「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

3回目のコロナワクチンの副反応

2022-01-06 12:47:01 | 【各論】新型コロナ 治療薬とワクチン

 3回目の副反応は、2回目とほぼ同程度とのこと。

*****東京新聞2022.1.6*****



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コロナ禍の子どもの健康調査(港区教育委員会実施)

2022-01-06 09:44:23 | 小児医療

 港区教育委員会が行ったメール(対象13200人、回答率39%、10/15-10/25)による幼稚園~中学生のアンケート調査が報道されています。

 コロナは、子ども達の心と体へ、影響を与えていることが分かります。

 現状把握と、対応を中央区のほうでも、引き続き、フォローしていきます。


*******東京新聞2022.1.6*******

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オミクロン株、自宅療養可能に!

2022-01-06 09:29:23 | 【各論】新型コロナ 治療薬とワクチン

 新型コロナウイルス対策。

 最も重要なことは、病院医療機関を破綻させないこと。

 軽症者を、自宅療養へと移し、極力病院の負担を減らせれば、病院医療機関の余力ができ、破綻を防ぐことが可能です。

 そのながれができつつあります。
 厚労省令和4年1月5日通知:https://www.mhlw.go.jp/content/000876462.pdf

 開業医の役割も、重要になります。

 すなわち、
 自宅療養をする場合の3条件が必須。
1,経口薬が投与できること
2,オンライン診療・訪問診療ができること
3,パルスオキシメーターを配布できること

上記を、各診療所もできる体制を整え、保健所と協力して自宅療養体制を構築する必要があると考えます。


 安全・安心な自宅療養を、保健所と連携し、見守って参りましょう!
 開業医にも、内服薬投与、カクテル療法治療ができる仕組みに変わってきています。

*****厚労省 事務連絡 2022.1.6*******







*****毎日新聞2022.1.6******




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ポスト・コロナのまちづくり、中央区、湾岸部の交通をどうしますか?

2022-01-06 08:39:42 | 街づくり

 ポスト・コロナのまちづくりを描いて参らねばなりません。

 すなわち、働き方改革、リモートの進展、防災面・感染面を考慮した超過密からの脱却、危機的な温暖化対策、人口減少などに対応できるかどうかが鍵。

 そのような状況下、交通を果たしてどうするか。

 本日1/6の日経新聞も地域欄で、中央区を含めた臨海部の交通問題を取り上げています。

 臨海地下鉄新線についても、記載があります。
 まだ、確たるものはできていませんが、今、描かれている駅を見ると
 中央区関連では、東京駅、銀座駅、築地駅、晴海駅
 晴海駅の位置は、トリトン近く。
 晴海五丁目地区の交通不便地域の解消への貢献は、現状の駅の位置的には、やや難あり。

 ちょうど、10年に一回の『中央区総合交通計画2022』の策定準備中で、パブリックコメントが募集されています。

 中央区へ、声をお届けください。


 パブリックコメント:https://www.city.chuo.lg.jp/kusei/paburikku/R3Pub.html
 

参考:2022年の12の課題の一つにあげました。

新春のご挨拶 ~教育・保育/経済活動と感染対策の両立は可能です。ポスト・コロナの時代へ~


2022年、ポスト・コロナに向け中央区政の最重要な12課題(順不同)

●11、まちづくり:『総合交通計画2022』3月に策定。パブリックコメントを1/11までに。

 重要な計画である『総合交通計画2022』の策定作業中です。区内のありとあらゆる交通に関する計画で、地下鉄新線構想、BRT、自転車、コミュニティバス、舟運、歩行空間など記載されています。ご意見を。

 



*****日経新聞2022.1.6*******



 

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「子どもの権利条約」全文(政府訳)

2022-01-03 09:41:18 | シチズンシップ教育

 最重要な法律・条約のひとつ、「子どもの権利条約」を見ます。

 条文の( )は、その条文の要約です。本来書かれていないものですが、わかりやすくするために解説書などから引用しました。


**************************

https://www.unicef.or.jp/about_unicef/about_rig_all.html

「子どもの権利条約」全文(政府訳)

前文

この条約の締約国は、

 国際連合憲章において宣明された原則によれば、人類社会のすべての構成員の固有の尊厳及び平等のかつ奪い得ない権利を認めることが世界における自由、正義及び平和の基礎を成すものであることを考慮し、

 国際連合加盟国の国民が、国際連合憲章において、基本的人権並びに人間の尊厳及び価値に関する信念を改めて確認し、かつ、一層大きな自由の中で社会的進歩及び生活水準の向上を促進することを決意したことに留意し、

 国際連合が、世界人権宣言及び人権に関する国際規約において、すべての人は人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、出生又は他の地位等によるいかなる差別もなしに同宣言及び同規約に掲げるすべての権利及び自由を享有することができることを宣明し及び合意したことを認め、

 国際連合が、世界人権宣言において、児童は特別な保護及び援助についての権利を享有することができることを宣明したことを想起し、

 家族が、社会の基礎的な集団として、並びに家族のすべての構成員特に児童の成長及び福祉のための自然な環境として、社会においてその責任を十分に引き受けることができるよう必要な保護及び援助を与えられるべきであることを確信し、

 児童が、その人格の完全なかつ調和のとれた発達のため、家庭環境の下で幸福、愛情及び理解のある雰囲気の中で成長すべきであることを認め、

 児童が、社会において個人として生活するため十分な準備が整えられるべきであり、かつ、国際連合憲章において宣明された理想の精神並びに特に平和、尊厳、寛容、自由、平等及び連帯の精神に従って育てられるべきであることを考慮し、

 児童に対して特別な保護を与えることの必要性が、1924年の児童の権利に関するジュネーヴ宣言及び1959年11月20日に国際連合総会で採択された児童の権利に関する宣言において述べられており、また、世界人権宣言、市民的及び政治的権利に関する国際規約(特に第23条及び第24条)、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(特に第10条)並びに児童の福祉に関係する専門機関及び国際機関の規程及び関係文書において認められていることに留意し、

 児童の権利に関する宣言において示されているとおり「児童は、身体的及び精神的に未熟であるため、その出生の前後において、適当な法的保護を含む特別な保護及び世話を必要とする。」ことに留意し、

 国内の又は国際的な里親委託及び養子縁組を特に考慮した児童の保護及び福祉についての社会的及び法的な原則に関する宣言、少年司法の運用のための国際連合最低基準規則(北京規則)及び緊急事態及び武力紛争における女子及び児童の保護に関する宣言の規定を想起し、

 極めて困難な条件の下で生活している児童が世界のすべての国に存在すること、また、このような児童が特別の配慮を必要としていることを認め、

 児童の保護及び調和のとれた発達のために各人民の伝統及び文化的価値が有する重要性を十分に考慮し、

 あらゆる国特に開発途上国における児童の生活条件を改善するために国際協力が重要であることを認めて、

 次のとおり協定した。

第1条

 この条約の適用上、児童とは、18歳未満のすべての者をいう。ただし、当該児童で、その者に適用される法律によりより早く成年に達したものを除く。

第2条 (差別の禁止)
  1. 締約国は、その管轄の下にある児童に対し、児童又はその父母若しくは法定保護者の人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的、種族的若しくは社会的出身、財産、心身障害、出生又は他の地位にかかわらず、いかなる差別もなしにこの条約に定める権利を尊重し、及び確保する。
  2. 締約国は、児童がその父母、法定保護者又は家族の構成員の地位、活動、表明した意見又は信念によるあらゆる形態の差別又は処罰から保護されることを確保するためのすべての適当な措置をとる。
第3条 (一般原則 子どもの最善の利益)
  1. 児童に関するすべての措置をとるに当たっては、公的若しくは私的な社会福祉施設、裁判所、行政当局又は立法機関のいずれによって行われるものであっても、児童の最善の利益が主として考慮されるものとする。
  2. 締約国は、児童の父母、法定保護者又は児童について法的に責任を有する他の者の権利及び義務を考慮に入れて、児童の福祉に必要な保護及び養護を確保することを約束し、このため、すべての適当な立法上及び行政上の措置をとる。
  3. 締約国は、児童の養護又は保護のための施設、役務の提供及び設備が、特に安全及び健康の分野に関し並びにこれらの職員の数及び適格性並びに適正な監督に関し権限のある当局の設定した基準に適合することを確保する。
第4条

 締約国は、この条約において認められる権利の実現のため、すべての適当な立法措置、行政措置その他の措置を講ずる。締約国は、経済的、社会的及び文化的権利に関しては、自国における利用可能な手段の最大限の範囲内で、また、必要な場合には国際協力の枠内で、これらの措置を講ずる。

第5条 (親・家庭の重視)

 締約国は、児童がこの条約において認められる権利を行使するに当たり、父母若しくは場合により地方の慣習により定められている大家族若しくは共同体の構成員、法定保護者又は児童について法的に責任を有する他の者がその児童の発達しつつある能力に適合する方法で適当な指示及び指導を与える責任、権利及び義務を尊重する。

第6条 (一般原則 生存と成長発達の権利)
  1. 締約国は、すべての児童が生命に対する固有の権利を有することを認める。
  2. 締約国は、児童の生存及び発達を可能な最大限の範囲において確保する。
第7条 (親を知る権利・親により養育される権利)
  1. 児童は、出生の後直ちに登録される。児童は、出生の時から氏名を有する権利及び国籍を取得する権利を有するものとし、また、できる限りその父母を知りかつその父母によって養育される権利を有する。
  2. 締約国は、特に児童が無国籍となる場合を含めて、国内法及びこの分野における関連する国際文書に基づく自国の義務に従い、1の権利の実現を確保する。
第8条 (家族関係を含むアイデンティティを保全する権利)
  1. 締約国は、児童が法律によって認められた国籍、氏名及び家族関係を含むその身元関係事項について不法に干渉されることなく保持する権利を尊重することを約束する。
  2. 締約国は、児童がその身元関係事項の一部又は全部を不法に奪われた場合には、その身元関係事項を速やかに回復するため、適当な援助及び保護を与える。

 

