岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

『百年の居場所―ハンセン病療養所』 著者 太田順一

2008-08-18 20:38:46 | ハンセン病
解放出版社 2002年 前作『隔離の90年』から、3年が経った。 著者を再び全国の療養所に向かわせた思いは何だったのか。 第一部  風景 第二部  遺された物 第三部  部屋  この写真集には誰も登場しない。短いながら挿入されている文章以外には。 この短い文章にも心動かされる。 第一部の文章はこのように始まる。  「ハンセン病療養所は離島や山などの辺鄙な場所にある。 隔離を目的に設けられたのだ . . . 本文を読む

北京五輪 女子マラソンを観る。

2008-08-17 11:40:08 | オリンピック、パラリンピック
思い通りの展開ができなかった日本女子だったが、これが今の状況である。ベストのコンディションでなければたたかえないのが、五輪や世界選手権である。それはラドクリフほどの選手にも当てはまる。優勝はルーマニアにタメスク選手。18kmからの独走は勇気と自信の証しである。勝者として必要な資質が、この北京で開花したのだ。今大会もマラソンの厳しさを再確認することとなった。その一助になったのは、実況解説を担った有森 . . . 本文を読む

『隔離の90年―ハンセン病療養所』 写真 太田順一

2008-08-17 05:57:36 | ハンセン病
全国ハンセン病療養所入所者協議会編 解放出版社 1999年 この写真集を編集している全国ハンセン病療養所入所者協議会(全療協)は、 1951年1月、全国国立ハンセン病療養所入所者自治会によって組織される。 ハンセン病に対する社会の偏見をなくし、入所者の基本的人権の擁護、 入所者の療養権の確立と生活、文化の向上をはかることを目的に活動。 1999年現在の会員数4783名。全療協は、組織結成50周年を . . . 本文を読む

【南米】社会運動、非正規労働者が主役に。

2008-08-16 14:50:19 | 世界のなかま
朝日新聞8月16日朝刊 龍谷大学の廣瀬純先生の「異見新言」欄記事の見出しに惹きつけられた。 リードは、「格差社会の絶望の中から立ち上がる運動が、若い人を中心に目立つようになった....」。 (そうなのか。非正規労働とはマイナスばかりではないのか) 廣瀬先生は、新たな「主役」である非正規労働者の登場と社会運動の再生が、 南米では10年前に経験されていたという。 「例えば、メキシコの先住民運動、ブラ . . . 本文を読む

幻想庭園です。

2008-08-15 21:36:02 | 岡山
7月末から8月一杯、後楽園では宵の時間、ライトアップをしてます。 多くの人が涼を求めて、やってきます。イベントも盛りだくさんです。 後楽園は、岡山藩池田家二代藩主池田綱政の名によって1700年(元禄13年)に完成しました。 広い芝生地が特徴の江戸時代を代表する回遊式の大名庭園です。 ※入園券より引用。 池の水は旭川から引いています。池の深さは20~30cmしかありません。 作業する人が、池の中の . . . 本文を読む

『病癒えてもー寺島萬里子写真集』

2008-08-13 06:00:41 | ハンセン病
皓星社ブックレット13 2001年出版 群馬県栗生楽泉園で1996年から4年に渡って取材をした写真集です。 寺島さんは1926年生まれの元医師です。異色の写真家といっていいでしょう。 撮影後記に書かれている言葉をいくつか引用させていただきます。 「15歳ころ医師になろうと思ったきっかけの一つに、北條民雄などハンセン病者の 文学や小川正子の「小島の春」があり、この病者のために尽くしたいというひそ . . . 本文を読む

北島選手の100m平泳ぎ優勝を考えてみる。

2008-08-12 20:20:13 | オリンピック、パラリンピック
すごいことを成し遂げた人ですね。新聞やテレビで細かく分析しているので、私が今さら書くこともないのですが、準決勝が2位通過に終わり、トップとのタイム差が0.3秒あった時のことについて、少し考えてみましょう。準決勝のレースを見て、北島が準決勝のレースに賭けた意味を考えました。前半はトップ通過でした。後半は水かきと心が空回りしてタイムが落ちました。レース後、彼は大きな深呼吸をしました。きついレースを隠す . . . 本文を読む

