高山博さんの本を初めて読んだ。
オンライン講座を受講することになり、積読になっていた本を掘り出して読んだという次第。
職業は、作曲家、著述家、ライターとあるが、失礼ながら、存じあげなかった。
関西中心に活動されているようだ。
なかなか充実した1冊だった。
著者のキャリアから見て、音楽の技術的な分析本と思ったが、題名が示すように、もっと多面的な分析本で、大きな流れと、細かい技術的な点や、トリビアを交えて、幅広い読者の期待にそえる内容になっている。
単なる受け売りではなく、著者の知見も、ちらちら入れ込んでおり、特に現代音楽史や、社会の風潮の変遷を、うまくビートルズの歴史をシンクロさせていて、ビートルズの1960年代の世界に及ぼした影響の大きさを再認識できる。
付録のコードについての記載は、先日6回シリーズで受講した麻倉先生の講義内容とかぶるのだが、その辺は素人なので、とっつきにくい。
高山さんと、麻倉さんが、ビートルズの楽曲のコードについての議論をしたら、お互いにアグリーできるものなのだろうか。それとも、論争になるものなのだろうか。
ちょっとわからない。
ビートルズの音楽、当時の文化に与えた影響を、やや詳しく知りたい人にお勧めできる良本。
知らない話(もしかすると忘れてしまった話)も多く、多いに楽しめた。