第9条 (親の意思に反して分離されない)
  1. 締約国は、児童がその父母の意思に反してその父母から分離されないことを確保する。ただし、権限のある当局が司法の審査に従うことを条件として適用のある法律及び手続に従いその分離が児童の最善の利益のために必要であると決定する場合は、この限りでない。このような決定は、父母が児童を虐待し若しくは放置する場合又は父母が別居しており児童の居住地を決定しなければならない場合のような特定の場合において必要となることがある。
  2. すべての関係当事者は、1の規定に基づくいかなる手続においても、その手続に参加しかつ自己の意見を述べる機会を有する。
  3. 締約国は、児童の最善の利益に反する場合を除くほか、父母の一方又は双方から分離されている児童が定期的に父母のいずれとも人的な関係及び直接の接触を維持する権利を尊重する。
  4. 3の分離が、締約国がとった父母の一方若しくは双方又は児童の抑留、拘禁、追放、退去強制、死亡(その者が当該締約国により身体を拘束されている間に何らかの理由により生じた死亡を含む。)等のいずれかの措置に基づく場合には、当該締約国は、要請に応じ、父母、児童又は適当な場合には家族の他の構成員に対し、家族のうち不在となっている者の所在に関する重要な情報を提供する。ただし、その情報の提供が児童の福祉を害する場合は、この限りでない。締約国は、更に、その要請の提出自体が関係者に悪影響を及ぼさないことを確保する。
第10条 (家族再会のための出入国に関する権利)
  1. 前条1の規定に基づく締約国の義務に従い、家族の再統合を目的とする児童又はその父母による締約国への入国又は締約国からの出国の申請については、締約国が積極的、人道的かつ迅速な方法で取り扱う。締約国は、更に、その申請の提出が申請者及びその家族の構成員に悪影響を及ぼさないことを確保する。
  2. 父母と異なる国に居住する児童は、例外的な事情がある場合を除くほか定期的に父母との人的な関係及び直接の接触を維持する権利を有する。このため、前条1の規定に基づく締約国の義務に従い、締約国は、児童及びその父母がいずれの国(自国を含む。)からも出国し、かつ、自国に入国する権利を尊重する。出国する権利は、法律で定められ、国の安全、公の秩序、公衆の健康若しくは道徳又は他の者の権利及び自由を保護するために必要であり、かつ、この条約において認められる他の権利と両立する制限にのみ従う。
第11条
  1. 締約国は、児童が不法に国外へ移送されることを防止し及び国外から帰還することができない事態を除去するための措置を講ずる。
  2. このため、締約国は、二国間若しくは多数国間の協定の締結又は現行の協定への加入を促進する。
第12条 (一般原則 意見表明権)
  1. 締約国は、自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保する。この場合において、児童の意見は、その児童の年齢及び成熟度に従って相応に考慮されるものとする。
  2. このため、児童は、特に、自己に影響を及ぼすあらゆる司法上及び行政上の手続において、国内法の手続規則に合致する方法により直接に又は代理人若しくは適当な団体を通じて聴取される機会を与えられる。
第13条 (表現・情報の自由)
  1. 児童は、表現の自由についての権利を有する。この権利には、口頭、手書き若しくは印刷、芸術の形態又は自ら選択する他の方法により、国境とのかかわりなく、あらゆる種類の情報及び考えを求め、受け及び伝える自由を含む。
  2. 1の権利の行使については、一定の制限を課することができる。ただし、その制限は、法律によって定められ、かつ、次の目的のために必要とされるものに限る。
    1. 他の者の権利又は信用の尊重
    2. 国の安全、公の秩序又は公衆の健康若しくは道徳の保護
第14条 (思想・良心・宗教の自由)
  1. 締約国は、思想、良心及び宗教の自由についての児童の権利を尊重する。
  2. 締約国は、児童が1の権利を行使するに当たり、父母及び場合により法定保護者が児童に対しその発達しつつある能力に適合する方法で指示を与える権利及び義務を尊重する。
  3. 宗教又は信念を表明する自由については、法律で定める制限であって公共の安全、公の秩序、公衆の健康若しくは道徳又は他の者の基本的な権利及び自由を保護するために必要なもののみを課することができる。
第15条 (結社・集会の自由)
  1. 締約国は、結社の自由及び平和的な集会の自由についての児童の権利を認める。
  2. 1の権利の行使については、法律で定める制限であって国の安全若しくは公共の安全、公の秩序、公衆の健康若しくは道徳の保護又は他の者の権利及び自由の保護のため民主的社会において必要なもの以外のいかなる制限も課することができない。
第16条 (プライバシー・通信・名誉の保護)
  1. いかなる児童も、その私生活、家族、住居若しくは通信に対して恣意的に若しくは不法に干渉され又は名誉及び信用を不法に攻撃されない。
  2. 児童は、1の干渉又は攻撃に対する法律の保護を受ける権利を有する。

 

第17条 

締約国は、大衆媒体(マス・メディア)の果たす重要な機能を認め、児童が国の内外の多様な情報源からの情報及び資料、特に児童の社会面、精神面及び道徳面の福祉並びに心身の健康の促進を目的とした情報及び資料を利用することができることを確保する。このため、締約国は、

  1. 児童にとって社会面及び文化面において有益であり、かつ、第29条の精神に沿う情報及び資料を大衆媒体(マス・メディア)が普及させるよう奨励する。
  2. 国の内外の多様な情報源(文化的にも多様な情報源を含む。)からの情報及び資料の作成、交換及び普及における国際協力を奨励する。
  3. .児童用書籍の作成及び普及を奨励する。
    少数集団に属し又は原住民である児童の言語上の必要性について大衆媒体(マス・メディア)が特に考慮するよう奨励する。
  4. 第13条及び次条の規定に留意して、児童の福祉に有害な情報及び資料から児童を保護するための適当な指針を発展させることを奨励する。
第18条 (親や家族の保護・援助を通して子どもの発達や権利を保障)
  1. 締約国は、児童の養育及び発達について父母が共同の責任を有するという原則についての認識を確保するために最善の努力を払う。父母又は場合により法定保護者は、児童の養育及び発達についての第一義的な責任を有する。児童の最善の利益は、これらの者の基本的な関心事項となるものとする。
  2. 締約国は、この条約に定める権利を保障し及び促進するため、父母及び法定保護者が児童の養育についての責任を遂行するに当たりこれらの者に対して適当な援助を与えるものとし、また、児童の養護のための施設、設備及び役務の提供の発展を確保する。
  3. 締約国は、父母が働いている児童が利用する資格を有する児童の養護のための役務の提供及び設備からその児童が便益を受ける権利を有することを確保するためのすべての適当な措置をとる。
第19条
  1. 締約国は、児童が父母、法定保護者又は児童を監護する他の者による監護を受けている間において、あらゆる形態の身体的若しくは精神的な暴力、傷害若しくは虐待、放置若しくは怠慢な取扱い、不当な取扱い又は搾取(性的虐待を含む。)からその児童を保護するためすべての適当な立法上、行政上、社会上及び教育上の措置をとる。
  2. 1の保護措置には、適当な場合には、児童及び児童を監護する者のために必要な援助を与える社会的計画の作成その他の形態による防止のための効果的な手続並びに1に定める児童の不当な取扱いの事件の発見、報告、付託、調査、処置及び事後措置並びに適当な場合には司法の関与に関する効果的な手続を含むものとする。
第20条 (家庭を奪われた子どもの代替的養護)
  1. 一時的若しくは恒久的にその家庭環境を奪われた児童又は児童自身の最善の利益にかんがみその家庭環境にとどまることが認められない児童は、国が与える特別の保護及び援助を受ける権利を有する。
  2. 締約国は、自国の国内法に従い、1の児童のための代替的な監護を確保する。
  3. 2の監護には、特に、里親委託、イスラム法のカファーラ、養子縁組又は必要な場合には児童の監護のための適当な施設への収容を含むことができる。解決策の検討に当たっては、児童の養育において継続性が望ましいこと並びに児童の種族的、宗教的、文化的及び言語的な背景について、十分な考慮を払うものとする。
第21条 (養子縁組の手続き)

養子縁組の制度を認め又は許容している締約国は、児童の最善の利益について最大の考慮が払われることを確保するものとし、また、

  1. 児童の養子縁組が権限のある当局によってのみ認められることを確保する。この場合において、当該権限のある当局は、適用のある法律及び手続に従い、かつ、信頼し得るすべての関連情報に基づき、養子縁組が父母、親族及び法定保護者に関する児童の状況にかんがみ許容されること並びに必要な場合には、関係者が所要のカウンセリングに基づき養子縁組について事情を知らされた上での同意を与えていることを認定する。
  2. 児童がその出身国内において里親若しくは養家に託され又は適切な方法で監護を受けることができない場合には、これに代わる児童の監護の手段として国際的な養子縁組を考慮することができることを認める。
  3. 国際的な養子縁組が行われる児童が国内における養子縁組の場合における保護及び基準と同等のものを享受することを確保する。
  4. 国際的な養子縁組において当該養子縁組が関係者に不当な金銭上の利得をもたらすことがないことを確保するためのすべての適当な措置をとる。
  5. 適当な場合には、二国間又は多数国間の取極又は協定を締結することによりこの条の目的を促進し、及びこの枠組みの範囲内で他国における児童の養子縁組が権限のある当局又は機関によって行われることを確保するよう努める。
第22条 
  1. 締約国は、難民の地位を求めている児童又は適用のある国際法及び国際的な手続若しくは国内法及び国内的な手続に基づき難民と認められている児童が、父母又は他の者に付き添われているかいないかを問わず、この条約及び自国が締約国となっている人権又は人道に関する他の国際文書に定める権利であって適用のあるものの享受に当たり、適当な保護及び人道的援助を受けることを確保するための適当な措置をとる。
  2. このため、締約国は、適当と認める場合には、1の児童を保護し及び援助するため、並びに難民の児童の家族との再統合に必要な情報を得ることを目的としてその難民の児童の父母又は家族の他の構成員を捜すため、国際連合及びこれと協力する他の権限のある政府間機関又は関係非政府機関による努力に協力する。その難民の児童は、父母又は家族の他の構成員が発見されない場合には、何らかの理由により恒久的又は一時的にその家庭環境を奪われた他の児童と同様にこの条約に定める保護が与えられる。
第23条 
  1. 締約国は、精神的又は身体的な障害を有する児童が、その尊厳を確保し、自立を促進し及び社会への積極的な参加を容易にする条件の下で十分かつ相応な生活を享受すべきであることを認める。
  2. 締約国は、障害を有する児童が特別の養護についての権利を有することを認めるものとし、利用可能な手段の下で、申込みに応じた、かつ、当該児童の状況及び父母又は当該児童を養護している他の者の事情に適した援助を、これを受ける資格を有する児童及びこのような児童の養護について責任を有する者に与えることを奨励し、かつ、確保する。
  3. 障害を有する児童の特別な必要を認めて、2の規定に従って与えられる援助は、父母又は当該児童を養護している他の者の資力を考慮して可能な限り無償で与えられるものとし、かつ、障害を有する児童が可能な限り社会への統合及び個人の発達(文化的及び精神的な発達を含む。)を達成することに資する方法で当該児童が教育、訓練、保健サービス、リハビリテーション・サービス、雇用のための準備及びレクリエーションの機会を実質的に利用し及び享受することができるように行われるものとする。
  4. 締約国は、国際協力の精神により、予防的な保健並びに障害を有する児童の医学的、心理学的及び機能的治療の分野における適当な情報の交換(リハビリテーション、教育及び職業サービスの方法に関する情報の普及及び利用を含む。)であってこれらの分野における自国の能力及び技術を向上させ並びに自国の経験を広げることができるようにすることを目的とするものを促進する。これに関しては、特に、開発途上国の必要を考慮する。
第24条 
  1. 締約国は、到達可能な最高水準の健康を享受すること並びに病気の治療及び健康の回復のための便宜を与えられることについての児童の権利を認める。締約国は、いかなる児童もこのような保健サービスを利用する権利が奪われないことを確保するために努力する。
  2. 締約国は、1の権利の完全な実現を追求するものとし、特に、次のことのための適当な措置をとる。
    1. 幼児及び児童の死亡率を低下させること。
    2. 基礎的な保健の発展に重点を置いて必要な医療及び保健をすべての児童に提供することを確保すること。
    3. 環境汚染の危険を考慮に入れて、基礎的な保健の枠組みの範囲内で行われることを含めて、特に容易に利用可能な技術の適用により並びに十分に栄養のある食物及び清潔な飲料水の供給を通じて、疾病及び栄養不良と戦うこと。
    4. 母親のための産前産後の適当な保健を確保すること。
    5. 社会のすべての構成員特に父母及び児童が、児童の健康及び栄養、母乳による育児の利点、衛生(環境衛生を含む。)並びに事故の防止についての基礎的な知識に関して、情報を提供され、教育を受ける機会を有し及びその知識の使用について支援されることを確保すること。
    6. 予防的な保健、父母のための指導並びに家族計画に関する教育及びサービスを発展させること。
  3. 締約国は、児童の健康を害するような伝統的な慣行を廃止するため、効果的かつ適当なすべての措置をとる。
  4. 締約国は、この条において認められる権利の完全な実現を漸進的に達成するため、国際協力を促進し及び奨励することを約束する。これに関しては、特に、開発途上国の必要を考慮する。

 

第25条

 締約国は、児童の身体又は精神の養護、保護又は治療を目的として権限のある当局によって収容された児童に対する処遇及びその収容に関連する他のすべての状況に関する定期的な審査が行われることについての児童の権利を認める。

