かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

旅する神々

2021年04月01日 | Books
今日から、4月。
時が移るのが早い。



本書は、本屋で見つけた。

古事記に登場する神々の旅?の様子を、5人?の神々の旅に絞って、所縁の地、現在での言い伝え情報等も検証し、解き明かした本。
と言っても、研究本というより、面白く読めるように工夫してあり、私レベルの読者にピッタリの本だった。

大国主の旅については、古事記にかなり詳しく描かれている。
大国主と大黒天の習合の背景、地理的な旅だけではなく、生と死の間と何度も往復する様子を解く。

山幸彦の旅は、その祖先、子孫である、天孫降臨の話を解説。
古事記に詳しく説かれている話だが、神→人の旅としてよくできていると評価。

吉備津彦の旅は、旅というより、桃太郎伝説と吉備津彦の温羅退治との関係について考察。
今は、すっかり定着している桃太郎伝説が、吉備津彦の逸話と結びついたのは、かなり後の話で、それが定着したのは、昭和と分析。
結構、びっくり。

倭媛命の旅については、伊勢神宮の場所を探す旅だが、倭媛命世記に記された話を軸にしており、初めて聞く話も多かった。
倭媛命世記は偽書という説もあるそうだが、それなりの物語になっており、まったくの創作とも言い切れない。
地名に古事記の地名と一致するケースも多いが、後付けなのか、何等かの関連があったのか、今となっては、わからないのと同様だ。

最後は、倭建命の旅だが、これは、古事記に詳しく描かれている。
その旅を支えた女性についても解説。
その旅は、悲しい物語に描かれているが、その後の天皇家の系図を見ると、結果、大和政権の礎になっていることを指摘。
確かに。

最後に各地につながる来訪神と、旅する神々の話を検討。
来訪神は、旅姿のものが多く、そこから、神というものは、世界的に見ても旅するもので、それが、各地、各家に訪れ、様々な効用を施してきたのではないかと説く。
神様が神社に収まったことにより、神社にお参りする形になったが、これは、仏教との習合の影響が大きいのではないかと。

神は、本来的に、旅するものだったのだ。
コメント
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