アイヌの生活実態把握へ=有識者懇が初会合

2008-08-11 20:18:12 | 北海道とアイヌ
8月11日19時55分配信 時事通信 アイヌ民族の権利回復や地位向上について審議する政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」 (座長・佐藤幸治京大名誉教授)の初会合が11日後午後、首相官邸で開かれた。 会合では、来年夏ごろのアイヌ政策に関する提言取りまとめに向け、北海道の現地視察を通じて アイヌの生活実態を把握することや、他国の少数民族政策を調査することを決めた. ※何気ない記事だが、 . . . 本文を読む

『孤高の桜ーハンセン病を生きた人たち』 井上佳子著

2008-08-10 21:44:18 | ハンセン病
「ハンセン病」を学ぶ道筋を思案している。 「検証会議」を読みながらも、この本に入る前に読んでおかなくてならない本が あるのではないかと思っていた。 ひとつは、各療養所の写真集である。 岡山の療養所は訪問することができるが、他の療養所は見当もつかない。 見当がつかないでは、話にならない。 歴史的な写真もみておく必要がある。 療養所のように隔離された施設は、想像することができないのだ。 想像するた . . . 本文を読む

五輪開催に価値があった時代は終わった。残念ながら。

2008-08-10 09:47:46 | 世界のなかま
7月に行われたサミットをみて、「サミット」賞味期限切れました! とまとめたけれど、五輪も同様だと思わざるをえない。 五輪を国威掲揚の場にすればするほど、国威失墜の場にしようとする力が働く。 中国のような大国では、問題が噴出しやすい。 当然である。一つの国として治めること自体が矛盾なのである。 one chinaは、国家にとって至上命令だが、それはとても困難な命令なのだ。 いきおい強権が必要になる . . . 本文を読む

日曜の書評

2008-08-10 09:09:02 | 
日曜の朝の楽しみに書評読みがある。 週によって、興味の差はあるけれど、今朝の朝日新聞は興味深かい本が並んだ。 読みたい本がいくつもある。タイトルの見出しだけ紹介しよう。 『決壊』 平野啓一郎 「自由な語りで無差別殺人を思想劇に」 『壊れゆくアメリカ』 ジェイン・ジェコブス 「集団的記憶喪失が文明の暗黒へと」 『日本人のリテラシー1600から1900年』リチャード・ルビンジャー 「格差生む読み . . . 本文を読む

実感。勝ちきることの困難さ。谷亮子選手。

2008-08-09 21:55:00 | オリンピック、パラリンピック
うーん。谷選手の試合を1回戦から観た。4年に一度。数時間(試合時間は合計30分足らず)で5試合をこなす。そして、様々な相手に対峙して様々な困難を乗り越えなくてはならない。谷選手の敗退は、指導1回で決まった。攻め続けなくては勝てないのではなく、指導がくる。迂闊に攻めれば、間違いなくかえされる。攻めながら守る。そのバランスが少しでも狂うと指導がくる。これは試合ではないと思う。勝負かどうかもわからない。 . . . 本文を読む

実家の2階は常時35度。

2008-08-09 21:38:18 | 岡山
この4月から実家に単身赴任している岩清水の居室は、実家の2階。 西側の部屋だから、暑いのなんの。 昼間は常時35度。夜でも30度以上。 昼間はクーラーも効きません。 木造の2階がこんなに暑いとは。 40年前はもっと涼しかったようなのに。 実は実家周りの環境が、信じられないほど変わっている。 私がいたころは、田圃の中に立っていた。 緑に囲まれていた。カエルの合唱がすごかった。 田圃は住宅と駐車場に . . . 本文を読む

オリンピック開幕式

2008-08-08 23:00:33 | オリンピック、パラリンピック
開会式の演出はチャン・イー・モー監督。2年半をかけた大作だ。どうして映画監督がこのようなスケールの素晴らしいスペクタクルを創造できたのか。才能は別なのではないかと思ったが、チャン監督は、このようなスペクタクルの実績があった。インターネットで監督を検索すると、桂林の風景を背景に人と光のスペクタクルを演出している。この経験が基盤になっていることは間違いない。そうでなければ、開会式のような大人数を使った . . . 本文を読む