第26条
  1. 締約国は、すべての児童が社会保険その他の社会保障からの給付を受ける権利を認めるものとし、自国の国内法に従い、この権利の完全な実現を達成するための必要な措置をとる。
  2. 1の給付は、適当な場合には、児童及びその扶養について責任を有する者の資力及び事情並びに児童によって又は児童に代わって行われる給付の申請に関する他のすべての事項を考慮して、与えられるものとする。
第27条 (発達のために十分な生活水準の保障)
  1. 締約国は、児童の身体的、精神的、道徳的及び社会的な発達のための相当な生活水準についてのすべての児童の権利を認める。
  2. 父母又は児童について責任を有する他の者は、自己の能力及び資力の範囲内で、児童の発達に必要な生活条件を確保することについての第一義的な責任を有する。
  3. 締約国は、国内事情に従い、かつ、その能力の範囲内で、1の権利の実現のため、父母及び児童について責任を有する他の者を援助するための適当な措置をとるものとし、また、必要な場合には、特に栄養、衣類及び住居に関して、物的援助及び支援計画を提供する。
  4. 締約国は、父母又は児童について金銭上の責任を有する他の者から、児童の扶養料を自国内で及び外国から、回収することを確保するためのすべての適当な措置をとる。特に、児童について金銭上の責任を有する者が児童と異なる国に居住している場合には、締約国は、国際協定への加入又は国際協定の締結及び他の適当な取決めの作成を促進する。
第28条 
  1. 締約国は、教育についての児童の権利を認めるものとし、この権利を漸進的にかつ機会の平等を基礎として達成するため、特に、
    1. 初等教育を義務的なものとし、すべての者に対して無償のものとする。
    2. 種々の形態の中等教育(一般教育及び職業教育を含む。)の発展を奨励し、すべての児童に対し、これらの中等教育が利用可能であり、かつ、これらを利用する機会が与えられるものとし、例えば、無償教育の導入、必要な場合における財政的援助の提供のような適当な措置をとる。
    3. すべての適当な方法により、能力に応じ、すべての者に対して高等教育を利用する機会が与えられるものとする。
    4. すべての児童に対し、教育及び職業に関する情報及び指導が利用可能であり、かつ、これらを利用する機会が与えられるものとする。
    5. 定期的な登校及び中途退学率の減少を奨励するための措置をとる。
  2. 締約国は、学校の規律が児童の人間の尊厳に適合する方法で及びこの条約に従って運用されることを確保するためのすべての適当な措置をとる。
  3. 締約国は、特に全世界における無知及び非識字の廃絶に寄与し並びに科学上及び技術上の知識並びに最新の教育方法の利用を容易にするため、教育に関する事項についての国際協力を促進し、及び奨励する。これに関しては、特に、開発途上国の必要を考慮する。
第29条 (教育の目的規定)
  1. 締約国は、児童の教育が次のことを指向すべきことに同意する。
    1. 児童の人格、才能並びに精神的及び身体的な能力をその可能な最大限度まで発達させること。
    2. 人権及び基本的自由並びに国際連合憲章にうたう原則の尊重を育成すること。
    3. 児童の父母、児童の文化的同一性、言語及び価値観、児童の居住国及び出身国の国民的価値観並びに自己の文明と異なる文明に対する尊重を育成すること。
    4. すべての人民の間の、種族的、国民的及び宗教的集団の間の並びに原住民である者の間の理解、平和、寛容、両性の平等及び友好の精神に従い、自由な社会における責任ある生活のために児童に準備させること。
    5. 自然環境の尊重を育成すること。
  2. この条又は前条のいかなる規定も、個人及び団体が教育機関を設置し及び管理する自由を妨げるものと解してはならない。ただし、常に、1に定める原則が遵守されること及び当該教育機関において行われる教育が国によって定められる最低限度の基準に適合することを条件とする。
第30条 (少数者・先住民の子どもの文化的権利)

 種族的、宗教的若しくは言語的少数民族又は原住民である者が存在する国において、当該少数民族に属し又は原住民である児童は、その集団の他の構成員とともに自己の文化を享有し、自己の宗教を信仰しかつ実践し又は自己の言語を使用する権利を否定されない。

第31条 (休暇・余暇・遊び・文化的芸術的生活への参加の権利)
  1. 締約国は、休息及び余暇についての児童の権利並びに児童がその年齢に適した遊び及びレクリエーションの活動を行い並びに文化的な生活及び芸術に自由に参加する権利を認める。
  2. 締約国は、児童が文化的及び芸術的な生活に十分に参加する権利を尊重しかつ促進するものとし、文化的及び芸術的な活動並びにレクリエーション及び余暇の活動のための適当かつ平等な機会の提供を奨励する。
第32条 (有害な労働からの保護)
  1. 締約国は、児童が経済的な搾取から保護され及び危険となり若しくは児童の教育の妨げとなり又は児童の健康若しくは身体的、精神的、道徳的若しくは社会的な発達に有害となるおそれのある労働への従事から保護される権利を認める。
  2. 締約国は、この条の規定の実施を確保するための立法上、行政上、社会上及び教育上の措置をとる。このため、締約国は、他の国際文書の関連規定を考慮して、特に、
    1. 雇用が認められるための1又は2以上の最低年齢を定める。
    2. 労働時間及び労働条件についての適当な規則を定める。
    3. この条の規定の効果的な実施を確保するための適当な罰則その他の制裁を定める。

 

第33条 

 締約国は、関連する国際条約に定義された麻薬及び向精神薬の不正な使用から児童を保護し並びにこれらの物質の不正な生産及び取引における児童の使用を防止するための立法上、行政上、社会上及び教育上の措置を含むすべての適当な措置をとる。

第34条

 締約国は、あらゆる形態の性的搾取及び性的虐待から児童を保護することを約束する。このため、締約国は、特に、次のことを防止するためのすべての適当な国内、二国間及び多数国間の措置をとる。

  1. 不法な性的な行為を行うことを児童に対して勧誘し又は強制すること。
  2. 売春又は他の不法な性的な業務において児童を搾取的に使用すること。
  3. わいせつな演技及び物において児童を搾取的に使用すること。
第35条

 締約国は、あらゆる目的のための又はあらゆる形態の児童の誘拐、売春又は取引を防止するためのすべての適当な国内、二国間及び多数国間の措置をとる。

第36条

 締約国は、いずれかの面において児童の福祉を害する他のすべての形態の搾取から児童を保護する。

第37条

 締約国は、次のことを確保する。

  1. いかなる児童も、拷問又は他の残虐な、非人道的な若しくは品位を傷つける取扱い若しくは刑罰を受けないこと。死刑又は釈放の可能性がない終身刑は、18歳未満の者が行った犯罪について科さないこと。
  2. いかなる児童も、不法に又は恣意的にその自由を奪われないこと。児童の逮捕、抑留又は拘禁は、法律に従って行うものとし、最後の解決手段として最も短い適当な期間のみ用いること。
  3. 自由を奪われたすべての児童は、人道的に、人間の固有の尊厳を尊重して、かつ、その年齢の者の必要を考慮した方法で取り扱われること。特に、自由を奪われたすべての児童は、成人とは分離されないことがその最善の利益であると認められない限り成人とは分離されるものとし、例外的な事情がある場合を除くほか、通信及び訪問を通じてその家族との接触を維持する権利を有すること。
  4. 自由を奪われたすべての児童は、弁護人その他適当な援助を行う者と速やかに接触する権利を有し、裁判所その他の権限のある、独立の、かつ、公平な当局においてその自由の剥奪の合法性を争い並びにこれについての決定を速やかに受ける権利を有すること。
第38条
  1. 締約国は、武力紛争において自国に適用される国際人道法の規定で児童に関係を有するものを尊重し及びこれらの規定の尊重を確保することを約束する。
  2. 締約国は、15歳未満の者が敵対行為に直接参加しないことを確保するためのすべての実行可能な措置をとる。
  3. 締約国は、15歳未満の者を自国の軍隊に採用することを差し控えるものとし、また、15歳以上18歳未満の者の中から採用するに当たっては、最年長者を優先させるよう努める。
  4. 締約国は、武力紛争において文民を保護するための国際人道法に基づく自国の義務に従い、武力紛争の影響を受ける児童の保護及び養護を確保するためのすべての実行可能な措置をとる。
第39条

 締約国は、あらゆる形態の放置、搾取若しくは虐待、拷問若しくは他のあらゆる形態の残虐な、非人道的な若しくは品位を傷つける取扱い若しくは刑罰又は武力紛争による被害者である児童の身体的及び心理的な回復及び社会復帰を促進するためのすべての適当な措置をとる。このような回復及び復帰は、児童の健康、自尊心及び尊厳を育成する環境において行われる。

第40条
  1. 締約国は、刑法を犯したと申し立てられ、訴追され又は認定されたすべての児童が尊厳及び価値についての当該児童の意識を促進させるような方法であって、当該児童が他の者の人権及び基本的自由を尊重することを強化し、かつ、当該児童の年齢を考慮し、更に、当該児童が社会に復帰し及び社会において建設的な役割を担うことがなるべく促進されることを配慮した方法により取り扱われる権利を認める。
  2. このため、締約国は、国際文書の関連する規定を考慮して、特に次のことを確保する。
    1. いかなる児童も、実行の時に国内法又は国際法により禁じられていなかった作為又は不作為を理由として刑法を犯したと申し立てられ、訴追され又は認定されないこと。
    2. 刑法を犯したと申し立てられ又は訴追されたすべての児童は、少なくとも次の保障を受けること。
    1. 法律に基づいて有罪とされるまでは無罪と推定されること。
    2. 速やかにかつ直接に、また、適当な場合には当該児童の父母又は法定保護者を通じてその罪を告げられること並びに防御の準備及び申立てにおいて弁護人その他適当な援助を行う者を持つこと。
    3. 事案が権限のある、独立の、かつ、公平な当局又は司法機関により法律に基づく公正な審理において、弁護人その他適当な援助を行う者の立会い及び、特に当該児童の年齢又は境遇を考慮して児童の最善の利益にならないと認められる場合を除くほか、当該児童の父母又は法定保護者の立会いの下に遅滞なく決定されること。
    4. 供述又は有罪の自白を強要されないこと。不利な証人を尋問し又はこれに対し尋問させること並びに対等の条件で自己のための証人の出席及びこれに対する尋問を求めること。
    5. 刑法を犯したと認められた場合には、その認定及びその結果科せられた措置について、法律に基づき、上級の、権限のある、独立の、かつ、公平な当局又は司法機関によって再審理されること。
    6. 使用される言語を理解すること又は話すことができない場合には、無料で通訳の援助を受けること。
    7. 手続のすべての段階において当該児童の私生活が十分に尊重されること。
  3. 締約国は、刑法を犯したと申し立てられ、訴追され又は認定された児童に特別に適用される法律及び手続の制定並びに当局及び施設の設置を促進するよう努めるものとし、特に、次のことを行う。
    1. その年齢未満の児童は刑法を犯す能力を有しないと推定される最低年齢を設定すること。
    2. 適当なかつ望ましい場合には、人権及び法的保護が十分に尊重されていることを条件として、司法上の手続に訴えることなく当該児童を取り扱う措置をとること。
  4. 児童がその福祉に適合し、かつ、その事情及び犯罪の双方に応じた方法で取り扱われることを確保するため、保護、指導及び監督命令、カウンセリング、保護観察、里親委託、教育及び職業訓練計画、施設における養護に代わる他の措置等の種々の処置が利用し得るものとする。
第41条

