快晴ですが、だんだん寒くなってきています。自転車でどこかへ行けるのもそろそろ最後が近づいているかも知れません。
【北大公開講座を聴講する】
今日と明日は、北大の公開講座を聴講します。
この公開講座のタイトルは「地域づくりの”法則”を探る~観光創造の理論と実践」というもの。
先々週の土曜日の新聞に、「聴講生を先着順に60名」という記事が出たのですが、週明け月曜日の昼にはもう応募者多数によって締め切られたとか。
実は北大では来年4月から大学院として「北海道大学大学院 国際広報メディア・観光学院(国際広報メディア研究科を改称) 観光創造専攻」を新設することで文科省に対して認可申請をしていたのですが、それが9月末には認められて話題となっているのです。
この新しい大学院の目的は、持続可能な「文化としての観光」の可能性を模索・発展させるため、「観光」という行為・現象を科学的に解明し、地域独自の自律的観光を担う人材、観光を通じての国際協力に貢献する人材を育成すること、とされていて、地域に実践として役立つ大学としての期待も大きく高まっています。
今年の4月からは、その先駆けとして観光学高等研究センターをつくり、そこに国立民族博物館で観光学をいち早く提唱されて活躍されていた石森秀三教授をお招きして地ならしをしていたところです。
今回の公開講座は経済産業省からの委託事業で、「集客と交流・経営人材の育成」に寄与する講座を作るという切り口でお金が出ているものだそうです。
公開講座は二日間で1時間の講義が10コマ用意されています。講師陣は観光学の草分けである石森先生、北大の
しかしお金の出所はどこにせよ、今北海道で観光に関してこれだけの話が聞けると言うことに対しての期待がいかに大きいか、ということでしょう。
* * * *
講師の中では、開講の挨拶と1コマ目の「観光創造の序章」を講義してくださった石森先生のお話が聴く者を圧倒していました。
石森先生が20年前に観光人類学などと言い出した頃は回りから「そんなもの学問ではない」とか「観光なんかやったって食えないよ」と言う反応が一般的だったそうです。「それが今や小泉政権下での観光立国宣言の序章の起草委員ですよ。隔世の感がありますなあ…」と先生は感慨深げです。
石森先生は1860年代以降、ほぼ50年に一度のタイミングで観光革命が起きているのだ、と言います。
つまり
1860年代 第一次観光革命:ヨーロッパの富裕(有閑階級)
1910年代 第二次観光革命:米国の中産階級
1960年代 第三次観光革命:(日本を含む)北の先進諸国
2010年代?第四次観光革命:アジアにおける観光ビッグバン
という歴史の循環を見ているのです。
「日本も少子高齢化で地域の人口が少なくなっています。人口が少なくなると当然経済は沈滞化するんです。定住人口の減少を補って何とか出来るとすれば、交流人口を増やすしか手がないではありませんか」
もう何年も言われてきた議論ですが、理論は先行していても、誰が交流してくれるのかというベース人口の環境が整っていませんでした。いまそれが東アジアを中心とする巨大な人口が動く時代になったと言うことです。
先生は「BRICs」の時代の到来を予測しています。Bはブラジル、Rはロシア、Iはインド、Cは中国、そして「sは昔は複数形のs、今は南アフリカを指すようになりました。これらに共通しているのは資源大国ということ。これらが経済を伸ばして世界中を遊び回る時代がくる」というのです。なるほど。
* * * *
「文明の磁力」と先生はおっしゃいます。
「文明のシステムとは、装置系資本(社会資本)+制度系資本(文化資本)です。日本は装置系資本をたくさん作ってきたけれど、文化資本の意義・意味にもっと気づいてこれを大事にしなくては行けないのです」
一国の文明の魅力を支えるのは地域の磁力です。
地域の磁力=自然の美+人工の美+人情の美=地域の光・宝、なのです。
* * * *
こうした事柄を熱く語って10コマの講座が始まりました。会場は満員で熱気にあふれたものでした。
明日の講座も楽しみなのです。
【北大公開講座を聴講する】
今日と明日は、北大の公開講座を聴講します。
