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ハリルホジッチ監督のマネジメント力

2018-03-24 09:17:24 | マスターコース説明会・見学会のご案内

皆さんこんにちは。17期の渡邉大輔です。

今年はワールドカップイヤーですね。現在、日本代表は欧州遠征中。香川真司選手、吉田麻也選手など主力の負傷、乾選手の落選など、残念な面もありましたが、本田圭佑選手の復帰、中島翔哉選手の初選出などには期待が高まります。

 

さて、本日はハリルホジッチ監督のマネジメント力を診断してみたいと思います。産業能率大学 総合研究所『サッカー日本代表監督ハリルホジッチ氏にみるマネジメントコントロール』 (http://www.hj.sanno.ac.jp/cp/page/12870)によると、マネジメントコントロールは「結果のコントロール」、「行動のコントロール」、「環境のコントロール」の3つに分かれます。

 結果のコントロール:これは文字通り結果をターゲットにします。企業経営においては業績が対象となり、売上、営業利益、予算などの例があります。サッカーでは、試合の勝敗や大会での成績となります。

 環境のコントロール:空気づくりや意識づけの側面であり、メンバーが動きやすい環境を整備するというマネジメントです。

 行動のコントロール:成果を出すためにどのように行動するかをマネジメントすることです。メンバーの日々の行動の指針を示し、必要に応じて軌道修正して正しい方向に導いていく事です。

 ビジネスでもスポーツでも共通ですが、優れたリーダーはこの3つのコントロールのバランスをを取る事ができています。「結果のコントロール」のみでメンバーに行動を任せっぱなしでもダメですし、「行動のコントロール」を重視しすぎるとメンバーの自由な発想を狭めてしまうことになります。

 さて、上記3つのコントロールについてハリルホジッチ監督を評価してみたいと思います。

 「結果のコントロール」という意味では、ワールドカップ出場権を見事に獲得したわけですからここまでは評価できるでしょう。後は本番でどの程度の結果を残せるか楽しみです。

 「環境のコントロール」についても足繫くスタジアムに通い、調子が悪ければ有名選手を呼ばず、無名の選手を選ぶなど、選手間の競争を煽るという事をしてきました。一旦は代表を外された本田選手がレベルの下がるメキシコリーグへの移籍を決断し、調子を取り戻してきたのはこのハリルホジッチ監督の戦略に依るところもあったでしょう。

 「行動のコントロール」においては、球際の強さを重視し、高い位置でボールを奪取し縦に速いサッカーを掲げ、浸透させてきました。私は、これまでハリルホジッチ監督は「行動のコントロール」が強すぎるのではないかという見方をしてきました。縦に速いサッカーは日本選手の特長が活かされないのに何故無理やりそれを押し付けようとするのか理解ができませんでした。

 しかしながら、現実を見るとワールドカップでは日本のランキングは下から5番目。すなわち対戦相手のほとんどが格上です。格上相手にはボールを支配される時間が長く、縦に速いサッカーで1点をもぎ取るのが有効です。おそらくこうなる事を見越して、アジア予選の時から縦に速いサッカーを貫き通して浸透させようとしてきたのでしょう。 アジア予選では苦戦はしましたが、ワールドカップ本戦を見越して結果が出ない時でも選手たちの行動をマネジメントしてきたと言う事ができます。

 私は、ハリルホジッチ監督は3つのバランスが取れた優秀な監督だと思っています。極端な発言をする事もあり、メディアからは批判されることも多いですが、ワールドカップでは良い成績を収めることができるのではないかと期待しています。

 今回はハリルホジッチ監督をマネジメントコントロールの理論に照らして評価してきましたが、元々はビジネスで使う事のできるフレームです。今後、経営者と接する機会があれば、この3つのバランスが取れているかを軸に評価をする事も取り入れていきたいと思います。

コメント (2)
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