 この条約のいかなる規定も、次のものに含まれる規定であって児童の権利の実現に一層貢献するものに影響を及ぼすものではない。

  1. 締約国の法律
  2. 締約国について効力を有する国際法
第42条 

 締約国は、適当かつ積極的な方法でこの条約の原則及び規定を成人及び児童のいずれにも広く知らせることを約束する。

第43条
  1. この条約において負う義務の履行の達成に関する締約国による進捗の状況を審査するため、児童の権利に関する委員会(以下「委員会」という。)を設置する。委員会は、この部に定める任務を行う。
  2. 委員会は、徳望が高く、かつ、この条約が対象とする分野において能力を認められた10人の専門家で構成する。委員会の委員は、締約国の国民の中から締約国により選出されるものとし、個人の資格で職務を遂行する。その選出に当たっては、衡平な地理的配分及び主要な法体系を考慮に入れる。
    (※1995年12月21日、「10人」を「18人」に改める改正が採択され、2002年11月18日に同改正は発効した。)
  3. 委員会の委員は、締約国により指名された者の名簿の中から秘密投票により選出される。各締約国は、自国民の中から1人を指名することができる。
  4. 委員会の委員の最初の選挙は、この条約の効力発生の日の後6箇月以内に行うものとし、その後の選挙は、2年ごとに行う。国際連合事務総長は、委員会の委員の選挙の日の遅くとも4箇月前までに、締約国に対し、自国が指名する者の氏名を2箇月以内に提出するよう書簡で要請する。その後、同事務総長は、指名された者のアルファベット順による名簿(これらの者を指名した締約国名を表示した名簿とする。)を作成し、この条約の締約国に送付する。
  5. 委員会の委員の選挙は、国際連合事務総長により国際連合本部に招集される締約国の会合において行う。これらの会合は、締約国の3分の2をもって定足数とする。これらの会合においては、出席しかつ投票する締約国の代表によって投じられた票の最多数で、かつ、過半数の票を得た者をもって委員会に選出された委員とする。
  6. 委員会の委員は、4年の任期で選出される。委員は、再指名された場合には、再選される資格を有する。最初の選挙において選出された委員のうち5人の委員の任期は、2年で終了するものとし、これらの5人の委員は、最初の選挙の後直ちに、最初の選挙が行われた締約国の会合の議長によりくじ引で選ばれる。
  7. 委員会の委員が死亡し、辞任し又は他の理由のため委員会の職務を遂行することができなくなったことを宣言した場合には、当該委員を指名した締約国は、委員会の承認を条件として自国民の中から残余の期間職務を遂行する他の専門家を任命する。
  8. 委員会は、手続規則を定める。
  9. 委員会は、役員を2年の任期で選出する。
  10. 委員会の会合は、原則として、国際連合本部又は委員会が決定する他の適当な場所において開催する。委員会は、原則として毎年1回会合する。委員会の会合の期間は、国際連合総会の承認を条件としてこの条約の締約国の会合において決定し、必要な場合には、再検討する。
  11. 国際連合事務総長は、委員会がこの条約に定める任務を効果的に遂行するために必要な職員及び便益を提供する。
  12. この条約に基づいて設置する委員会の委員は、国際連合総会が決定する条件に従い、同総会の承認を得て、国際連合の財源から報酬を受ける。
第44条
  1. 締約国は、(a)当該締約国についてこの条約が効力を生ずる時から2年以内に、(b)その後は5年ごとに、この条約において認められる権利の実現のためにとった措置及びこれらの権利の享受についてもたらされた進歩に関する報告を国際連合事務総長を通じて委員会に提出することを約束する。
  2. この条の規定により行われる報告には、この条約に基づく義務の履行の程度に影響を及ぼす要因及び障害が存在する場合には、これらの要因及び障害を記載する。当該報告には、また、委員会が当該国における条約の実施について包括的に理解するために十分な情報を含める。
  3. 委員会に対して包括的な最初の報告を提出した締約国は、1(b)の規定に従って提出するその後の報告においては、既に提供した基本的な情報を繰り返す必要はない。
  4. 委員会は、この条約の実施に関連する追加の情報を締約国に要請することができる。
  5. 委員会は、その活動に関する報告を経済社会理事会を通じて2年ごとに国際連合総会に提出する。
  6. 締約国は、1の報告を自国において公衆が広く利用できるようにする。
第45条

 この条約の効果的な実施を促進し及びこの条約が対象とする分野における国際協力を奨励するため、

  1. 専門機関及び国際連合児童基金その他の国際連合の機関は、その任務の範囲内にある事項に関するこの条約の規定の実施についての検討に際し、代表を出す権利を有する。委員会は、適当と認める場合には、専門機関及び国際連合児童基金その他の権限のある機関に対し、これらの機関の任務の範囲内にある事項に関するこの条約の実施について専門家の助言を提供するよう要請することができる。委員会は、専門機関及び国際連合児童基金その他の国際連合の機関に対し、これらの機関の任務の範囲内にある事項に関するこの条約の実施について報告を提出するよう要請することができる。
  2. 委員会は、適当と認める場合には、技術的な助言若しくは援助の要請を含んでおり又はこれらの必要性を記載している締約国からのすべての報告を、これらの要請又は必要性の記載に関する委員会の見解及び提案がある場合は当該見解及び提案とともに、専門機関及び国際連合児童基金その他の権限のある機関に送付する。
  3. 委員会は、国際連合総会に対し、国際連合事務総長が委員会のために児童の権利に関連する特定の事項に関する研究を行うよう同事務総長に要請することを勧告することができる。
  4. 委員会は、前条及びこの条の規定により得た情報に基づく提案及び一般的な性格を有する勧告を行うことができる。これらの提案及び一般的な性格を有する勧告は、関係締約国に送付し、締約国から意見がある場合にはその意見とともに国際連合総会に報告する。
第46条

 この条約は、すべての国による署名のために開放しておく。

第47条

 この条約は、批准されなければならない。批准書は、国際連合事務総長に寄託する。

第48条

 この条約は、すべての国による加入のために開放しておく。加入書は、国際連合事務総長に寄託する。

第49条

この条約は、20番目の批准書又は加入書が国際連合事務総長に寄託された日の後30日目の日に効力を生ずる。 この条約は、20番目の批准書又は加入書が寄託された後に批准し又は加入する国については、その批准書又は加入書が寄託された日の後30日目の日に効力を生ずる。

第50条
  1. いずれの締約国も、改正を提案し及び改正案を国際連合事務総長に提出することができる。同事務総長は、直ちに、締約国に対し、その改正案を送付するものとし、締約国による改正案の審議及び投票のための締約国の会議の開催についての賛否を示すよう要請する。その送付の日から4箇月以内に締約国の3分の1以上が会議の開催に賛成する場合には、同事務総長は、国際連合の主催の下に会議を招集する。会議において出席しかつ投票する締約国の過半数によって採択された改正案は、承認のため、国際連合総会に提出する。
  2. 1の規定により採択された改正は、国際連合総会が承認し、かつ、締約国の3分の2以上の多数が受諾した時に、効力を生ずる。
  3. 改正は、効力を生じたときは、改正を受諾した締約国を拘束するものとし、他の締約国は、改正前のこの条約の規定(受諾した従前の改正を含む。)により引き続き拘束される。
第51条
  1. 国際連合事務総長は、批准又は加入の際に行われた留保の書面を受領し、かつ、すべての国に送付する。
  2. この条約の趣旨及び目的と両立しない留保は、認められない。
  3. 留保は、国際連合事務総長にあてた通告によりいつでも撤回することができるものとし、同事務総長は、その撤回をすべての国に通報する。このようにして通報された通告は、同事務総長により受領された日に効力を生ずる。
第52条

 締約国は、国際連合事務総長に対して書面による通告を行うことにより、この条約を廃棄することができる。廃棄は、同事務総長がその通告を受領した日の後1年で効力を生ずる。

第53条

 国際連合事務総長は、この条約の寄託者として指名される。

第54条

 アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語及びスペイン語をひとしく正文とするこの条約の原本は、国際連合事務総長に寄託する。  以上の証拠として、下名の全権委員は、各自の政府から正当に委任を受けてこの条約に署名した。

 

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ここ中央区でも、乳幼児教育を、ぜひ、考えていきましょう!広島大学名誉教授 森 楙(もり しげる)先生の中国新聞掲載の論説を共有します。

2022-01-02 13:49:09 | 教育
 乳幼児教育を考えるあたり、その先達であられる広島大学名誉教授 森 楙(もり しげる)先生の中国新聞掲載の論説を共有します。

 広島大学は、私の母校でもあります。大先輩の論説です。

 同じ乳幼児なのだから、保育園、幼稚園、こども園、省庁の壁に分けられることなく、育ちの時間が充実する環境を整えていきましょう。


 昭和39年(1964年)の論説であり、すでに、克服されている点もあろうかと思います。
 ただ、58年前であっても、課題でありつづけることがらも存在します。
 

*******昭和39年(1964年)中国新聞*******************

『乳児の領分 集団保育の中で』
①  こんにちはボク赤ちゃんです
 そうぞうしい人間の世界にやってきてから、ボクはまだ三ヶ月しかなりません。だけどお母ちゃんは働かないと食べていけないといって、毎日働きにいきます。ですからボクは朝は八時ごろから、夕方の五時すぎまで、乳児保育所の一つであるここにごやっかいになることになりました。
 家の中で一日中、育児に専念していらっしゃる隣の奥さんは「かわいそうに、あんな所へ入れられて」と、ボクに同情してくださいます。だけどボクにはこんな同情はかえって迷惑です。女性が働くのは少しもおかしくないし働くのは当然の権利でもあるからです。婦人の人権がほんとうにみとめられるためにも女性は職業人として社会へもっと進出しなければならないと思うからです。
 おかあちゃんと離れて、ひとりでここへやってきても、へっちゃらです。 ちっともさびしくありません。 満三歳までの小さなお友だちがたくさんいるからです。おかあちゃんたちはみんな家庭の生活を守るために働いているのです。みんな働くおかあちゃんたちを誇りにしているので、朝と夜しかおかあちゃんにだっこしてもらえなくても平気です。ヨーロッパの子どもたちは、おかあちゃんが働きに出ていなくても親との接触時間はボクらより少ないぐらいだそうですから、親の愛情がうすいなんて、考えたこともありません。
 それにボクたちにはお友たちのほかに保母さんがいます。教育的なあたたかい愛情でボクたちをつつんでくれます。広い視野にたった専門教育を受けた先生たちなので、自分の子どものことしか考えない、そこらあたりの心理学ママよりは、よっぽど信頼がおけます。
 ボクたちをあわれんだり、軽べつされるおかあちゃんたち、「育児は母親の天職、働く母親は家庭に帰れ」とおっしゃるおとうさんたち、まぁボクたちのたくましい成長ぶりをみてください。明るくて健康なボクたちの集団生活をみたら、家庭教育至上主義が幻想にすぎないことが、おわかりになることと思います。静かなメロディーが流れてきました。おねんねの時間が来たようです… 。
写真の説明はありません。
 


*************************

乳児の領分 集団保育の中で④
なんでも食べる 給食は楽しからずや
おかあちゃんがききます。「学校でいちばん楽しい時間は?」「きまってるじゃない、給食の時間よ」学校のおにいちゃんの答えです。ボクもまったく同感です。
 調理室のほうから、かすかにいいにおいがしてくると、からだがゾクゾクッとします。食事のあいだじゅう、三十分から五十分ほど、机にむかってがまんして腰かけることも、あまり苦痛ではありません。食事中トイレにたたぬよう必ずやらされる食前の排せつも、手や顔をふいてもらうことも、このときだけはいやがらずやります。手を合わせてイタダキマスと、コトバにならぬ声をだしてこっくりすると、万事 OK です。
 ゆったりとおちついたバックグラウンド・ミュージックの流れる中で、隣の子に笑われないようにきらいなものでもがんばって食べます。きらいなものを初めて食べたときの先生のうれしそうなえがおは、一生忘れないことでしょう。
 しかしボクたちにも要求したいことがあります。殺風景なアルマイトのサラの代わりに、割れない瀬戸物ふうの食器で食べれたら、それにはアトムやポパイの絵がついていたら、もっと楽しくなると思うのです。それに花や動物のかわいいアップリケのついたエプロンを胸にかけてもらえたら。おとなの感覚でなく、ボクらの感覚にあった味つけや切り方や盛りつけにも努力してもらえたらどんなにいいでしょうと...。 
 学校給食には栄養不足が心配されていますが、ボクらの は大じょうぶでしょうか。三歳未満児の給食費一日四十三円七十銭の予算単価で、ポクらのからだはすこやかに育つのか、物価高の現在、ちょっとばかり不安になります。
(森 しげる)





***********************

 

