「稼プロ!」事務局の小林 隆です。
本日は、コンサルタントの「プレコンサル」と「キャッシュ・ポイント」について考えてみたいと思います。
コンサルタントは営業を行う際、「プレコンサル」を行います。すでにコンサルの仕事に携われている方はご存知だと思いますが、「プレコンサル」とは、実際にコンサルティング契約が成立してサービスを提供する前の、営業の段階で行うコンサルティングのことです。営業に不随して行われるので、当然このサービスに対する課金はされません。まれに、企画費や提案書(プロポーザル)作成費として請求ができるケースもありますが、通常 多くの場合は請求できません。
しかし、目に見えないサービスを売るコンサルタントは、クライアントに、これから提供するサービスの必要性を認識していただくために、相手企業をの問題点や課題を分析して、その解決策としてコンサルティングや研修が必要であることを、ご理解いただかなくてはなりません。
本日、私は研修の打ち合わせに、ある上場商社さんに行ってまいりました。前回、実施した研修が好評で、「次にどのような手を打つべきか、相談にのってもらいたい。」とのご依頼によるミーティングでした。私が実施する研修は、自社の実際の経営環境を分析し、会社や事業の将来ビジョンや戦略を描くものです。
今回のご相談は、「研修で描いた中長期的のビジョンを、実際に使えるようにどうブラッシュアップし、具体的にどのように進めるか?」というものでした。そのために、進め方を検討し、組織体制・推進体制をどうするか、会社で行うこと、小職が支援させて頂くことの分担をどうのようにするか、といった内容を検討してまいりました。
通常、研修の営業の場合、すでに会社が認識された課題をどのように研修によって解決するかというところから提案を行います。しかし、今回のように自社の真の課題や、具体的対応・解決策について、会社のご担当自身も明確な答えや仮説をもっていないケースも意外と多くあります。その際は、営業の段階で、当方で課題を整理し、今後の方向付けをする中で、研修の役割を明確にする必要があります。
いわば、コンサルティング営業または提案型営業とでもいうのでしょうか?
基本的に、私のキャッシュ・ポイントは研修です。したがって、解決の手段として研修をオーダーして頂かない限り、この営業の段階では、どんなに問題点や課題を整理して、解決の方向を提案しても、収入にはなりません。
私は、駆け出しのコンサルタントのころは、診断して課題を抽出し、対応策を提案することそのものが、仕事だと思っていました。現在では、多くのケースで受注する前にその作業は概ね終わっていて、キャッシュポイントは、そのために何を提供するのかという点に変わってきました。コンサルティングの場合は、分析の手続きはサービス提供の際に再度行いますが、結果は概ねすでにわかっているということになります。
経営者の多くは、結果のわからないことにお金を払おうとしません。知識やノウハウ等知財にお金を払う習慣が乏しい日本では、売上や利益の増加や、資金調達等目に見える成果に対してのみ、お金を払おうとする傾向があります。今後もこうした傾向は続くものと思います。経営者はどこに価値を感じるのか、よく考えコンサルや研修の商品の高度化を図ってまりたいものです。