CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】64(ロクヨン)

2015-01-12 14:46:28 | 読書感想文とか読み物レビウー
64(ロクヨン)  作:横山秀夫

警察ものというジャンルでいいのか、
ある誘拐殺人事件についておった小説でした
結構重たくて、長くて、読むのに疲れましたが
非常に面白い小説でありました、これは凄い

近い未来にNHKでドラマ化されるらしい、
しかも主演が、ピエール瀧と聞いて
これはもう、原作読んでおくしかあるまいと
ついつい手にとったのであります
ドラマ原作ときくと、ドラマを先に見たほうがよかったり、
原作を先に読んだほうがよかったり、
どっちともつかないことがおおいのでありますが
今回は先に読むことにしました
ドラマはどうなるか楽しみであります

で、小説のほうはというと、
元刑事で、現在は広報を担当している男が、
刑事の頃に関わった事件、通称「64」について、
未解決事件ながらも、かなり進展のないそれ、
この事件に隠されたり、利用されたりと、
警察内のいざこざと隠蔽なんかを
記者とのやりあいや、内部抗争なんかで見せるといった
ステキな推理ものといいますか
かなり面白いミステリーでありました

あらすじが、ネタバレに直結してしまうような
濃厚な物語でありまして、おいそれと
あれこれ書けないのでありますが、
なんだろうかな、私のように30も後半にさしかかって読むと
ぐっとくるというか、自分のポジションについて
凄く考えさせられるところでありました、
異動になったときに、元の巣へ戻るだとかそうでないとか、
現職について、帰属するとかしないとか
そういう、しょーもないけども、捨てられない何かが
よりえぐいというか、濃密に警察組織が描かれて
なんともいえない閉塞感と、
そこでどうするべきかという問いみたいなの、そして
主人公の出す答えが出ていて
読み終わると、ずいぶんとかっこいい、清清しいと
そんな気分になれたのであります、ステキ

64というのが、昭和64年に発生し、
そのうちに終わった、そして、すぐに平成となったと
なかなか印象深い事件として描かれておりまして
その喧騒によって、消されてしまったかのような
なんともいえないそれこれであったり、
被害者や犯人、そして、それとは関わらず
様々な状態、家族、職場におかれる人々の内面が
ひょんなことから共鳴したかのようになってというくだりが
まぁ、泣けて泣けて仕方なかったのでありますけど
ともかく、いい小説でありました
重たいのに、結局ぶっ通しで読んでしまった
おかげで作業が出来なかったと
そんな按配であります