  乳児の領分 集団保育の中で⑤
ひとりで遊び ひとりで考える
「ウマクタテバ、カッコイイノニナー。ドウシテタタナイノカナ。ヤッパリムリカ。ダケドモウイチドヤッテミヨウ」
 アコちゃん(十一カ月)はさっきから、くり返しくり返し三角のつみ木をさかさにたてようとしては失敗しています。「バカね。それではムリよ」家庭なら、ママの干渉がはいるところです。しかし、おなじことをなんどもくり返す自分の活動そのものに喜びをみいだしながら、かれらは成長していきます。
 オモチャを使ったひとり遊びは、二歳ごろまでのこどもに多くみられます。この時期までの遊びは、身体機能の発達とふかく関係しています
 神経組織が発達しますと、手が自分の意思どおり動くようになります。子どもは自分の新しい力に歓喜しその可能性をためそうと夢中になり、おとなからみれば至極他愛ないことに、長時間熱中します。ご当人にとっては、精神力のすべてを投入した緊張の瞬間であり、ひとり黙考する思索のときでもあるのです。
 こうしたひとり遊びは、自主性や自律心を育てるのに大きな役割りをはたしています。ですから保育所のような集団生活においても、ひとりだけの時間は必要です。
 「そんなふうに積んだら倒れますよ。ダメね、この子は。ママのいうとおりにやってごらん」家庭におけるこうした育児サービスの過剰は、自律心の育つチャンスをつぶしてしまうことになります。
(森しげる)
=写真は広島保問研乳児部提供




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乳児の領分 集団保育の中で⑥
協力の始まり~大切な〝遊び仲間〟
 マコちゃんは二十一世紀の建築家を夢みています。積み木の柱をあっちにたてたり、こっちに倒したり、十分以上も工夫しています。そこへヒロちゃんがやってきました。はじめはだまってみていましたが、ついにがまんができず「コレ、ツカッタラドウダイ」といわんばかりに、左手でマコちゃんの肩をつかみ、積み木をつかんでさし出しました。コトバを使わなくても、意思の伝え合いは、半年あまりの集団生活を続けてきた二人の一歳未満児にとっては可能だったのです。マコちゃんはさし出された積み木を、微笑みをもってごく自然に受けとったのでした。
 子どもの対人関係(社会性)の発達の基準は、つぎのように言われています。3ヶ月ーほほえみかけて他の子に反応する。半年ー相手の子にふれようとする 。1年ー自分のおもちゃをみせようとする。2年ー他の子と並行的あそびをする。3年ー集団あそびができるようになる
 社会性の発達はもちろん子どもの生活環境によって違い、どの子にでも当てはまりはしません。外にも出してもらえないで、お母さんの手でだいじに育てられたひとりっ子は、学校でもひとりぼっちで友だちができません。ところがマコちゃんやヒロちゃんにとっては、この基準は大幅に書き換えられないといけないようです。
 遊びは子どもの全生活であり、成長の栄養素です。これが長つづきする第一の条件は、高価で立派なオモチャがあることではなくて、いっしょに遊ぶ仲間がいることなのです。
(森しげる)
=写真は広島保問研乳児部提供

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乳児の領分 集団保育の中で⑦ 
 (『中国新聞』昭和40(1965)年2月連載記事から)
ボクハセンセイ~りっぱに社会生活
 「キョウハ、ボクガセンセイダ。サア、ミンナオトナシクミルンダヨ」ヒデ君は汽車の絵がだいすきです。毎日、家から持ってくる絵本は汽車の絵ばかりです。「うちの子は汽車の本しか買わないんですよ」お母さんもそういっていました。
 かれはまた、家から木でできた箱車を持ってきては、園内を押して歩きます。それがないときは、積み木をシキイのところで、押したりひいたり、汽車ポッポの代用にします。その熱中ぶりはすごいものです。だからほかの子も、汽車のことにかんしては、ヒデ君に一目おいています。「キシャノコトナラ、ボクニマカシトキ」と、リーダーシップをはっきしているわけです。
  集団の中で育つかれらは、こうしたかたちで、いろいろな社会的能力を身につけていきます。
 写真の子どもたちは、満二つをやっとすぎたばかりですが、自分の欲求を、社会的ルールにしたがって表現することを、すでに知っています。相手のもっている絵本が見たいときは、自分の手もちの絵本をもっていって「カエテ」といいます。すると相手は、その本の表紙をのぞきこみ、しばし考えます。気にいらない本なら「ダメ」といって、交換を拒否するわけです。
 かれらは自分の頭で考え、意思決定をやっているのです。ときにはそんな場合、保母さんのところへやってきて「カエテクレンノト」と訴えます。それでも保母さんは子どもの間にはいって口出しはしません。もう一度、子ども自身に交渉させます。そうすることによって自分たちの問題は自分たちで解決することの大切さを、子どもたちは学ぶわけです。家庭の中だけで甘やかされて育っているこの年齢の子はどうでしょうか。ひきつけを起こすほど泣き叫んででもほしいものは奪いとるのがふつうではないでしょうか。
(森しげる)
=写真は広島保問研乳児部提供






*************************

乳児の領分 集団保育の中で⑨
 (『中国新聞』昭和40(1965)年2月連載記事から)
いきいきと描く~楽しいひととき
 E保育園の乳児保育室の入口正面の壁には子どもたちの絵が貼ってあります。クレヨンやマジックや鉛筆で線や円や点などがグシャグシャに描かれています。ところが子どもを預けているお母さんたちは、この絵に気づかないふうです。教えてあげても「あれが絵なの」と鼻先で笑います。学歴を鼻先にぶら下げた大学出のママさんは、特にひどいようです。彼女たちの頭にある幼児画は、青い空に軍艦旗みたいな赤い太陽が輝き、家があって電灯がついておりチューリップの花が咲いている─だいたいそういったものです。概念でコチコチに固まったもの以外は目に見えないらしいのです。
 保育園では十カ月ぐらいの子には、もうクレヨンを与えます。兄姉のいない子は経験がないので、なめてみたりトントンたたいたり材料そのものにまず興味を示します。
 いつもは小さな机の上で、小さな画用紙や西洋紙に描きます。机や紙の小ささが気になり、線は細くちぢこまります。ときどき大きな模造紙を床の上に広げてやると子どもたちの目は輝き、思い思いの自由なポーズで、力のはいった生き生きとした線をのびのびと引きます。ふつうなら20分─30分(二歳児)続く関心が、2倍以上になります。「紙がもったいない」「床をよごす」といわれはしないかとひやひやするのです。
(森しげる)
=写真は広島保問研乳児部提供


**************************

乳児の領分 集団保育の中で⑩
こどもの中に生きるテレビ~大人の選択はダメ
   教育ものの中にもスピードと楽しさを
 わたしは当年とって二歳五カ月のオシャマな娘です。ときどき「ママジョセイネ」といっては「むずかしいコトバおぼえて。この子わりかし頭いいのね」とママを喜ばせたり、「アイスルッテ、ナーニ」と質問しては、ママをドキリとさせたりします。うちのママは、よろめきドラマとかいうのが大好きで朝っぱらから「愛より愛へ」「いつの日その胸に」といったものをみています。一日中ママとつきあうので、おシャマになるのも無理ありません。
 隣のカッちゃんは保育園に行ってますが、園では教育番組みしかみせてくれないので、コマーシャルソングがきけず残念だとこぼしています。カッちゃんの園で一番の人気番組みは「おはなしの森」です。「かくしてる─かくしてる」という歌がきこえると、みんなテレビの前にすわりこんで、終わるまでブラウン管にすいつけられるそうです。テレビからコトバと物や行動との結びつきを自然に学びます。けれど保育園では、なんといってもいちばん楽しいのは、テレビでおぼえた歌をお友だちといっしょに歌ったり、見たことを遊びの中に利用するときだそうです。私の場合ママ相手ではみんなお手あげです。テレビについてのカッちゃんの希望は教育番組みの中にも、アトムやケンや28号のスピードや力や楽しさをとりいれてもらいたいということです。おとなの番組みにノックアウトされないためにも。
 宇宙時代をになう世代の豊かなイメージは、おとなの目だけでの番組み選択ではダメなようです。白痴化番組みをつつき破って進むエネルギーをぼくらの中にみつけ、のばすことが、テレビ時代を準備したおとなの義務だと思うのですが、どこまで期待できるか疑問です。
(森しげる)
=写真は広島保問研乳児部提供

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ここ中央区でも、乳幼児教育をぜひ、考えましょう!広島大学名誉教授 森 楙(もり しげる)先生の中国新聞掲載の論説の続き

2022-01-02 13:18:38 | 教育
広島大学名誉教授
森 楙(もり しげる)先生の中国新聞掲載の論説の続き。



**************************

乳児の領分 集団保育の中で⑪
ひとりで好きなように~手を使って考える
保育所や幼稚園では、切り紙細工や折り紙が盛んです。ところがおかあさん方は、できあがった作品のじょうずへただけを問題にされるようです。先生のほうでも親の誤った願望にこびるかのように必要以上に干渉したり、手を加えたりします。
その結果、クラスの子全部の作品が、型にはまった個性のないものになります。独創的な子どもが、能なしとして扱われる場合すらあります。
 写真の乳児保育所みどり園では、二歳になったらハサミを与えます。しかし最初からハサミの使い方を教えはしません。ハサミをはじめて手にした子どもは、両手で広げ、これに紙をはさんでひっぱります。なんとかうまく使おうと努力します。子どもらがあきたころ、保母は使い方を教えます。教えられてもすぐうまく使えるわけではありません。チョッキと一回動かせるだけです。一回ずつエッチラオッチラ紙の半分ぐらいまで切り進みますと、後の半分は破いたりします。
 ハサミの使い方にもかなり習熟すると、古週刊誌の色ずりグラビアが与えられます。子どもらはファッションスタイルや映画スターのからだの線にそって慎重に切り進みます。小百合ちゃんが自分の恋人でもあるかのように。ハサミを使い始めて二、三カ月もすれば、紙を5㍉ぐらいの短ざくに切ることもできます。また自分が切ったものにキシャだのワンワンだのと名まえをつけるようになります。
 こうした切り紙あそびの中で思考発達の基礎になる目と手の協応運動を訓練しているわけです。文字や数を丸暗記することが幼児教育だというバカげた考えの人には、ムダなことにみえるかもしれません。
(森しげる)
=写真は広島保問研乳児部提供





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乳児の領分 集団保育の中で⑫
ひるねの中の人間関係~団体規律の芽生え
アッちゃんは誕生をむかえて一歳児のクラスに進級しました。先輩たちは「赤ちゃんがやってきた」と、この新参者をかわいがり、人気者にしたてあげました。ところが二週間ぐらいして、アッちゃんはひるねの途中必ず目をさまして、起き出してしまうようになりました。保母さんはからだのぐあいでも悪いのかと心配していろいろしらべてみました。ところが原因はからだではなくて、仲間たちとの人間関係にあったのです。
 みんなからチヤホヤされていい気になったアッちゃんは、ある日すべり台の階段を登ろうとしていたヒロちゃんのスカートをつかんでひっぱりました。ステントとしりもちついたヒロちゃんに、甘えたつもりのアッちゃんはこっぴどくしかられました。アッちゃんは人気者の地位が、ガラガラと音をたててくずれるのを意識しました。
担当の保母さんは、アッちゃんにやはりみんなの仲間だということを知らせることが最良の解決方法だと考えました。そこでひるねの前にふとんの上で、子供たちをあそばせました。アッちゃんとヒロちゃんも手をつないでふとんの上をころがったりして、はしゃぎました。その日以降、アッちゃんが途中で起きだして泣き出すことはなくなりました。
保育所の保育時間は八時間以上なので、保育内容の中でのひるねは重要な位置をしめています。一日平均、二時間半ぐらい昼寝します。子供の健康のためだけでなく、生活習慣の規律を集団の中で身につけさせることが一つのねらいです。家庭ではダダをこねてひるねをしなかった子が、保育所に行きだして、きちんとするようになった例は無数にあります。仲間集団の影響力によって寝る子の精神面も育ってゆくのです。
(森しげる)
=写真は広島保問研乳児部提供



