「長良川」という銘柄で有名な岐阜県各務原市の小町酒造へ。創業は明治27年(1894)。「ヒーリング音楽」を流して酒を醸す蔵としても有名だ。市街地からは離れており、一帯の集落には古い建物が何軒も残っている。細い路地を辿っていくと風格ある建物と黒塀、それに脇に立つ赤い郵便ポストが目に入った。玄関口には杉玉がぶら下がっており、この建物が事務所と販売所を兼ねていて、裏と横に酒造場があるようだ。玄関ガラスに「金武酒造株式會社」とあるので前身はそういう名前だったのだろうか。車を工場側に停め、店へ。木戸を開けると土間にいくつかの銘柄の瓶が並んでいた(ちなみにここは音楽は流れていなかった)。定番の「長良川」は酒屋で何度も買って呑んでいるので、この日は初めて「長良川・超辛口」を買ってみた。もちろん1升瓶では口に合わなかった時に持て余すので、4合瓶で。
↓ 酒造の建物は、店舗兼主屋(昭和29年)、門及び塀(昭和初期)、通用門(明治30年)、離れ(明治45年)、土蔵(大正14年)がそれぞれ国の登録有形文化財に指定されている。
日本酒の辛口度を示す”日本酒度”はなんと驚きの「+20度」。辛口で有名な同じ岐阜県多治見市の「三千盛酒造」の定番酒が+12度~+16度くらいだから、その突出ぶりが分かる。口に含んでみると、想像したよりはガツンとくる訳ではないが、やはりボディというか押しが強いことは間違いない。まずは冷や(常温)で呑み、試しに燗もつけてみた。温度が上がると風味が増す酒が多いが、こちらはあまり印象が変わらない。アルコール度数も18度以上とかなり高いので量に気を付けて呑み進めた。口中の隅々まで押してくる感じがあるので、さすがに普段使いは無理だが、なかなか面白い。「ロックで◎」なんて書いてあったが、なるほど氷の冷たさで、強い押しとアルコール度数を抑えて、夏にでも飲ったらいいかもしれない。来夏試してみよう。(勘定は¥1,296)
↓ 酒蔵の通りを挟んで向かいにある「清水家住宅」(昭和6年・1931・建造)。養蚕農家の建物だそうだ。こちらも登録有形文化財。
↓ 車で10分位のところに建つ「前野町火の見櫓」(昭和12年・1937・建造)。全長19mの鉄骨製で、こちらも登録有形文化財に指定されている。
岐阜県各務原市蘇原伊吹町2-15
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