かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

鳥獣戯画決定版

2021年04月26日 | Books
昨夜は、風がひどかったが、日中は、いい天気が続いている。



またまた別冊太陽をゲット。

先日の鳥獣戯画展に合わせた企画。
決定版とあるが、前にも出たことがあるのだろうか。
5月9日発行とあるが、ずいぶん前から本屋に並んでいる。

内容は、充実している。

最初論説的なコーナーがあって、絵を見ながらの座談会風のコーナー、まとめ、同時代の他の絵巻物の紹介といった構成。

この絵巻物の意味は?という問いには、あまり深い意味はなく、パロディと考えるのが、自然ではないかとまとめている。
4巻相互のパロディになっている部分も多い。
ただ、その技量は、他の絵巻物と比べ、豪華さに欠けるにも関わらず(紙質、白黒)、格別のものがあるとの見立て。
評論されている方々は、その道のプロで、他の絵巻物も研究しつくした上でのご意見で、重みがある。

一番面白かったのは、やはり鳥獣戯画を見ながら、3人の研究者がコメントし合うコーナー。
臨場感があり、動画で見たいぐらいだ。
ただ見ただけではわからない洞察がたくさん。
筆遣いの違い、裏から描いた部分の紹介、にじませ方の違い、紙質の違い、研究はかなりされてきているのだが、来歴がわからない分、見解も拡散しがちのようだ。

一旦鳥獣戯画展は中止になってしまったが、再開したら、本書を読んでから見るのも一考かもしれない。
展覧会で、図録も買ったが、読み物としては、こちらの方が面白い。
展覧会の図録の目玉は、何といっても、実物大の絵巻(全部!)のページ。
紙質とかの感触はわかりにくいものの、筆遣いなど、じっくり見れる。

いずれにしても、展覧会の早い再開を期待したい。
コメント
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