昨日受けた交渉学の授業からもう一つのネタを。
普段我々が誰かに何かを納得してもらう行為が「交渉」ということなのですが、しばしばそれは交渉をされる側にも立つということを意味します。お願いしたりお願いされたりということです。
そんなときに、双方がしばしば感情的になることがあります。あるいは、もともと一定の感情をもって交渉に臨むことも。そうなるともう先に答えは決まっています。「いやなものはいや!」で決まりです。理性的な対応ができなくなるからです。
「ダメなものはダメ!」そう言って選挙をした政党もありましたね。こうなると交渉で双方が利益を最大にするどころか、交渉のテーブルに着くことさえ難しくなるでしょう。
* * * * *
たとえば公共事業などにもいろいろな反対運動がありますが、運動を広めようとする人たちは世の中の反対の感情を惹起しようとして情報提供をします。「そりゃひどいじゃないか!」という世間の感情がわき上がれば成功です。冷静になるのにはしばしば時間がかかるでしょう。
逆に、「ステキ!」という感情を喚起出来れば新しいアイドルが誕生します。前回の選挙では「郵政改革、イエスかノーか!?」と問題が提起されて「イエス!大いにやれー!」「反対だ?ふざけるな」という感情が燃え上がって、小泉チルドレンが誕生し自民党が大勝しました。
私個人は郵政改革は必要だったと思っていますが、そのテーマで国民感情を盛り立てた小泉さんはやはり世論の感情コントロールが上手だったのでしょうね。
* * * * *
ちょっと話がそれましたが、ですから交渉を行う上ではこの「(自分の)感情をコントロールする」、「(相手の)感情をコントロールする」ということが交渉の現場では大変重要になります。
我々は「仕事の上で相手と交渉をするときは感情的になってはいけない」と教え込まれます。こちらが感情的になってうまく行くことはないことが分かっているからです。
しかししばしば交渉相手が感情的になっていることがあります。もう始まる前から高いハードルがあるのです。
そんな難しい交渉をうまく導くために効果的な方法の一つが、交渉のための議題をどうしようかと意見交換する『アジェンダ交渉』というものです。
そもそも議題が気に入らない、ということにならないように、お互いが重要だと思っている事柄やその優先度、さらには価値観を共有できる部分があるか、というようなことを出し合うのがこのアジェンダ交渉というわけ。
交渉をうまく進めるコツとしては、お互い同士の二者間だけではなく、双方に交渉の専門家を帯同させたり、あるいは双方が信頼できる第三者を立てて交通整理をしてもらうというような方法もあります。
落語の世界ならば夫婦喧嘩をしたときでも近くのご隠居さんや長屋の大家さんが出てきて、「まあまあ、二人とも落ち着きなさい」などととりなす場面がよくあるものです。落語にだって交渉をうまく進める知恵が散りばめられています。
そうやって、お互いに「このままではいけない」と思うようになりさえすれば、交渉のハードルは一つ越えられるのですがね。
* * * * *![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/e0/0956318bdb6b5462c841c5fc46315dc4.jpg)
交渉が始まってもなかなか進まない場合もあります。そんなときにはすぐにこちらの立場を説明したり反論するのは却って逆効果で、まず相手の言い分を聞いてそのまま繰り返すということもあるそうです。
「なるほど、○○をして欲しいということですか・・・」「××が許せないというわけですね・・・」
ときにはそうやって相手の言い分をひたすら聞いているうちに、向こうの感情がおさまってくることで自ら解決方法を発見したり、「さっきはああ言ったけど、その意味は△△ということで・・・」と発言を修正してきたりすることもあったりするそうです。
交渉も場数を踏むといろいろなことに出会うのでしょうね。
* * * * *
「交渉には感情を出さないのが鉄則」と言いましたが、実はその逆説もあって、ある程度感情を出すことも必要なのではないか、という考えもあるのだそう。
「結婚なんて、感情が入らなくて理詰めの損得だけでは絶対飛び込まない世界ですよね」とは交渉学を教えている田村先生の弁。
原則には必ず例外があるのです。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyo_oro.gif)
普段我々が誰かに何かを納得してもらう行為が「交渉」ということなのですが、しばしばそれは交渉をされる側にも立つということを意味します。お願いしたりお願いされたりということです。
