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証拠間の矛盾をつく、検察に証拠不開示と言われても裁判所に開示命令を求める:冤罪を絶対に生まないために

2013-05-16 23:00:00 | シチズンシップ教育

 弁護人/被告人側から、検察官に求める証拠。

 類型証拠:特定の検察官の証拠の証明力を判断するために重要であると認められる証拠。

 検察官側が、集めた証拠を“切り貼りして”あるストーリーを作り、それが真実に起こったものではない場合、証拠間に矛盾衝突が生じるはずです。
 かといって、検察官側は、つくりたいストーリーに都合が悪い証拠を裁判で提出するとは限りません。というか、提出することは避けるでしょう。

 弁護人/被告人側は、提出されていないそれら証拠を入手し、真実の発見に努める必要があります。

 そして、そのことを可能にするために、「類型証拠開示請求」として法整備がなれています。

 「類型証拠開示請求」を有効に使う必要があると考えます。

 以下、その手順。

 
 ここでのポイントは、検察官側が、検察官側の論理で、証拠の出す出さないを決することはできず、検察官側も「被告人の防御の準備のために開示することの必要性」で判断することが法律で規定されており、その点からは、たいていの証拠が、出すことによるその他弊害(証拠がもとで他のひとに危害が生じる可能性がある場合など)がない限り、検察官側は出すことになると思われます。



******手順*************

1、類型証拠開示請求(刑事訴訟法316条の15)

弁護人/被告人側が、

 1)どの内容に関する証拠かを明らかにする(類型の明示)

 2)どの証拠かわかるようにする(証拠を識別できる程度の特定)

 3)なぜ、その証拠が必要かを明らかにする(被告人の防御の準備のために当該開示が必要であることの理由の明示)

 をして検察官に証拠開示を請求


2、開示不相当の回答

検察官側が、

 開示不相当と判断すると、その理由を付して回答


⇒弁護人/被告人側は、ここで、ひきさがってはなりません!!!


3、裁判所に開示命令の裁定を求める(刑事訴訟法316条の26 1項)

弁護人/被告人側が、

 開示不相当とすることは、おかしいと考えるなら、裁判所に開示命令の裁定を求める


4、裁判所による類型証拠開示命令の裁定

裁判所が、

 検察官から当該証拠の提示を受けて、開示命令を判断。(刑事訴訟法316条の27 1項)
 その際、裁判官は、検察の意見を聴く。(刑事訴訟法316条の26 2項)

 裁判所もどのような証拠があるかわからないので、提示の求めをしようがその特定のしようがないのですが、裁判所は、証拠の一覧表を検察官側に提示を求めることができ(刑事訴訟法316条の26 2項)、それによって、弁護人側が求めているであろう証拠を特定して、検察官に当該証拠の提示を求めます。

*裁判前に、裁判官が証拠に触れて、「予断排除の原則」に反するのではないかと疑問をいだかれれるかもしれませんが、裁判所は、証拠の“提出”ではなく、“提示”を受けるだけであり、それを見て被告人側に開示の有無を判断し、すぐに検察官に返すので、裁判官の心証が裁判前に形成される等の問題とはなりません。

****該当 条文 刑事訴訟法*****

第三百十六条の十五  検察官は、前条の規定による開示をした証拠以外の証拠であつて、次の各号に掲げる証拠の類型のいずれかに該当し、かつ、特定の検察官請求証拠の証明力を判断するために重要であると認められるものについて、被告人又は弁護人から開示の請求があつた場合において、その重要性の程度その他の被告人の防御の準備のために当該開示をすることの必要性の程度並びに当該開示によつて生じるおそれのある弊害の内容及び程度を考慮し、相当と認めるときは、速やかに、同条第一号に定める方法による開示をしなければならない。この場合において、検察官は、必要と認めるときは、開示の時期若しくは方法を指定し、又は条件を付することができる。
一  証拠物
二  第三百二十一条第二項に規定する裁判所又は裁判官の検証の結果を記載した書面
三  第三百二十一条第三項に規定する書面又はこれに準ずる書面
四  第三百二十一条第四項に規定する書面又はこれに準ずる書面
五  次に掲げる者の供述録取書等
イ 検察官が証人として尋問を請求した者
ロ 検察官が取調べを請求した供述録取書等の供述者であつて、当該供述録取書等が第三百二十六条の同意がされない場合には、検察官が証人として尋問を請求することを予定しているもの
六  前号に掲げるもののほか、被告人以外の者の供述録取書等であつて、検察官が特定の検察官請求証拠により直接証明しようとする事実の有無に関する供述を内容とするもの
七  被告人の供述録取書等
八  取調べ状況の記録に関する準則に基づき、検察官、検察事務官又は司法警察職員が職務上作成することを義務付けられている書面であつて、身体の拘束を受けている者の取調べに関し、その年月日、時間、場所その他の取調べの状況を記録したもの(被告人に係るものに限る。)
○2  被告人又は弁護人は、前項の開示の請求をするときは、次に掲げる事項を明らかにしなければならない。
一  前項各号に掲げる証拠の類型及び開示の請求に係る証拠を識別するに足りる事項
二  事案の内容、特定の検察官請求証拠に対応する証明予定事実、開示の請求に係る証拠と当該検察官請求証拠との関係その他の事情に照らし、当該開示の請求に係る証拠が当該検察官請求証拠の証明力を判断するために重要であることその他の被告人の防御の準備のために当該開示が必要である理由


第三百十六条の二十六  裁判所は、検察官が第三百十六条の十四若しくは第三百十六条の十五第一項(第三百十六条の二十一第四項においてこれらの規定を準用する場合を含む。)若しくは第三百十六条の二十第一項(第三百十六条の二十二第五項において準用する場合を含む。)の規定による開示をすべき証拠を開示していないと認めるとき、又は被告人若しくは弁護人が第三百十六条の十八(第三百十六条の二十二第四項において準用する場合を含む。)の規定による開示をすべき証拠を開示していないと認めるときは、相手方の請求により、決定で、当該証拠の開示を命じなければならない。この場合において、裁判所は、開示の時期若しくは方法を指定し、又は条件を付することができる。
○2  裁判所は、前項の請求について決定をするときは、相手方の意見を聴かなければならない
○3  第一項の請求についてした決定に対しては、即時抗告をすることができる。

第三百十六条の二十七  裁判所は、第三百十六条の二十五第一項又は前条第一項の請求について決定をするに当たり、必要があると認めるときは、検察官、被告人又は弁護人に対し、当該請求に係る証拠の提示を命ずることができる。この場合においては、裁判所は、何人にも、当該証拠の閲覧又は謄写をさせることができない。
○2  裁判所は、被告人又は弁護人がする前条第一項の請求について決定をするに当たり、必要があると認めるときは、検察官に対し、その保管する証拠であつて、裁判所の指定する範囲に属するものの標目を記載した一覧表の提示を命ずることができる。この場合においては、裁判所は、何人にも、当該一覧表の閲覧又は謄写をさせることができない。
○3  第一項の規定は第三百十六条の二十五第三項又は前条第三項の即時抗告が係属する抗告裁判所について、前項の規定は同条第三項の即時抗告が係属する抗告裁判所について、それぞれ準用する。

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