされておらず、日本の古墳では、同じ時期に、同じような勢力を持ったグループがいたことが推測できることによる。

武が雄略天皇というのが定説になっているが、当時の雄略天皇の呼び名は、和名しかなく、単なる推測にしか過ぎない。

記紀では、親子関係が示されるケースが多いが、当時は、権力を引き継ぎことを親子関係と呼ぶことも多かったようで、必ずしも親子が、血縁を示している訳ではないことも。

そう読んでいくと、ぶっ壊してばかりになってしまうが、当時の、中国の状況、韓国の状況がどんどん流動化する中、なかなか真実を見出すのは難しいとする。

ただ、その中でもいろんな断片的な情報から、真実に近づいていっている面もある。
それらを積み重ねていけば、確度の高い比定ができ、そこから、古代史の世界が広がっていくのではないかという期待も抱かせる書だった。

古代史ファンは、是非一読を。

コメント
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