そんなときに、双方がしばしば感情的になることがあります。あるいは、もともと一定の感情をもって交渉に臨むことも。そうなるともう先に答えは決まっています。「いやなものはいや!」で決まりです。理性的な対応ができなくなるからです。
「ダメなものはダメ!」そう言って選挙をした政党もありましたね。こうなると交渉で双方が利益を最大にするどころか、交渉のテーブルに着くことさえ難しくなるでしょう。
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たとえば公共事業などにもいろいろな反対運動がありますが、運動を広めようとする人たちは世の中の反対の感情を惹起しようとして情報提供をします。「そりゃひどいじゃないか!」という世間の感情がわき上がれば成功です。冷静になるのにはしばしば時間がかかるでしょう。
逆に、「ステキ!」という感情を喚起出来れば新しいアイドルが誕生します。前回の選挙では「郵政改革、イエスかノーか!?」と問題が提起されて「イエス!大いにやれー!」「反対だ?ふざけるな」という感情が燃え上がって、小泉チルドレンが誕生し自民党が大勝しました。
私個人は郵政改革は必要だったと思っていますが、そのテーマで国民感情を盛り立てた小泉さんはやはり世論の感情コントロールが上手だったのでしょうね。
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ちょっと話がそれましたが、ですから交渉を行う上ではこの「(自分の)感情をコントロールする」、「(相手の)感情をコントロールする」ということが交渉の現場では大変重要になります。
我々は「仕事の上で相手と交渉をするときは感情的になってはいけない」と教え込まれます。こちらが感情的になってうまく行くことはないことが分かっているからです。
しかししばしば交渉相手が感情的になっていることがあります。もう始まる前から高いハードルがあるのです。
そんな難しい交渉をうまく導くために効果的な方法の一つが、交渉のための議題をどうしようかと意見交換する『アジェンダ交渉』というものです。
そもそも議題が気に入らない、ということにならないように、お互いが重要だと思っている事柄やその優先度、さらには価値観を共有できる部分があるか、というようなことを出し合うのがこのアジェンダ交渉というわけ。
交渉をうまく進めるコツとしては、お互い同士の二者間だけではなく、双方に交渉の専門家を帯同させたり、あるいは双方が信頼できる第三者を立てて交通整理をしてもらうというような方法もあります。
落語の世界ならば夫婦喧嘩をしたときでも近くのご隠居さんや長屋の大家さんが出てきて、「まあまあ、二人とも落ち着きなさい」などととりなす場面がよくあるものです。落語にだって交渉をうまく進める知恵が散りばめられています。
そうやって、お互いに「このままではいけない」と思うようになりさえすれば、交渉のハードルは一つ越えられるのですがね。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/e0/0956318bdb6b5462c841c5fc46315dc4.jpg)
交渉が始まってもなかなか進まない場合もあります。そんなときにはすぐにこちらの立場を説明したり反論するのは却って逆効果で、まず相手の言い分を聞いてそのまま繰り返すということもあるそうです。
「なるほど、○○をして欲しいということですか・・・」「××が許せないというわけですね・・・」
ときにはそうやって相手の言い分をひたすら聞いているうちに、向こうの感情がおさまってくることで自ら解決方法を発見したり、「さっきはああ言ったけど、その意味は△△ということで・・・」と発言を修正してきたりすることもあったりするそうです。
交渉も場数を踏むといろいろなことに出会うのでしょうね。
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「交渉には感情を出さないのが鉄則」と言いましたが、実はその逆説もあって、ある程度感情を出すことも必要なのではないか、という考えもあるのだそう。
「結婚なんて、感情が入らなくて理詰めの損得だけでは絶対飛び込まない世界ですよね」とは交渉学を教えている田村先生の弁。
原則には必ず例外があるのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyo_oro.gif)