裁判員裁判の判例
********************************
事件番号
平成22(あ)1299
事件名
覚せい剤取締法違反,関税法違反被告事件
裁判年月日
平成24年1月13日
法廷名
最高裁判所第二小法廷
裁判種別
判決
結果
棄却
判例集等巻・号・頁
刑集 第66巻1号1頁
原審裁判所名
東京高等裁判所
原審事件番号
平成22(う)693
原審裁判年月日
平成22年6月29日
判示事項
裁判員制度による審理裁判を受けるか否かについての選択権と憲法32条,37条
裁判要旨
裁判員制度による審理裁判を受けるか否かについて被告人に選択権が認められていないからといって,同制度は憲法32条,37条に違反しない。
参照法条
憲法32条,憲法37条,裁判員の参加する刑事裁判に関する法律2条
*************************
判決文全文
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/879/081879_hanrei.pdf
- 1 -
主 文
本件上告を棄却する。
当審における未決勾留日数中450日を第1審判決の懲
役刑に算入する。
理 由
1 弁護人大内義三の上告趣意のうち,裁判員の参加する刑事裁判に関する法律
(以下「裁判員法」という。)の憲法違反をいう点について
所論は,裁判員法による裁判員制度には,被告人の権利が十分保障されないなど
多くの問題点があり,裁判員制度は,同制度による審理裁判を受けるか否かについ
て被告人に選択権を認めていない点において,憲法32条,37条に違反する旨主
張する。
しかし,憲法は,刑事裁判における国民の司法参加を許容しており,憲法の定め
る適正な刑事裁判を実現するための諸原則が確保されている限り,その内容を立法
政策に委ねていると解されるところ,裁判員制度においては,公平な裁判所におけ
る法と証拠に基づく適正な裁判が制度的に保障されているなど,上記の諸原則が確
保されている。したがって,裁判員制度による審理裁判を受けるか否かについて被
告人に選択権が認められていないからといって,同制度が憲法32条,37条に違
反するものではない。このように解すべきことは,当裁判所の判例(最高裁平成2
2年(あ)第1196号同23年11月16日大法廷判決・裁判所時報1544号
1頁)の趣旨に徴して明らかである。所論は理由がない。
2 弁護人のその余の上告趣意及び被告人本人の上告趣意は,いずれも事実誤認
の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。
- 2 -
3 よって,刑訴法408条,181条1項ただし書,刑法21条により,裁判
官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 須藤正彦 裁判官 古田佑紀 裁判官 竹内行夫 裁判官
千葉勝美)
********************************
事件番号
平成22(あ)1299
事件名
覚せい剤取締法違反,関税法違反被告事件
裁判年月日
平成24年1月13日
法廷名
最高裁判所第二小法廷
裁判種別
判決
結果
棄却
判例集等巻・号・頁
刑集 第66巻1号1頁
原審裁判所名
東京高等裁判所
原審事件番号
平成22(う)693
原審裁判年月日
平成22年6月29日
判示事項
裁判員制度による審理裁判を受けるか否かについての選択権と憲法32条,37条
裁判要旨
裁判員制度による審理裁判を受けるか否かについて被告人に選択権が認められていないからといって,同制度は憲法32条,37条に違反しない。
参照法条
憲法32条,憲法37条,裁判員の参加する刑事裁判に関する法律2条
*************************
判決文全文
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/879/081879_hanrei.pdf
- 1 -
主 文
本件上告を棄却する。
当審における未決勾留日数中450日を第1審判決の懲
役刑に算入する。
理 由
1 弁護人大内義三の上告趣意のうち,裁判員の参加する刑事裁判に関する法律
(以下「裁判員法」という。)の憲法違反をいう点について
所論は,裁判員法による裁判員制度には,被告人の権利が十分保障されないなど
多くの問題点があり,裁判員制度は,同制度による審理裁判を受けるか否かについ
て被告人に選択権を認めていない点において,憲法32条,37条に違反する旨主
張する。
しかし,憲法は,刑事裁判における国民の司法参加を許容しており,憲法の定め
る適正な刑事裁判を実現するための諸原則が確保されている限り,その内容を立法
政策に委ねていると解されるところ,裁判員制度においては,公平な裁判所におけ
る法と証拠に基づく適正な裁判が制度的に保障されているなど,上記の諸原則が確
保されている。したがって,裁判員制度による審理裁判を受けるか否かについて被
告人に選択権が認められていないからといって,同制度が憲法32条,37条に違
反するものではない。このように解すべきことは,当裁判所の判例(最高裁平成2
2年(あ)第1196号同23年11月16日大法廷判決・裁判所時報1544号
1頁)の趣旨に徴して明らかである。所論は理由がない。
2 弁護人のその余の上告趣意及び被告人本人の上告趣意は,いずれも事実誤認
の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。
- 2 -
3 よって,刑訴法408条,181条1項ただし書,刑法21条により,裁判
官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 須藤正彦 裁判官 古田佑紀 裁判官 竹内行夫 裁判官
千葉勝美)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます