Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

カンパ・レコード フロント ディレーラー

2010-04-28 20:23:44 | 自転車部品・用品
CAMPAGNOLO RECORD カンパニョーロ レコード これのフロントディレーラー
にも長い歴史が有ります 時代により少しずつマイナーチェンジをしています
オールドカンパと呼ばれる時代の F.D を見てみましょう




私がまだ大切に使っている選手時代のロードレーサーです フレームは現在は Panasonic パナソニックに
なりましたが その前身の NATIONAL ナショナル自転車で 1974 年にフレームをオーダーしています
部品構成は Campagnolo カンパや CINELLI チネリ 当時の自転車競技シーンでの定番部品達です
このロードに使っているのも カンパ・レコードの変速機 フロントはナメクジと呼ばれるエクボ無しの物です



RECORD F.D

カンパニョーロのリアディレーラーについては 色々な資料も有り時代考証も結構出来るのですが
不思議とこのフロントディレーラーについては 記述された資料が少なく謎の部分が多い部品です

1940 年にはロッドで操作するスライド式の変速機が存在しましたが このパンタ式になった時期がはっきりしません
これが初めて製造されたのは 1960 年だろうと言われています

※ このパラレモグラム式変速機の登場は 1953年との資料が有りました 2010.4.29 加筆






これは私がロードに使っている物と同じで ガイドプレートの前部が
のっぺりとした エクボ無し、通称ナメクジと呼ばれている物です
これ以前の古い物は 取り付け部下部に シフトケーブルのアウター受けが
付いています






これはエクボ有りと呼ばれる ガイドプレートの前部に凹みを持たせたもの
これはナメクジより新しいタイプです




この時代の F.D 製造時期により色々と違いが有ります その違いを見てみましょう
この写真は 上がナメクジ・エクボ無し 下がエクボ有りです





アームの取り付け部 上がナメクジ 下がエクボ有り
アームの前面三角部に突起が無いものと 突起が有る物






アームの取り付け部 上がナメクジ 下がエクボ有り
ナメクジには装着部にリングが入っていません しかし
リターンスプリングが駆動部本体を押えているので これでも
外れる事は有りません






これはディレーラー取り付けネジ部 上がナメクジ 下がエクボ有り
ナットが当る部分の形状が変わっています






これはリターンスプリングの装着部 上がナメクジ 下がエクボ有り
ナメクジの方は取り付けボルトが真芯に無く 少しオフセットされています
スプリングの形状もやや違う様ですね

ここまでは私の保管部品ですが ロードのナメクジも見てみましょう






この変速機は 1972年頃に買った記憶が有ります 
ただ自転車屋さんにどの位の期間置いてあったのか分からないので 
正確な製造時期は分りません

アームの取り付け部本体は保管品と一緒です






スプリング取り付けボルトが芯に有ります アーム取り付け部は
リングを取り付ける溝が切って有りますが リングは付いていません

この様に見るとこの変速機は 保管してあるナメクジよりやや新しく
エクボ有りに移行する時期の物かも分りませんね ただこれもあくまで
想像です







このカンパニョーロ・レコードの変速機 フロントは資料が少なく、この様に現物を見比べ想像するしか有りません
リア・ディレーラーは RECORD レコードの後に NUOVO RECORD ヌーボ・レコードへと移行して行きますが
フロント・ディレーラーにヌーボは存在しなかったのじゃないかな? 次期機種はスーパー・レコードに移行
して行ったと思います

これだけじゃ部品収集オタクになってしまう 少しは整備の事も書きましょう(笑)
この時代のフロント・ディレーラーの調整位置 ガイドプレートの外側、これをトップ位置に持って来た時 
アウターギアの刃先との隙間は 1~2 ミリに高さ調整をします 現在で言う処のトゥ・イン、アウトは 
外側プレートがアウターギアに平行にするのが基本です この後の調整は実走行で微調整をします

私はプレートがアウターギアに平行にはせず リアスプロケットの 2ed にチェーンを掛け アウター× 2ed の状態にします
そのチェーンに対し変速機の外部プレートが平行になる様に調整します これはアウター×トップでの走行は
そんな頻繁にする物では無く 普段良く使うギア比付近で一番ストレスが無い様にする為の調整です



オーバーシフトと言う変速操作

この頃の変速テクニックですが 現在の様にインデックス機能が有りません 全て任意の位置に変速機が動く
フリクションです 変速時、駆動系に力が掛かっていると変速はしません 変速時に一瞬力を抜きます
そして変速機を移動させるのですが その際、目的のギアを過ぎた所までガイドプーリーを移動させ 変速後、
ギアの真下までプーリーを戻してやります フロントもチェーンにプレートが当らない様にこの操作は必要です
これが オーバーシフトと言う変速テクニック STI やエルゴを使っている人達にすれば面倒な操作ですね

コメント (16)
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