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乳児の領分 集団保育の中で⑬
オカシのユービン屋さん~責任感をつちかう
保育園の生活は、子どもたち自身による集団の生活がそのほとんどです。保母さんに教えられるより、仲間に教えられることが多いといえるかもしれません。ただ子どもたちの集団は、ほうっておけばボスの支配する集団になってしまいます。子どもたちのひとりひとりが自主的に責任感をもって行動し、共通の目標にむかって協力関係を結ぶことのできる集団をつくること─これが保母さんたちの指導のねらいです。
M園では二歳児から五~六人のグループをつくり、各グループに当番がおかれます。給食のとき、おやつのとき、それにおかたづけのときなど、かんたんな仕事を責任をもってやります。今日は二歳になったばかりのチーコちゃんが当番です。グループのみんなは、おやつのオカシが分配されるをかたずをのみながら待っています。
子どもたちは当番をすることの中からいろいろのことを学ぶのです。最初のうちは保母さんがそばにいて「コーちゃんわたしてください」「タカコちゃんにあげていらっしゃい」と言っていました。はじめての大役に、名前をまちがえてはと緊張しますが、無事わたしおえるとホッとしておカシを食べる以上にうれしいものです。次の段階では「広木みどりさんに・・・」と姓をつけて呼びます。そこで人にはみんな姓があることを知ります。おカシが人数と合わないときは、算数の勉強です。
当番を交代でやることによって、責任をもって行動することを学ぶのです。集団の正しい意思に従って行動することに喜びを感じる人間が、集団保育の中で育ちつつあります。
(森しげる)
=写真は広島保問研乳児部提供


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乳児の領分 集団保育の中で⑭
遊びの中で学ぶ人間観~自分の事は自分で
日曜日は天気がよかったので隣のミオちゃんとこのお庭でヤッちゃんやテツ君といっしょに〝ままごとあそび〟をしました。ボクがパパ、ミオちゃんがママ、あとのふたりが子どもです。ママのミオちゃんはごはんをたいたり、ミソ汁をつくったりたいへんないそがしさです。ボクが野さいを切るのを手伝おうとほうちょうをもったとたん「オトウチャンラシク、ダマッテ新聞デモヨンデナサイ」としかられてしまいました。「ボクトコ、ゴハンタクヨ」といったら、ヤッちゃんもテツ君も「オカシイヨ、オトコノクセニ」とさも軽べつするような目つきでボクをみました。「お前はオヤジの資格ないぞ」といって仲間はずれにされそうでしたのでだまってしまいました。
 保育園でも似たようなことがありました。タケちゃんが「オトコノタイタゴハン、マズイ」といって、ママゴト遊びが混乱したことがあります。そのときは先生が仲間にはいってきて、パクパク食べてみせ「男の人の炊いたごはん、おいしい、おいしい」といってくれたので、みんな男が炊事をしても別におかしくないことがわかりました。
 お昼寝がすんだ後、おふとんのかたづけをしていたときです。新入りのタダオ君がだまって立っていたので先生が「みんなといっしょにふとんをたたみましょう」とおっしゃいました。タダオ君は平気な顔です。でもタダオ君もやがてみんなといっしょに、自分のふとんは自分でかたづけるようになるでしょう。
(森しげる)
=写真は広島保問研乳児部提供





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乳児の領分 集団保育の中で⑮  『中国新聞』昭和40年2月連載
「みんな」とはボクのこと?~一歳児にとっても自己の認識は可能 
 自由あそびの時間が終わって使った遊び道具のおかたづけが始まりました。家庭では赤ちゃん扱いを受けている一歳未満児でも、ちゃんとやります。もっとも最初からできるわけではありません。初めはおかたづけの合図に鳴らす音楽にあわせて、保母さんが遊び道具を箱の中に投げこみます。そのオーバーな表現を子どもたちはおもしろがってマネをします。つまり初めは遊びとして、おかたづけをやるわけです。
 次の段階では「ボーン、だめ」というコトバといっしょに箱の中にきちんと並べてかたづけることを、保母さんがからだでもって教えてやります。
 二歳をすぎると、おかたづけをしないで手洗いにゆくずるい子も出てきます。おかたづけのあとは手を洗ってご飯だということを知っているからです。サボる子にたいしては、たいていの場合仲間のだれかが「ダメ、オカタヅケ」とたしなめます。もちろんこうした集団にまで成長するには、保母さんの側の指導=集団生活の規律づくりという仕事=があるわけです。ひとりひとりは、みんなのなかのひとりだということの教育が、一歳児にたいしても必要なのです。
 「コウちゃん、おかたづけはみんなでやらないとだめよ。みんなで遊んだんだから」と保母さんがいいます。「ボクモミンナ?」コウちゃんはわからないという顔つき。「ユキさん、みんなってだれのこと?」「ヨリチャント、マサチャント、ケイチャント・・・」そばでじっときいていたコウちゃん「ワタシモミンナヨ」集団の一員としての自己を認識することは乳児においても可能だということを、集団保育は事実をもって示し始めています。
(森しげる)
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乳児の領分 集団保育の中で⑯
コンドカワッテネ~仲よく遊ぶ楽しさ
保母さんのNさんは、ある日大学時代の友だちをたずねました。南向きの斜面にたった,青や赤の屋根ガワラの並ぶ住宅街はひっそりしていて、子どもたちの遊ぶ姿もみえません。友人のKさんは三歳半になる女の子を相手にママごと遊びをしていました。その子は母と子だけの世界に乱入した悪者めといった目つきで Nさんを見つめます。「いつもこうですよ」と友人はアリガトウ、ゴチソウサマ、シツレイシマスの練習を続けました。
Nさんが、ダナにぎっしりと並んだ絵本を手に取ろうとしたところ、その子はものすごい形相で突進して本をひったくりました。「貸してね」と言っても憎々しげににらみ返すばかりです。Nさんは保育園の子どもたちの遊びの情景を思い浮かべながら、家庭の物質的生活の豊かさは精神の豊かさと関係ないのかもしれないと思いました。
きのう保育園のしばふの上ではフトシ君が箱車にツヨシ君を乗せて引っぱっていました。そこへケン君がやってきて車に飛び乗りました。フトシ君はケン君のところへやって来て、「オモイカラオリテ」と静かにいいました。
保育室ではまだ、二歳にならないタケちゃんがダンボールの箱の中にすわり、それをマコちゃんが一生懸命を押しています。しばらくはしってからマコちゃんが「ウンウン」というと、タケちゃんはすぐ降り、マコちゃんが代わりに乗って満足そうな顔をしたのです。心理学の本には四歳にならないと共同遊びができないと書いてありますが、この子らは友だちと遊ぶ楽しさを失いたくないために仲間集団のルールを早くも身につけていたのです。
(森しげる)
=写真は広島保問研乳児部提供


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乳児の領分 集団保育の中で⑰
ジュンバンダヨ
 楽しい外でのお遊びが終わって手を洗えばおやつ。子どもたちはうきうきしています。家庭でなら「さきに手を洗ってきた人に大きいおかしあげる」といいかねないところです。こうした競争をあおるような親のやり方は、手をちょっとぬらして来て「アラッタヨ」と答えるずるい人間をつくります。
 でも保育園では、みんながそろうまではおやつはもらえないのでさきを争うようなことはしません。しかし、入園したばかりの子どもは、最初のうちは並ばなかったり、列に割りこんだりします。そんなときはまわりからすぐ「ジュンバンダヨ」と声がかかるのです。親にたいしてはすぐすねる甘えん坊も、仲間にたいしては気持ちが従順になっていて、忠告に素直にしたがいます。
 ブランコやすべり台やおもちゃを使っての遊び場でも「ジュンバン」というコトバはたえずきかれます。これは楽しい遊びをささえるルールであり、みんなでくらす生活の鉄則です。
 バスを待って並んでる行列にわりこんだのを注意されて、ナイフでさしたり、暴力をふるった青年が何人かいました。すぐカッとなる衝動的人間が、うようよしているようです。衝動をおさえる教育は何歳ごろ、どこでやったらいいのでしょうか。今日の家庭は、もっぱら保護過剰で、子どもは愛がん用の私有物であり、しつけはワタクシゴトになりさがっています。「三つ子の魂百まで」なら、できるだけ早くから集団保育の中で社会生活を体験させるべきではないでしょうか。
(森しげる)
=写真は広島保問研乳児部提供


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乳児の領分 集団保育の中で⑱
 (『中国新聞』1965年2月)
未知の世界の探究
冒険への出発
「おい、あのテッペンまでのぼろうぜ」「でもずいぶん高いのね。すこしこわいわ」「なーにへっちゃらさ。おれについてこいよ」ケン君とユキちゃんは、すべり台の低いほうから高いほうへと逆にのぼろうとしています。このアベック、まだ十か月の0歳児です。
 人間はサル時代の樹上生活のなごりか、一歳前後になると、高いところへ自分でのぼることに、つよい興味をもち始めます。家庭ではこの本能的ともいえる欲求を「アブナイ!」というひとことをもって禁止しています。法律のほうは家庭よりだいぶものわかりがよくて、二歳未満の遊具として、歩行器、イスブランコ、手押し車とならべて室内すべり台を、保育所の最低基準で備えつけるようにしています。
子どもたちが高いところにのぼるのは、たんに運動機能を発達させるためだけではありません。すべり台がそこにあるから?それもあるでしょう。先輩がおもしろそうに滑っていれば、ボクたちだって、という気にはなります。
しかしそれよりも、かれらにとっては、まわりのすべてが、あたらしい未知の世界なのです。探検家が極地や未踏の奥地に冒険を求めるようにアルピニストが新しい登山ルートに命をかけるように。未知の世界を征服することによって、子どもたちは、身体的に、さらには精神的にたくましく成長するのです。
(森しげる)
=写真は広島保問研乳児部提供



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乳児の領分 集団保育の中で⑲
(『中国新聞』1965年2月)
成功の喜び
勇気と決断力を養う 貴重なはじめての体験
 一歳前後でつたい歩きができるようになると、すべり台の階段のほうからアタックを試みます。やっと立てるていどなので、最初は一段目をあがったりおりたり、でも一週間もすれば頂上までのぼれます。
 しかしそこからがたいへん。のぼったはいいが、おしりからすべる、それも前向きでやるのは、そうとうの決断力がいります。そこではじめのうちは、また階段のほうからすごすごと逆もどり。そばで見守っている保母さんは、すべり方を教えたくてうずうずします。だがここで手を出せば、せっかくの自己教育のチャンスをつぶしてしまうことになります。子どもの伸びるものも伸びないことになってしまいます。
 階段の上まで行ってひき返すということを、何回かくり返すうちに、ある日なにかのきっかけで手をはなしてすべりおります。成功です。その瞬間、たいていの子どもは、ワーンとまわりのものがびっくりするほどの大声を出して泣きます。初めての体験なので、スリルにともなう恐怖感と、無事に下におりることができたという安心感が、いりまじっていると思われます。
 一度体験すれば二回目からは簡単です。何度も何度も頂上まで行ったあげく、勇気をもって決断し、自分の意思で決行したのですから。もしおとなの手をかりていたら、決断力も自信も身につけることはできなかったことでしょう。自分の力でやったところに意味があるわけです。十カ月になったばかりのキョウちゃんは、きょうもスルスルと滑降を楽しんでいます。そばでリョウちゃんも「ウマクナッタネ」といっしょに喜んでいます。
(森しげる) 
写真は広島保問研乳児部提供

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乳児の領分 集団保育の中で⑳
(『中国新聞』1965年2月)
可能性を試みる
ボクこそジャングルジムの王様
 「センセイッ!落ちる。うちの子が」園を訪れたひとりのおかあさんが写真のような情景をみて、まっさおな顔をしてかけより、自分の子をひきずりおろしました。はじめてこうした場面にぶつかった人はたいてい「よその子だと思ってむちゃをする」と、思うことでしょう。三段目に立っている二人の子をのぞけば、あとはみんな二歳以下なんですから。
 はじめのうちは保母さんたちもだいじょうぶかしら、と不安でいっぱいでした。このジャングルジムはなにかの手違いで、高さが二・七㍍もある幼児用のが取りつけられたからです。一歳児にとっては、間隔が広すぎるのです。
 ところが子どもたちは、保母さんの心配をよそに、この新しい世界を一刻でも早く征服し、自分こそはジャングルジムの王様になろうと張り切りました。マサちゃんもマユミちゃんも、男の子にまけまいとがんばりました。
 かれらの真剣な顔つき、しっかりとつかんだ手・・・。保母さんはもちろん近くで注意していますが、そばから「アブナイ」なんていわないほうがずっと安全なことを知りました。子どもたちは自分の力をわきまえているものです。それと同時に、無限の可能性もためそうとしています。冒険心や好奇心をおさえられて、頭デッカチに育てられた人間を、社会は高く評価するのでしょうか。子どもたちの未来への可能性を見とおす、広い視野にたった愛情こそ、今日の母親にとってもっとも必要なものだと思います。
(森しげる)
=写真は広島保問研乳児部提供

