おしゃぶりをよく見かけます。
私は、「しないでよい。しない方がいい。」と日常診療外来で指導させていただいております。
おしゃぶりについての分かりやすい解説がありましたので、著者の許可を得て、掲載いたします。
****以下、転載*****
●おしゃぶりについて
国立成育医療センター 第二専門診療部 歯科 金田一 純子 先生
最近、街中では、バギーに乗りホルダー付きのおしゃぶりをしている赤ちゃんを目にすることが多くなりました。ベビー用品を売るお店には、おしゃれなデザインのおしゃぶりが沢山色とりどりに店頭に並んでおります。そして、日常の外来ではおしゃぶりの是非をお母さんから問われることも多くなりました。その質問も「舌や顎の成長、鼻呼吸を促すと言うので使った方が良いのか?」というようなものです。
“舌や顎の発育をたすけて鼻呼吸を促す”などのちまたの情報に流されてはいませんか?決して学術的根拠のある事ではありません。
おしゃぶりを使用する本来の目的は、おっぱいの吸いつきの弱い乳児の吸綴機能を上げるための訓練に使われるものと思います。
“泣いてぐずる赤ちゃんに、おしゃぶりを口に放り込むとすぐ泣きやみおとなしくなる”など子育ての便利さから安易に使用していないでしょうか。
結論から言うと日本小児科学会、日本小児歯科学会は「できるだけおしゃぶりは使用しない方が良い」との見解です。
健康な乳幼児にとっては、おしゃぶりの効用よりも弊害のほうが大きいと考えられるからです。おしゃぶりは習慣性となりやすく、あやしたり、声がけなどが少なくなり、母親との触れあいが減り、ミルクの飲む量、時間が減少するなどの報告があります。また、中耳炎の発症頻度が高くなるという報告も数多くあります。発語が遅くなる等あげられます。長期間使用すると歯並びへの影響も深刻になってきます。
乳児の発達への影響も気になるところで、5・6ヵ月過ぎると、何でも口へ持って行ってしゃぶる。これは目と口の協調運動の学習とともに、いろいろなものをしゃぶってかたちや味・性状を学習するのですが、おしゃぶりが口の中に入っていると、このような学習の機会が失われる心配があり、親の声がけに対する、声だしや、自分からの声だしもできないので発達への影響も心配されます。
おしゃぶりは2才までにはずせれば、かみ合わせへの影響も改善されると言いますが、一度ついた習慣を止めさせるのは、またかなりの努力が必要となります。
おっぱいの吸いつきの弱い赤ちゃん以外は、やはりはじめからおしゃぶりは使用しない方が賢明です。
私は、「しないでよい。しない方がいい。」と日常診療外来で指導させていただいております。
おしゃぶりについての分かりやすい解説がありましたので、著者の許可を得て、掲載いたします。
****以下、転載*****
●おしゃぶりについて
国立成育医療センター 第二専門診療部 歯科 金田一 純子 先生
最近、街中では、バギーに乗りホルダー付きのおしゃぶりをしている赤ちゃんを目にすることが多くなりました。ベビー用品を売るお店には、おしゃれなデザインのおしゃぶりが沢山色とりどりに店頭に並んでおります。そして、日常の外来ではおしゃぶりの是非をお母さんから問われることも多くなりました。その質問も「舌や顎の成長、鼻呼吸を促すと言うので使った方が良いのか?」というようなものです。
“舌や顎の発育をたすけて鼻呼吸を促す”などのちまたの情報に流されてはいませんか?決して学術的根拠のある事ではありません。
おしゃぶりを使用する本来の目的は、おっぱいの吸いつきの弱い乳児の吸綴機能を上げるための訓練に使われるものと思います。
“泣いてぐずる赤ちゃんに、おしゃぶりを口に放り込むとすぐ泣きやみおとなしくなる”など子育ての便利さから安易に使用していないでしょうか。
結論から言うと日本小児科学会、日本小児歯科学会は「できるだけおしゃぶりは使用しない方が良い」との見解です。
健康な乳幼児にとっては、おしゃぶりの効用よりも弊害のほうが大きいと考えられるからです。おしゃぶりは習慣性となりやすく、あやしたり、声がけなどが少なくなり、母親との触れあいが減り、ミルクの飲む量、時間が減少するなどの報告があります。また、中耳炎の発症頻度が高くなるという報告も数多くあります。発語が遅くなる等あげられます。長期間使用すると歯並びへの影響も深刻になってきます。
乳児の発達への影響も気になるところで、5・6ヵ月過ぎると、何でも口へ持って行ってしゃぶる。これは目と口の協調運動の学習とともに、いろいろなものをしゃぶってかたちや味・性状を学習するのですが、おしゃぶりが口の中に入っていると、このような学習の機会が失われる心配があり、親の声がけに対する、声だしや、自分からの声だしもできないので発達への影響も心配されます。
おしゃぶりは2才までにはずせれば、かみ合わせへの影響も改善されると言いますが、一度ついた習慣を止めさせるのは、またかなりの努力が必要となります。
おっぱいの吸いつきの弱い赤ちゃん以外は、やはりはじめからおしゃぶりは使用しない方が賢明です。
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