「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

たとえ「本を読むな」と上から強制されるようなことがあっても、なんらかのかたちで本を読み続けるひと

2015-12-28 23:27:07 | 小児医療
 小児科医が提唱していることのひとつに、「メディア中毒から子どもを守る」ということがある。

 今の子ども達は、テレビ、ゲーム、携帯電話というメディアへの中毒状態にあり、その悪影響が子どもを蝕んでいると考えている。

 では、どうするか。

 普通、メディアとの接触の時間を制限するという手法をとっている。

 でも、もっと根本的なやり方はないものだろうか。
 子ども達は、より面白いものということで選択をしているに過ぎないのだから。

 根本的なところからのアプローチとして、自分が行っているのが、「ブックスタート事業」である。
 赤ちゃんになるたけ、絵本に接する機会を作ってもらおうと当院も努力しているところである。

 今の子ども達に、テレビ、ゲームなど以上に、関心を引く身近な自然や広場がなさ過ぎることが、メデイア中毒の原因の一端なのであろう。
 小さい頃から、絵本、本の楽しみが分かっているなら、テレビ、ゲームに暴露される前に感じるなら、絵本を選択して、メディア中毒に行かずに済むはず…

 村上春樹氏は、習慣的に積極的に文芸書を手に取る層、たとえ「本を読むな」と上から強制されるようなことがあっても、おそらくなんらかのかたちで本を読み続けるのではないかと想像するひと(この表現からは、私は、ゆず『かける』の映像シーンを思い出すのだけど)は、総人口のおおよそ5%くらい(約600万人)と推測する。(『職業としての小説家』村上春樹著 70頁)
 「ブックスタート事業」により、その5%に、子ども達が、ぜひ、入ってほしいな(あるいは、活字離れが言われる中5%が10%に増える要因になってほしいな)とも思いながら自分は事業を行っている。

 
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