Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

スポークの結線 タコ糸で味付け

2010-04-09 20:22:02 | ホイール
自転車のホイールの味付け その一つにスポークの交差部を結線する
方法が有ります その主流は針金で結び 半田付けするソルダリングが
一般的ですが 方法はそれだけでは有りません今回は タコ糸を使う
方法をご紹介しましょ








スポークの交差部を針金で結びハンダで処理をする ソルダリング
この方法は私のブログで何度も記事にしています

今回はたこ糸を使う方法 これは私の思い付きではなく
競技シーンのメカニックも用いる方法です では紹介しましょう






今回の為に用意したホイール MAVIC HELIUM マビックのへリュウム
ギアサイドはタンジェント ノンギアサイドがラジアル組
最近の完組みホイールにすれば 軽量でスポークテンションが低いホイールです






用意する糸は 水糸 これは建築関係では水平の基準になる物を水(ミズ)と
言います そのミズを表す時に使うので 水糸と呼びます 一般的には たこ糸で
通じます




今回は 5号 0.9mm を用意しました 1mm 前後の物で良いでしょう
水糸には化繊の物も有りますが スポークの結線には純綿の糸が
スポークとの摩擦にも強く良いと思います




巻き取ったままでは使い難いので 適当な長さに切って使います






スポークの交点にタコ糸を 2回巻き結びます 巻く回数に決まりは
有りませんが 2回位が丁度良いですね 結び方はごく普通のダンゴ結び




ここで糸の遊びが無い様にしっかりと結びます 作業はホイールの
内側から 外側に結び目を作ると見た目が悪いのと 空気抵抗の事を
考慮すれば内側に結び目を作るのが基本です これはソルダリングも
同じです








しっかりと結び終われば 次に進む為に糸を切ります
この段階では糸をツンツンに切らず こんな感じでオーケーです




前記の作業を繰り返し スポークの交差部、全てを結線します 結び目はホイールの内側です
これで完了では有りません 次の作業をします






次の作業に使うのは 瞬間接着剤 これを結線した結び目に
一滴塗布 これで結び目がほどける事が有りません






今回使ったのは LOCTITE ロックタイトの瞬間接着剤ですが
これに拘る必要は有りません どんな瞬間接着剤でも結構です

塗布直後のタコ糸 瞬間接着剤は低粘度で直ぐ 糸に浸透します




全ての結び目に接着剤を塗布し 接着剤が固まれば ハサミで
糸の不必要な部分を切り落とします






結束部の内側と外側 糸を切った時、先がほつれる様でしたら
接着剤を切り口に少量塗布してやれば良いでしょう 
又、ホイールの外側に接着剤を塗布してやるのも良いでしょう

これで完成です




これはソルダリングをした ピスト用のホイール






半田付けで処理をしたソルダリングと見比べてみましょう 私は半田付けにも気を使い
なるべく結線部が大きくならない様に 又、その中でやや半田を丸く盛る様にしていますが
この様に見た目を気にしないなら タコ糸の結線でも充分です 効果に遜色は有りません




タコ糸でスポークの結線をした MAVIC HELIUM マビックのへリュウム この様にややスポークの
テンションが低いホイールに この結線は効果が有ります 結線の目的はスポークの交点のヤング率を低くし
ホイールのしっかり感を出すのですが このタコ糸は、きしめんタイプの扁平なエアロ・スポークや 
最近の金属で無い 加熱する事が出来ないスポーク等では大変有効な方法ですね

スポークの結線はかなり昔から海外でも用いられていた方法で 結線をする事を前提にした
スポーキングの方法も有ります でもこのスポーキングの方法に優位性を感じないから私は
オーソドックスなホイール組後 ソルダリングをする様にしています

さて手軽で軽量、道具要らずのスポークの結線 いかがでしょう・・・

過去日記 ソルダリングの方法はこちら 【 ソルダリング 】  【 ホイールの結線 】

コメント (10)
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