Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

マビック フリーの整備 グリスアップ

2015-11-03 20:37:55 | 自転車整備 フリーホイール
MAVIC マビックのフリーの整備を依頼され前回は分解しました 今回は
各パーツを洗浄し新しい油脂を使い組立を行いましょう





私の後輩がフリーホイールの整備の為にホイールを持って来ました
前回分解を済ませたフリーホイールを洗浄し組立てます






マビックのフリーの使用部品ですシンプルな構造です
これらに使われている古い油脂を洗い流します 使って
いるのは KURE のパーツクリーナー






フリー内部と奥に使われている防水シールも
綿棒を使い掃除します ここにはベアリングが
使われているのでクリーナーをスプレーするのは
控えています




古い油脂で汚れた部品の清掃が完了しました





フリーホイールの構成部品です 誰にでも整備が出来そうな部品数ですね






このハブ本体のフリー部分にこのフリーケースが
被さります 一番奥に有る黒いシールとケースの
白い部分が常に接触します ここの抵抗が大きい
ですね




マビックのフリーには専用のフリーホイールオイルが
用意されておりそれを使う事が推奨されています
私はそのオイルを用意していないので 手持ちの中で
適した物を探してみます






現在手元に有るオイルは自転車専用の物で 10種類以上有り
その中でチェーンに使うならこれが一番だと言う SPIN の
オイルを試してみます






シールとフリーケース双方にオイルを塗り 
ラチェットは組まずにケースを被せました






実際に使う状態にする為にシャフトも装着します




シールとケースだけが接触した状態の 回転具合を
手で感じています SPIN オイルはサラサラし少し
ザラツキを感じる抵抗感です これはこのオイル
を今迄使っていると有る程度想像した通りでした






一旦試したオイルを綺麗に拭き取ります






次はこれを試します Super Lube HEAVY-DUTY 超耐久
チェーン用潤滑剤 かなり粘度の高いオイル状の物です






先程と同様に試してみました こちらの方がシールと
ケースの間に皮膜が有るのと滑り(ヌメリ)感を感じる
手応えです この様な条件で使うにはこちらの方が
良さそうです





フリーホイールのハブ側の本体部分です とても綺麗な造作ですね
ここにラチェットの爪とスプリングが収まり潤滑剤も必要な部分です これが 2ヶ所有ります






フリーのラチェット部分の潤滑剤は爪の動きに関係し 
ぼやけた感じのフリーになるか弾きの良いフリーになるか
その辺りに影響します 私は弾きの良い方を好むので 
なるべく粘度の低いグリスを少量使う事にします 
Micloron マイクロロンは水に不安が有るので
Spin スピンを選びました






ラチェットの爪とスプリングが収まる狭い部分に
今回は爪楊枝を使い Spin スピンのグリスを少量
塗布し 本体には指で薄く塗っておきます、これは
もし水が回った時の錆予防です




爪にも薄くグリスを塗ってから本体に取り付けます
この突起部分にスプリングが取り付きます






要所に Spin スピンのグリスを使い ラチェットの
爪とスプリングを取り付けました スプリングは
本体の小さな穴に入れるのを忘れてはいけません






次はフリーケースに掛ります 内部のラチェット部
その他の部分にも薄くグリスを塗っておきます






ケースの外側にこのカバーが付きます これは
フリーの性能に関係の無い物でおそらくシールド
ベアリングの保護かと思います






双方のネジにグリスを塗ってから締め込みます
グリスは腐食、固着防止が目的です






締め付けには 17mm のボックスレンチを使います






締め付けは緩まない程度としか言えませんが
自分でそれを感じて判断します このカバーは
力一杯締めると割れますよ(経験しています)






フリーの押えボルトにもグリスを塗っておきます
錆びとネジの固着防止です








フリーケースの外側から差し込みます








ハブ本体のベアリングとフリー側のベアリングの
間に入るスペーサーです フリーの押えボルトに
入れケースの奥まで送っておきます これは絶対に
忘れてはいけません






フリーケースの白い樹脂部分と ハブ側のシールに
Super Lube の潤滑剤を塗ります 全体が濡れる程度
やや多目に使いました






今回は競った場所で 2種類の潤滑剤を使うので
それぞれが混ざっても大丈夫かパレットの上で
確かめてみています 二晩置きましたが変質は
起こっていません



組付け



ホイール本体にフリーケースを被せます




この時ラチェットの爪はスプリングの力で開いています
これを閉じながらでないとケースは入りません 少し
工夫をすれば大丈夫です 






ケースを左に回しながら作業を進め 爪の当らない
所に来たら上手くケースが入ります






フリーの押えボルトを 5mm のアーレンキーで
締め付けます




フリーケースを廻し回転に違和感が無いか確認します






フリーの爪も上手く噛んでいる様でしたら 反フリー側に
10mm のアーレンキーを使います






10mm と 5mm のアーレンキーでシャフトを
締め込めばフリーケースの取付けは完了です






反フリー側にエンドサポートを取り付けます
ここは Oリングが使われています グリスを
塗っておきましょう






エンドサポーターをシャフトの奥まで差し込めば
O.K です







これでフリーホイールの分解、グリスアップが
完了しました




整備依頼を引き受けたホイール 引き渡す時は
綺麗にしておきたいですね 少し磨いてやりましょう




今回の MAVIC KSYRIUM マビックキシリウムのフリーホイールは、今迄に何回か
オーバーホールをしています その度に幾種類かの潤滑剤を試しています 
そのどれもが満足出来る物では無くややストレスを感じます 今回の物は
今迄の経験から随分良くなりました 決して悪いと言う訳では有りませんが 
まだ気持ちに引っ掛かる物が有ります このフリーは簡単な様で良い状態に
するのは結構難しいです






シクロクロス用のタイヤが入っています 本人の
感覚ではこのタイヤと 1.5キロ位の低圧だから
使えるが このアルミスポークの硬さから
ロードでは使うと苦痛を感じると言っています
選手の感じ方は色々でとても面白く、勉強に
なります





少し磨くと予想外の深い艶を出してくれました アルマイト加工がしてあるのに意外です
でもこれは気持ちが良いです
自分の自転車だけでは無く人の物を預るとその使われ方や用途も違い 色々な事を
考えながらする整備は とても楽しい時間で直ぐに時間が過ぎて行きました

フリーの分解の様子です 【 マビック フリーの整備依頼 分解 】

コメント
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