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給与の上げ方

2023-08-25 00:00:00 | 23期生のブログリレー

 事務局の佐々木(晋)です。こんにちは。7/28日に中央最低賃金審議会が2023年の最低賃金の目安を全国平均で時給1,002円にすると決めました。日経の報道によると1,000円を超えたのは初めて。現在の961円からの41円アップは過去最大の上げ幅になるそうです。私が30年以上前に初めてコンビニでバイトした時の時給は確か670円ぐらい。1,000円超えるなんていい世の中になったな~、とは思っちゃいけないようです。

 中小企業政策に関してよく登場するデービッド・アトキンソンさんの「給与の上げ方:日本人みんなで豊かになる」(東洋経済)という本を読みました。この本のポイントは、
・日本人の給料はこの30年間ほとんど上がっていない
・税金と社会保障費の負担が増えたため、手取り収入は大きく減少
・今後の超高齢化社会では更に負担が増えて手取りが減少
・他の先進国では給料がコンスタントに上昇(まともな経済状態にあれば給料の水準が上がるのは当たり前)
・海外では個人が給料を上げる主役 ⇒自分自身で給料アップを交渉する時代
だと理解しました。日本で給与交渉する労働者は3割未満ですが、海外の先進国では7割もいるそうです。報道された最低賃金も、海外の先進国と比べると非常に低い水準のようです。
 具体的な給与の上げ方が本書でたくさん述べられていますが、一人ひとりの生産性向上がキーになると思いました。生産性向上は付加価値(売上ー材料費)の増加をもたらすので、人件費の原資を増やすからです。会社では人を減らす省力化や効率化も生産性向上と呼ぶことがありますが、人件費が減るだけなら付加価値向上にはなりませんね。本書では取り上げられていませんが、診断士の間で拡大している複業も有効なアプローチの一つだと思いました。自身の収入だけでなく、クライアントの付加価値を上げることもできれば、日本全体の生産性向上に貢献できます。

 本書の試算によると、2060年の生産年齢人口で現状のGDPを維持するには、年率4.2%の給与アップが必要になります。私のこれまでの会社人生を振り返ると、給与を上げてもらいたいと思ったことはあっても、自分で上げていこうという考えはなかったと思います。稼プロ!で言う”受け身”の姿勢でしたね、、、。生産性向上に寄与する付加価値を創出するためには、自身のスキル・ナレッジ・マインドを磨き上げ続ける必要があります。改めて主体的に学び続けることの必要性を実感しました。

 

コメント (6)
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