17期の桶 哲治です。LRTとコンパクトシティについて3回目です。
LRTの1回目で記載した宇都宮市と隣接する芳賀町が計画しているLRT(次世代型路面電車)の建設がようやく始まります。国土交通省は、今月20日にLRTの建設工事を認可しました。実際の工事着工は4月以降となりますが、鉄道ファンだけでなく、地方都市の再生を考える人々にとって大きな決定だったと思います。
全国のコンパクトシティを目指している都市や、ライトレールの導入を計画している都市や、鉄道に関心ある人々など全国から注目を集める新たな鉄道敷設が、ようやくスタート地点に立ったわけです。2022年の開通を目指して工事可能なところから始めるとのことで、458億円の一大事業となるので経済波及効果の面も期待出来ます。
現在LRTの導入を検討している都市は、宇都宮市のほか堺市、東京都中央区、豊島区、静岡市、金沢市、大垣市、伊丹市、松江市、高松市などがあります。しかし、いずれの都市も導入への道のりは険しい状況で、計画が進行している都市はほとんどありません。従ってこの宇都宮ライトレールの建設は全く新しく敷設する初めてのLRTであり、過去に一度も路面電車が走ったことがない宇都宮市の決定は大きな呼び水になるのではと期待しています。
日本社会の少子高齢化は待ったなしであり、特に地方都市は深刻な状況と言われています。そのため早急に都市機能の効率化や利便性を再構築しないと高齢化の対策が間に合いません。地方は、クルマが無いと生きていけないと言われていますが、高齢化に伴い運転が難しくなるとどうでしょう。クルマありきで郊外に住宅地や、大型ショッピングモールを建設してきたのですから、クルマが無いと生活が不便となるのは当然でしょう。ヨーロッパのように普段は都市部に住み、週末などを郊外の田園地帯に行くなどの生活は日本ではなかなか望めません。また、大型ショッピングモールは地元業者に殆どお金を落とさないと言われているので、市街地は元気なくなるわけです。
自分は、アジアの都市によく見られる雑多な市場や飲食店が好きなので出掛けた際には必ず立ち寄ります。40年くらい前の日本の各都市にもあった中心市街地のアジアのテーストが戻れば良いと思っています。外国人観光客は東京の上野や大阪の道頓堀が好きですよね。自分のようにおしゃれではない人々(一部おおしゃれな人も)そんな町が好きなのではないかと思っています。
可能であれば、多くの人がクルマを捨て中心市街地(出来ればアジアの雰囲気ある場所を含めた市街地)にLRTで出掛けることにすることで、市街地の活性化に繋がるのではと自分は考えていますが、クルマなかなか捨てられない人多いでしょうから悩ましいです。