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『中国新聞』昭和39年(1964)年2月の連載記事から
乳児の領分 集団保育の中で㉑ 安全な遊び場
     太陽と泥の中で・・・・・・
 子どもには不潔とか危険とかどういうことかわかりません。まわりのものはすべて好奇心の対象であり、ある場合には口に入れたりして、その存在をたしかめます。ですから、アブナイとかキタナイというコトバばかり連発して、子どもの活動を禁止することは、のびようとする心をゆがめることになりかねません。
「子どもの生活は太陽と泥の生活である」といった人があります。ところが現在の子どもには太陽と泥の生活はだんだん縁遠いものになりつつあります。都会においてはとくにそうです。外の世界は危険に満ちています。子どもの死因はいつも不慮の事故がトップです。一歳以後の子どもでは、水死、自動車事故、その他の交通事故が死因のベストスリー。これでは子どもを家の中にしばりつけることになります。その家たるや、現在の住宅事情では二間あればいいほう。庭などは望むべくもありません。庭のない家庭論をいくら論じても子どもは幸福になれません。
 児童福祉法には児童遊園というけっこうな規定があっても、全国にたった九百六十三。広島市では二カ所。遊びの指導をする児童厚生員は名目だけ、せめて公園でもあればと思うのですが・・。アメリカのワシントンでは公園緑地が平均一人あたり四五平方㍍。ロンドン、パリ、ニューヨークでも十平方㍍。ところが東京は0・八、その他の都市平均でも二・九というおそまつさ。おまけに〝ユウカイマ〟が待っています。
 せめて保育園の中だけでも、明るい太陽のもとで泥んこ遊びを保証してやりたいものです。人づくりはまず、子どものための遊び場づくりから始めましょう。
(森しげる)=写真は広島保問研乳児部提供
 
 

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乳児の領分 集団保育の中で㉒最終回 (『中国新聞』昭和40(1964)年2月連載)
未来に向かって飛べ
ママからはなれて
 子どもは母親のもとで育てられるのがいちばん幸福。三歳以下の子どもを集団にいれるなんてむちゃだ。働く母親は家庭に帰るべし、という意見がだいぶ強いようです。しかし、そういった母親の愛情のもとで育ったはずの子どもが、厚生省の実施する三歳児の一斉検診で神経症だと判定されたりしています。〝頭でっかちの、自分のことしか考えない、こましゃくれたオリコウチャン〟が、どうも大部分の母親たちの理想像になっているような気がします。
 現代の良妻賢母とおもわれる人たちが、軽べつしあわれむ乳児保育所のようすを、三週間にわたってみてきました。家庭にまさるものはないといわれますが、そこには家庭ではできない教育が可能なようです。同年齢の仲間と客観的な立場にたった専門の保育者─これこそ家庭にない教育の条件です。乳児であってもほかの子といっしょに生活することによって、ひとりでものを考えることのできる独立心のある人間、規律をまもり仲間と協力していける人間、ゆたかな人間的感情をそなえた人間へと成長していけるのです。そこでは生活に即した正しい教育がなされます。
 乳児の集団保育が現在問題にされるとすれば、それがいいか悪いかではなくて、設備や保育者といったカネで解決できる範囲の問題です。集団保育の可否という原則の問題を、政治の問題とすりかえるべきではないと思います。保育者は貧乏人を助ける子もり業とはちがいます。幸福な未来の社会をきづく子どもを教育する場所です。子どもは親の愛がん動物であったり、型にはめこまれる私有物ではないはずです。
 きょうも幼稚園の送迎バスが、親の期待につぶされそうになって走っていきます。これが子どものしあわせかどうかじっくり考えてみる必要がありそうです。(おわり)
(森しげる)=写真は広島保問研乳児部提供
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2022年、本との出会いに期待する年。2021年の一冊は、『苦海浄土』でした。

2022-01-02 09:08:18 | 書評

 2022年、新たな出会いと共に、ポスト・コロナの時代に、精一杯生きたいです。

 新たな出会い、ひととの出会いが楽しい。

 その次に楽しい出会いは、本。

 2021年の本との出会いも楽しかったです。
 多読ではないけれど、心に残った本です。

  1月 『13歳からのアート思考』 
  2月 『学問からの手紙』『善の研究』 
  3月 『LGBTを読みとく クィア・スタディース入門』『善とは何か』
  4月 『火の鳥・鳳凰編』 
  5月 『スマホ脳』 
  6月 『手の倫理』 
  7月 『大人問題』 
  8月 『コンビニ人間』  
  9月 『悲しみの秘義』 
 10月 『ケーキの切れない非行少年たち』 
 11月 『テロリストのパラソル』 
 12月 『苦海浄土』『水俣病は終わっていない』

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新春のご挨拶 ~教育・保育/経済活動と感染対策の両立は可能です。ポスト・コロナの時代へ~

2022-01-01 07:43:20 | 日程、行事のお知らせ

ご挨拶 ~教育・保育/経済活動と感染対策の両立は可能です。ポスト・コロナの時代へ~

 コロナに対し、予防や治療が可能になってきました。PCR検査で早期発見し、酸素投与などできる施設での療養も即座にできる体制に。自宅療養となっても、開業医が内服薬処方やカクテル療法に往診する仕組みも中央区で構築されつつあります。ワクチン接種の予約も、ネットでできるようになり(ネットが難しい方には、コールセンターで対応)、昨年のような予約時の混乱がないように準備されつつあります。

 オリンピック(7/23~8/8)・パラリンピック(8/24~9/5)も無事終了しました。各幼稚園・小中学校では、メイン交流国との『一校一国運動』が展開されてきました。これからもレガシーとして続けていく学校もあるようです。ぜひ、引き続き国際交流に生かしていきましょう(表1)。

表1、


 さて、中央区政は、2017(平成29)年『新基本構想』策定から始まり、さまざまな計画の策定がなされています(表2、参照)。昨年2月に改訂された『情報化基本方針』に則り、昨年10月には押印廃止、来年2月には中央区ホームページの全面リニューアルなど進められています。昨年9月発足したデジタル庁と軌を一にして、デジタル化の更なる推進に期待を致します。

表2、

 本年3月策定に向け、『総合交通計画2022』、『国土強靭化地域計画』の二つの重要な計画について、現在パブリックコメントが実施されています(〆切1月11日)。多くのご意見を中央区へお届け願います。

 
 本年も、区民福祉の向上を目指しつつ、

一、子ども達が、一生懸命に勉強できること

一、子育て・介護・病気があったとしても、学びや仕事との両立ができること

一、住み慣れたご自宅で、安心して生を全うすることが望めばできること


 これらのことが、たとえコロナ禍でも、当たり前にかなう環境整備を政策の中心軸に私は据えて参ります。これからも、どのような小さなことでも、お気軽に区政相談をお持ち下さい。どうか、ひとりで抱え込まないで下さい。

 本年も、すべての区民の皆様が健康で充実した一年となりますことを、心からお祈り申し上げます。

2022年新春 

中央区議会議員、小児科医師 小坂和輝

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2022年、ポスト・コロナに向け中央区政の最重要な12課題(順不同)

2022-01-01 07:43:00 | 公約2019





●1、企画:本庁舎の建替えの時期、10〜20年後か。

 本庁舎の改築や移転整備には、費用が250億円〜350億円(区の財政規模の1/4〜1/3)と見積もられ(表1)、コロナ後の緊縮財政下、その時期をいつにするかは最大の論点の一つです。

 現段階では、本庁舎の地下にあった京橋図書館が、「本の森ちゅうおう」として移転整備され、空いたスペースには、福祉保健部の相談機能の移転と保管庫ができます。この地下の改修に当たっては、キッズスペースやお子様をお預かりするスペースを設けるなどして、お子様連れでも来庁しやすい環境整備に期待します。デジタル化推進のため、この機に情報システム課を新富分庁舎から本庁舎にもどすべきです。

 昨年2月実施の「オフィス環境調査」(表2)によると職員一人当たりの保管文書量が積み上げると約7mであり、職員が狭いスペースでの作業によって作業効率が低下していることが指摘。一方、同図書館移転部分で新たなスペースが生まれることや、デジタル化の進捗により文書保管スペースが減ることで、スペースの問題が一時的にではあるが解消されます。『公共施設個別施設計画』の資料(表3)からは、現行のままで本庁舎を維持した場合に、今後必要となる大きな費用は、今から24年先の2046年における18億円とのことです。従って、本庁舎整備は、直近ではないが10〜20年先に必要となることを念頭に進める必要がありそうです。今後出される、『公共施設等総合管理方針』改訂における本庁舎建替え時期の分析にも注目です。

本庁舎整備:https://www.city.chuo.lg.jp/kusei/kobetsukeikaku/sonota/hontyousyaseibi.html

【表1】
https://www.city.chuo.lg.jp/kusei/kobetsukeikaku/sonota/hontyousyaseibi.files/1shiryo_4kai.pdf



【表2】


【表3】





●2、教育:コロナ禍のストレスから、子ども達を守る。不登校に起立性調節障害の鑑別を。

 国立成育医療センターを中心とした「コロナ×こども本部」研究グループにより、子ども達へ6度に渡り実施されたアンケート調査結果からは、「子ども達の4割でスクリーンタイムが増加」し、「ストレス反応を抱える児が7割」、「中等度以上のうつ症状が、小学校高学年で15%、中学生の24%、高校生の30%に見られた」といいます。また、報道にもあるように、児童生徒の自殺者数も一昨年8月が64人と前年同月の2倍になるなど増加が明らかです。コロナ禍は、子ども達の心に深刻な影響を及ぼしています。

 区の調査でも、「学校に通うことが楽しい」と答える割合が大きく低下したり、不登校の児童・生徒も昨年度小学生が51名で例年の約2倍、中学生が73名と例年より約10名増加しています(表4)。

 適応教室「わくわく21」では、タブレット端末等を用い、家から出られない子も含め不登校の児童・生徒に学びの場を提供下さっています。日本小児心身医学会が推奨する「QTA30」のようなストレス評価を導入し、子どもの心身の健康度を簡便に評価し、ストレスを抱える子をスクールカウンセラーや医師に早期につなげる必要性を考えます。さらに、不登校には、コロナ禍、休校のために家でじっとしてすごすことで、自律神経機能が脆弱化し、「起立性調節障害」という疾患を発症している場合もあります。この場合も早期に医師と繋がることが重要です。


【表4】


●3、教育: 昨年4月から学校で一人一台タブレット。一斉休校下でも学び継続可能に!

