北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

中国での防災都市作り

2008-08-07 23:44:37 | Weblog
 職場に大学の先生から連絡があって、「中国の大学から防災公園を視察のためにお客さんが来ているので、対応してくれませんか」とのこと。

 そう言うお話なら受けないわけにはいきますまい。事業の説明と現地のご案内を企画して待ち受けます。

 訪ねてきてくださったのは中国農業大学の李教授という方。日本語がお上手なので会話には困りませんでしたが、聞けば京都大学で学位を取って、その後淡路景観園芸学校でも二年間教えていたのだそう。

「H先生ってご存じありませんか」と知人の名前を挙げてみると、「はい、良く存じています。頭の切れる方でしたね」と覚えておられました。共通の知人がいると思うと距離がぐっと近くなりますね。

  *    *    *    *    *

 今回の李先生の視察の背景は、四川省で発生した大地震を受けて、これからの都市作りにおいて防災計画を策定すべきだという気運が政府全体で高まっているということ。そのため、地震対策先進国である日本の防災都市作りに学べるものを学んでこようということで、一週間ほど日本に滞在して、新潟、山古志村(現長岡市)での復興の状況や東京での防災公園を視察していると言うことでした。

 日本の防災公園では、耐震性貯水槽や災害時トイレ、炊き出しのためのかまどベンチなどが作られますが、李先生はこれらに大変興味を示されて、「公園にこういう施設を作るべきだという説明は中国でも社会の支持を得ることでしょう」と感心されていました。

 また、中国ではこれまでの都市作りで交通計画などはあったものの、防災計画という意識が全くなかったとのことで、そういう面では日本の制度は大きく先進的であるわけです。
 先例のないことに対して手探りで解決方法を探るという努力こそ、課題解決先進国としての日本の真骨頂なのかもしれません。相互の知識の交流で中国でもよい社会づくりが進むと良いですね。

 一方、日本の場合は、私有地に家が建ってしまっている既成市街地でなかなか防災のためのオープンスペースがとれないというのが最大の悩みですが、「中国ではその問題だけはありません。土地は国有ですからね」とのこと。中国で高速道路をはじめとする社会インフラの整備スピードが速いのは、土地の取得に予算や時間がかからないのが最大の利点です。

 お互いの社会システムの違いを理解しつつ、共有できるものはもっと相互の交流が望ましいことでしょう。 
コメント
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