稼プロ!17期 松原伝二です。今回が12回目の投稿になります。
よろしくお願いします。
2018年度の介護報酬改定は、0.54%のプラス改定となりました。微増ですが「政府が重視する在宅ケアと介護医療連携に関わるところでプラス改定や新たな加算が設けられました。団魂の世代が高齢者となる2025年は着実にやって来ます。そこで政府は、介護業界の給与水準を引き上げるための処遇改善などの就労環境の改善を進めており、今回の介護報酬改定でも重要項目となっています。
私たちの寿命は延び続け、今では”人生90年“に手が届こうとしています。しかし一方で、自立した生活を送れる期間「健康寿命」が、「平均寿命」より男性は約9年、女性は約12年も短いことが分かっています。これは支援や介護を必要とする期間が、平均で9年〜12年もあるということです。長い人生、いつまでも元気に過ごすためには「健康寿命」を延ばすことが必要です。
介護保険における要支援・要介護になった要因を見てみると、第1位が運動器の障害(25%)、2位が脳血管疾患(脳卒中)、3位が認知症、4位が高齢による衰弱の順番となっています。このことから健康寿命を延ばすためには、定期的な運動器のメンテナンスを行い運動器の障害を予防する必要であることが分かります。
健康寿命を短くする原因の1つにロコモティブシンドローム(運動器症候群、通称ロコモ)があります。ロコモティブシンドロームは、骨や関節、筋肉など運動器の衰えが原因で、歩行や立ち座りなどの日常生活に障害をきたしている状態のことをいい、進行すると要介護や寝たきりになるリスクが高くなります。
健康な状態から要支援・要介護に至るまで運動機能はひそかに衰えていきます。骨・関節・筋力の衰えが、痛み・バランス能力の低下・可動域の制限を招き、やがて移動能力が低下し寝たきりになります。ロコモの予防や改善のためには、定期的に運動器機能をチェックし、自己の健康課題に気付くことが大切です。
骨や筋肉は、40歳頃から衰え始め、50歳を過ぎた頃から急激に低下します。そのため特に40歳を過ぎたら、ロコモ対策を始める必要があります。
自分がロコモティブシンドロームに該当するかどうかチェックする方法として「ロコモ度テスト」があります。①下肢筋力を調べる「立ち上がりテスト」、②歩幅を調べる「2ステップテスト」、③身体の状態・生活状況を調べる「ロコモ25」の3つのテストでロコモ度をチェックできます。テスト方法は、「ロコモシンドローム予防啓発公式サイト“ロコモチャレンジ!」ホームページに掲載されていますのでチャレンジしてみてください。https://locomo-joa.jp/
メタボリックシンドロームという言葉は、健康意識な高まりにより急速に広まりました。「太っていればメタボ」と、太っている人の代名詞のように使われることが多くなり、生活習慣病の予防や改善に大きく寄与しました。しかし、ロコモティブシンドロームは、運動器の障害が要支援・要介護になる要因の第1位にも拘らず、あまり普及していないように思います。
今後、平均寿命が延びて、医療費や介護費用が増加します。一人ひとりが要介護・要支援にならないようにロコモ対策を行い、1日でも長く健康で生活できるようにすることが大切ではないでしょうか。骨や筋肉はいくつになっても鍛えることができるそうです。「運動器の寿命は自分で伸ばす」という意識を持ち、今からでもロコモ対策を始めようと思います。