 GIGAスクール構想として、昨年4月から児童・生徒に一人一台タブレットが行き渡りました。学校は防災拠点でもあり通信環境の整備(通信速度を100ギガ・bpsへ)が更になされることを期待します。『同時双方向型授業配信』を出席扱いとすることは文科省も認めており、感染拡大時に登校自粛の子や病気で入院中の子(病気の長期欠席19人)とICTで学校とつないで授業を行い、すべての子ども達に、教育機会の提供ができることに期待をしています。先生方の負担軽減のためにPTA内で「学校ICT推進委員会」などを立ち上げ、ご父兄の中でICTができるかたが学校にアドバイザーとして入って行きやすくするなどして、ICT支援員(25名配置)だけではなく、ボランティアの力を積極的に活用していけないだろうか。

 タブレットで本を読むことと、紙の本を読むことでは、認知の仕方が異なることが指摘されており(『デジタルで読む脳×紙の本で読む脳』)、デジタル媒体と紙媒体の両者をうまく子ども達が使い分けられるように(“バイリテラシー”)大人は見守る必要があります。


●4、教育:東京2020大会、『一校一国運動』から国際交流をレガシーへ

 東京2020大会は無事成し遂げられました。今までも幼稚園・小中学校で、『一校一国運動』がなされてきましたが、これからもレガシーとして、国際交流が続けられていきます。私も、積極的に国際交流の機会を探し、つなげて行きたいと考えています。現在、カンボジア、ベトナム、ミャンマー、シリア、エルサルバドルなどつてがありそうです。お声がけ下さい。上述のGIGAスクール構想で、世界中と容易く繋がることができるようになりましたので、オンラインを積極的に活用して交流をして参りましょう。


●5、教育:「本の森ちゅうおう」本年12月オープン。契機に『生涯教育推進計画』策定を

 中央図書館の位置づけであった京橋図書館が、八丁堀に「本の森ちゅうおう」として移転整備され、いよいよ本年12月にオープンします。区民らで構成する「図書館協議会」を設置し、図書館運営に区民の声を反映しやすくする仕組みも導入できればよいと考えます。

 この機に、『生涯教育推進計画』を新規策定し、生涯教育の方向性を示し、「本の森ちゅうおう」の運営方針にも生かすべきであると考えます。学びこそ、大きな生きる喜びの一つではないでしょうか。

 また、京橋図書館の地域資料・郷土資料も生涯教育の重要な素材です。たとえ、「指定管理者制度」(株式会社図書館流通センター)を導入したとしても、地域資料・郷土資料は区が責任を持って管理・保管する約束です。郷土資料はすべてデジタル化できているとのことですが、目録をきちんと整備し管理することを求めます。地域資料室では、中央区の関連情報が掲載された新聞記事を手作業で切り抜きし保管しています。これもまた、重要な財産ですが、区は保管を中止するとしています。きちんと管理・保管するとともに、これからも作業を継続すべきです。


●6、区民参画:『男女共同参画行動計画2023』の策定準備

 『男女共同参画行動計画』の令和4年度の改訂に向け議論がされています。各種審議会の委員構成を均等にし、多様な意見が施策に反映されるようにすることや、改正育児・介護休業法で「産後パパ育休制度」や「育児休業分割」など本年10月から施行されることにあわせ、ワーク・ライフ・バランスを達成できる環境整備をさらに後押しできる計画となることを望みます。区職員は、育休100%取得を目指しませんか。


●7、子育て・福祉:なんでも相談できる総合窓口を身近な地域に開設

 『保健医療福祉計画』の基本理念は、「みんなが支えあい、自分らしく暮らせるまち・中央区」。身近な地域で相談を包括的に受け止める拠点づくりを進めるとしています。2018年4月の社会福祉法改正にいち早く呼応した取組みです。「8050問題」、老々介護、ヤングケアラー、認知症(3115人介護認定)、自殺(24人)予防、児童虐待(315件)、障がいのある方の就労支援や「親亡き後の支援」など難しい福祉の課題へのアプローチが迅速適切になされることを望みます。特にコロナ禍、自殺が増えており、あらゆる手段を講じることが急がれます。基本的なこととして、民生・児童委員のなり手のいない地域が特に月島・晴海等で存在しています。早急に人材が発掘されるように願っています。


●8、子育て・福祉:令和6年保健所等複合施設内に総合的な子育て支援ネットワーク整備

 郷土天文館が「本の森ちゅうおう」へ移転することでできた空きスペースを利用することで、子ども家庭支援センターの相談機能が保健所等複合施設に移動し、再編整備が行われます。同センターを中心に、一人の子どもを支えるネットワークが強化されます。「成育基本法」にも謳われる「子育て世代包括支援センター」として機能することに期待を致します。「副籍制度」を用いた授業参加も同ネットワークで支援いただきたいと考えます。施設内の区立明石保育園では、医療的ケア児を受け入れが可能な整備をします。


●9、デジタル化:中央区ホームページの全面リニューアル、来年2月。

 ネット上の中央区役所ともいうべき、区のホームページが全面リニューアルされます。使いやすいものとなるように区にご意見・ご要望を届けて下さい。子育て世帯バージョン、ご高齢者バージョン、一般区民バージョンなど画面表示を各ニーズに合わせ切り替られるようにするのもよいかもしれません。


●10、教育:不登校・在宅学習の子ども達ひとりひとりの充実した時間。いじめ対応。

 不登校含め長期欠席者小中200人(表4)。『教育振興基本計画』では、「不登校未然防止に向けた一人一人のアセスメントの推進」が取組として挙げられています。どうか、不登校・在宅学習の子ども達によりそったアセスメントをし、一人一人がたとえ学校に行けていなくとも、充実した時間が送られているのかどうか、丁寧な分析と対応に期待します。在宅学習支援にICTも積極活用を。いじめ小中150件(表5)。チームでの取り組みによる早期発見・早期対応を。不登校やいじめに関するご相談を一緒に考えて参ります。

【表5】

●11、まちづくり:『総合交通計画2022』3月に策定。パブリックコメントを1/11までに。

 重要な計画である『総合交通計画2022』の策定作業中です。区内のありとあらゆる交通に関する計画で、地下鉄新線構想、BRT、自転車、コミュニティバス、舟運、歩行空間など記載されています。ご意見を。

パブリックコメント:https://www.city.chuo.lg.jp/kusei/paburikku/R3Pub.html



●12、まちづくり:アフターコロナのまちづくり、“過度な”密を避けるべく方針転換を

 コロナ禍、オフィルビルの需要の減少、人口の流出・減少などを前提に、国交省は、2020年10月に『国土の長期展望』中間とりまとめを出し、「基本的な考え方」に、「過度な「密」を避ける」ことが織り込まれました。本区も「集積の綻び」との見解。町目ごとの人口密度、一人当たりの公園面積、児童一人当たりの校庭面積など評価の上で過度な密を避けていく方針転換が求められています。特に、月島第三小では、一人当たりの校庭面積が狭い。目の前の晴海二丁目の都有地を同校の校庭として活用できるよう都と交渉すべき。月島第一小の校庭もまた狭く、増築をする余地はないため、教室数の大幅な不足を招いてしまう月島三丁目南地区(723戸)及び同北地区(1384戸)の大規模再開発は論外で、規模の大幅な縮小が必須。経済合理性の追求をするだけでなく、大人の責任を果たすべき。

月島地区:月島三丁目南地区及び同北地区では、計画が進んだ場合、大規模再開発工事が同時期に月島三丁目に集中。狭い路地に工事車両が行き交うことになるため、工事に伴う交通量・騒音・振動・粉じん・排気ガスなどの影響を「事前評価」し、その影響を最小限に抑えるべく調整が必要。その調整結果がまだ示されていません。わたし児童遊園(子どもの遊び場、ラジオ体操会場、隅田川への通り抜け通路、お盆の祭礼の場)の代替地の件もまだ示されません。月島三丁目南地区では、自らが知らされずに進められた再開発計画には参加できないとして、自分の土地や建物を、施行区域からはずしてもらう旨の施行区域の変更を住民側が求めています。知恵を絞り、誰ひとりとして悔いのないまちづくりを行いましょう。




晴海地区:「HARUMI FLAG」の2024年の入居開始に向け、晴海西小・中学校や晴海出張所等複合施設を整備開始。「晴海コミュニティ構想検討会議」に「HARUMI FLAG」の住民となるかたにも公募で委員としての参加を 募っては。さらには、つくばエクスプレス延伸の地下鉄新線構想を契機に、「研究学園都市」つくば市や中央区と同様に人口増加をしている流山市と、都市間連携協定を結ぶことが、機運醸成に繋がると考えます。学童など子どもの居場所機能の拡充に向けた「ほっとプラザはるみ」のリニューアル、晴海客船ターミナル存続、都立晴海ふ頭公園の早期開放、水素エネルギー・タウンの安全性・効率性なども重要。晴海東小学校の開設は未定ですが、その用地は取得済みです。整備までは、晴海四丁目認定こども園の園児らも使える芝生の園庭などでの開放をお願いしたいところです。

築地地区:築地市場跡地開発において、都は、「国際会議場」を整備する方針。海からのファザードをぜひ、シドニーのオペラハウスのようなシンボリックなものとし、景観面でも整備を。「築地場外市場等の交通基盤に関する検討会」を秘密会とする区の姿勢には甚だ疑問。業者に「一括売却」しないのは当然、2017年6月の都知事提言「築地は守る、豊洲を活かす」の実現に向け、広く区民の意見を集約し、築地市場跡地がどうあるべきか、都に引き続き提案を。ヘリポートが新設されるとのことであるが(図1)、平時にまで運行されては、騒音により超高層に住まわれている方々はじめ区民の生活の平穏が脅かされることとなります。災害時のみの使用である確約を都に強く求めるべき。

https://www.city.chuo.lg.jp/kankyo/keikaku/tsukiji_kangaekata.files/tsukiji_kangaekata.pdf

【図1】

  • 2021年からの引き続きの課題:

    ①『子ども発達支援センターゆりのき』発行の『育ちのサポートカルテ』活用(サポートカルテ所持者153人)による発達障害等支援の横の連携強化、

    ②昨年9月医療的ケア児支援法施行。『医療的ケア児等支援連携部会』及び「医療的ケア児就学コーディネーター」を中心に医療的ケア児(18歳未満28人)の保育・就学支援、

    ③「(タワー)マンション型地域包括ケアシステム」構築及びオートロック問題解消、

    ④生徒会等でネット利用の学校ルールを子ども達自らで策定を、

    ⑤特別支援学級の日本橋地域及び晴海五丁目新設小中学校(2024年開設)での設置、

    ⑥がんや難病の方の就労支援する「両立支援コーディネーター」の配置を、

    ⑦がん治療後に免疫力低下した子へのワクチン再接種費助成開始の周知拡大、

    ⑧病児・病後児保育のネット予約システムの導入、

    ⑨「成育基本法」活用、

    ⑩児童相談所の開設準備、

    ⑪災害時要配慮者お一人お一人の『個別避難計画』策定、

    ⑫まちづくりにおけるコーポラティブ方式の共同建替えの導入、 


    以上

 

あとがき:子ども達への健康についての学びの場の提供に向け、大学の研究者や専門家の方々とゆるく繋がりながら「子どもカフェ」という情報発信を月に一回程度ZOOM上で作っています(無料)。ブログ等でお知らせしていますので、お気軽にご参加下さい。ポスト・コロナのまちづくりの方向性については、ルイス・マンフォード『都市の文化』(1938年)に手掛かりがないかと探求中です。年末年始、石牟礼道子さんの『苦海浄土』(1969年)に感銘を受けています。子どもの声の代弁者のひとりとして、本年も、言うべきことを言う覚悟で臨む所存です。ご指導ご鞭撻のほど、どうかよろしくお願い申し上げます。

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新年、あけましておめでとうございます。

2022-01-01 00:00:01 | こども達へのメッセージ

新年、あけましておめでとうございます。


旧年中は格別のご厚情を賜り厚く御礼申し上げます。

昨年は、東京五輪をきっかけに、近所のかたと近くの公園で朝のラジオ体操を始めました。「早起きは三文の徳」と信じ、この冬も続けています。「整理整頓」と文字の下手さを直すべく「書写」との二つの苦手の克服に目下挑戦中。昨年偶然手にした『苦海浄土』に強く感銘を受け、水俣病についての捉えなおしを真剣にせねばならないとも思っています。

コロナ対応で二年続けて、元日より診療を開始しました。今年こそは、コロナの克服を願っています。コロナが気づかせてくれたことや前進させてくれたことを、コロナの終息後も元に戻すことなく、続けられるようにしたいです。まさに、超過密のまちづくりもこの機に方向転換しましょう。リアルとオンラインの両方を活かした交流や学びも引き続きやって参りましょう。

本年も倍旧のご愛顧のほどお願い申し上げます。

令和四年 元旦

小児科医師
小坂 和輝

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