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ストーリー、映像、そして共感

2018-03-02 10:00:00 | 17期生のブログリレー

こんにちは17期の小口です。

先日閉会式を迎えた冬季オリンピック、みなさん楽しまれましたか?

私は、同郷ということもあり、スピードスケートの小平さんの出場種目は全てTVの前に正座し、祈るような気持ちで見ていました。彼女が500mで金メダルを獲った瞬間は本当に感動しました。そして、その後報道された様々なサイドストーリー(銀メダルの韓国選手との友情物語、オランダでの修行生活、勤務先の病院での患者さんとのふれあい等々)を知り、それらの「ストーリー」を思いながら、金メダル獲得時の「映像」を何度も見るにつれ、感動が小平さんの生き方への「共感」に変わっていきました。

ということで、今回は「ストーリー」と「映像」の力そして「共感」についてのお話をします。

ご記憶の方もいらっしゃると思いますが、以前、17期の皆さんの前で行った5分間スピーチで、「社会的価値」、「経済的価値」をともに向上させる企業の取り組み、CSV(Creating Shared Value:共有価値の創造)についてお話をしました。このCSVについては、昨年1年間月一勉強会に参加し、様々な企業の方々と共にその意義等について学ぶ貴重な経験をしました。

このCSV勉強会の中で、我々が頭を悩ませたのが、「経済的価値」に比べ測定が難しい「社会的価値」をどう捉えるかでした。言い換えれば、何をもって世間は企業活動の「社会的価値」を評価するのか?です。企業の製品、サービスが社会のある課題の解決に貢献する「機能価値」を有していれば、それをして世間は「社会的価値」を認識するのでしょう。しかし、それだけでは十分に「社会的価値」を説明できないのでは?というのが我々の疑問でした。そして、最終的に我々が行きついたのが「共感」(=情緒的価値)です。企業の製品、サービスの機能が社会課題解決へ貢献し、その貢献を多くの人々が「共感」するようなれば、より「社会的価値」は増大するという考え方です。そして、世間の「共感」は、製品、サービスの販売増に結び付き、結果「経済的価値」も増大する循環を生むと考えました。

では、この「共感」を増幅するものは何か?

「共感」を大きくするに効果的だと我々が認識したものが、小平さんの感動劇の中にも登場した「ストーリー」と「映像」です。(ここでようやく話がつながりましたね) 例えば、某企業が現在実験を行っている「自動運転バス」があります。このバスの機能が社会に貢献することは明らかですが、この機能の価値は「自動運転バス」が走る地域の人々しか実感できず、「社会的価値」の大きさは限定的です。しかし、そこに「ストーリー」と「映像」の力があれば状況は変わってきます。

この自動運転バスの紹介動画が「バスがまた通るようになったら」というタイトルで公開されています(お時間のある方は探してみてください。路線バスが不採算で廃止になるような地方出身の人は特に感動します) 。残念ながら、「ストーリー」と「映像」を言葉で記述するまでの文才を持ち合わせていないので、内容をここでは説明しませんが(これこそ映像の力!)、その動画を見終えた後、勉強会のメンバーは皆そろって感動の余韻に暫く浸っていました。そして、この「自動運転バス」の社会的な意義、某企業の社会課題に向き合う姿勢に、「自動運転バス」が走る必要もない場所に住む我々は、大いに「共感」したのでした。

「共感」には伝播力があります。私もこうして、この「共感」、「感動」を誰かに伝え、同じように「共感」してほしいと思い、こうしてこのブログを書いています。こうした想いが「社会的価値」をまた増幅させていくのでしょう。

以前別のスピーチの機会でもお話したように、日本には、「ものつくり」にまつわる「ストーリー」が溢れています。そこに最新の映像技術が加わり、世界の多くのひとびとの「共感」を獲得できるとしたら、、、日本はまだまだ潜在力ありますね。

ということで、オリンピックの話、CSVの話と、話題は方々に飛びましたが、「ストーリー」と「映像」を通じた「共感」という共通項を見出したところで、今回のブログはここまでとしたいと思います。

コメント (1)
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