この公開講座のタイトルは「地域づくりの”法則”を探る~観光創造の理論と実践」というもの。
先々週の土曜日の新聞に、「聴講生を先着順に60名」という記事が出たのですが、週明け月曜日の昼にはもう応募者多数によって締め切られたとか。
実は北大では来年4月から大学院として「北海道大学大学院 国際広報メディア・観光学院(国際広報メディア研究科を改称) 観光創造専攻」を新設することで文科省に対して認可申請をしていたのですが、それが9月末には認められて話題となっているのです。
この新しい大学院の目的は、持続可能な「文化としての観光」の可能性を模索・発展させるため、「観光」という行為・現象を科学的に解明し、地域独自の自律的観光を担う人材、観光を通じての国際協力に貢献する人材を育成すること、とされていて、地域に実践として役立つ大学としての期待も大きく高まっています。
今年の4月からは、その先駆けとして観光学高等研究センターをつくり、そこに国立民族博物館で観光学をいち早く提唱されて活躍されていた石森秀三教授をお招きして地ならしをしていたところです。
今回の公開講座は経済産業省からの委託事業で、「集客と交流・経営人材の育成」に寄与する講座を作るという切り口でお金が出ているものだそうです。
公開講座は二日間で1時間の講義が10コマ用意されています。講師陣は観光学の草分けである石森先生、北大の
しかしお金の出所はどこにせよ、今北海道で観光に関してこれだけの話が聞けると言うことに対しての期待がいかに大きいか、ということでしょう。
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講師の中では、開講の挨拶と1コマ目の「観光創造の序章」を講義してくださった石森先生のお話が聴く者を圧倒していました。
石森先生が20年前に観光人類学などと言い出した頃は回りから「そんなもの学問ではない」とか「観光なんかやったって食えないよ」と言う反応が一般的だったそうです。「それが今や小泉政権下での観光立国宣言の序章の起草委員ですよ。隔世の感がありますなあ…」と先生は感慨深げです。
石森先生は1860年代以降、ほぼ50年に一度のタイミングで観光革命が起きているのだ、と言います。
つまり
1860年代 第一次観光革命:ヨーロッパの富裕(有閑階級)
1910年代 第二次観光革命:米国の中産階級
1960年代 第三次観光革命:(日本を含む)北の先進諸国
2010年代?第四次観光革命:アジアにおける観光ビッグバン
という歴史の循環を見ているのです。
「日本も少子高齢化で地域の人口が少なくなっています。人口が少なくなると当然経済は沈滞化するんです。定住人口の減少を補って何とか出来るとすれば、交流人口を増やすしか手がないではありませんか」
もう何年も言われてきた議論ですが、理論は先行していても、誰が交流してくれるのかというベース人口の環境が整っていませんでした。いまそれが東アジアを中心とする巨大な人口が動く時代になったと言うことです。
先生は「BRICs」の時代の到来を予測しています。Bはブラジル、Rはロシア、Iはインド、Cは中国、そして「sは昔は複数形のs、今は南アフリカを指すようになりました。これらに共通しているのは資源大国ということ。これらが経済を伸ばして世界中を遊び回る時代がくる」というのです。なるほど。
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「文明の磁力」と先生はおっしゃいます。
「文明のシステムとは、装置系資本(社会資本)+制度系資本(文化資本)です。日本は装置系資本をたくさん作ってきたけれど、文化資本の意義・意味にもっと気づいてこれを大事にしなくては行けないのです」
一国の文明の魅力を支えるのは地域の磁力です。
地域の磁力=自然の美+人工の美+人情の美=地域の光・宝、なのです。
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こうした事柄を熱く語って10コマの講座が始まりました。会場は満員で熱気にあふれたものでした。
明日の講座も楽しみなのです。