本書は、発売前にゲットした。
和久井さんの、渾身の作。でもちょっと読むのが後回しになって、もう新鮮味には欠ける?
まさにロックの歴史を、和久井さんの目からだが、ディープに語ってくれている。
直接は存じあげないが、私と、同じ歳なので、同時代感覚の記述にシンパシーを覚える。
とはいえ、相当、いや最高級にマニアック。
ここまで語れる人は、日本にも、いや世界にもそういないだろう。
それだけ、和久井さんの全てを集約したような本だと思う。
和久井さんの、マルチなバックグランドがなければ、書けない部分も多い。
全部は、ついて行けないが、途中から、ビートルズvsディランの記述が増える。
結構、憶測も入るが面白いし、そうなのかなとうなずける話も多い。
それほど、当時の最先端を行くミュージシャンは競いあっていたし、接触もあったし、だからこそ、新しいムーブメントが大西洋をまたがって起こった。
マクロの動きと、ミクロのトリビアが絶妙のバランスで、取り込まれており、同世代のロックファンにとっては、すばらしい集大成的な1冊になっている。
80年代以降は、パンクが日本に浸透しなかったことがその後のポピュラー化につながらなかったとしているが、同世代の者としてはその通りという感じ。
私の感じと同じで、80年代に入ったと同時に、ロックはロックではなくなった?
ということで懐メロロックに浸っている。
クリムゾンもまた来る!
ロックを学問と捉えたい人向け。