岩波新書の新刊をゲット。
以前紹介した、金沢を歩くを著した元市長の山出さんの新書。
かなりのお年のはずだが、市長以前の時代から、今に至るまでの金沢のまちづくりの歴史が、綺麗にまとめられている。
金沢は、江戸時代から開かれた比較的新しい街だが、その後、一度も戦禍に遭っていない稀有な街。
その貴重な街をいかに開発と保存の狭間で発展させていったか。
もちろん100点満点はないのだが、北陸新幹線開通後の観光客(特に外国人)の増加を見ると、見事花開いたということではないのか。
ヨーロッパでは、古いものを大事にしながらのまちづくりの意識が強いが、日本では、稀有なケースかもしれない。
私が育ったのは、仙台で、駅前のペデストリアンデッキができた時感動したが、その瞬間、東京ので店的な街になってしまった。
金沢駅の駅前整備は、全く違うコンセプトにしたが、結果的に大成功。
様々な議論を重ね、具体的な条例を次々策定。当然、中には、開発を制限するものもあったが、大きな目的をぶらさず、成立させていった。
これこそ、政治、行政の仕事ではないか。
知り合いが、二人、本書の中に出てくるが、政治家だけではなく、芸術家、クリエーター、いろんな人の意見を集約して、まちづくりを進めていった。まさに、全員参加型のまちづくりだ。
町名をかつての名前に戻す運動もされているという。此花町(親の実家がある)を鍛冶町に戻してくれると、いいんだけど(昨年金沢を訪れた時に、此花町は、昔にもあった町名だが、場所が異なっていることを知った)。
全国の市長さん(特に、江戸時代以前から続く都市の)に読んでもらいたい本。
すばらしい本だった。
岩波書店の元社長さんも金沢出身だから、岩波書店から出されたのかな。