北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

サービサイジング…?

2008-08-28 23:47:51 | Weblog
 「サービサイジング」という単語をご存知でしょうか。

 サービス(=Service)に、「・・・化する」という意味の”ize”をつけたもので、Servicizingと書きます。日本語に訳せば「サービス化する」ということになります。では何をサービス化するのでしょうか。ここでは「所有をサービス化すること」という意味で使われています。最近注目されつつあるライフスタイルです。

 我々はなにか新しい便利や喜びを得ようと思うと、それをもたらしてくれるモノを持つことでそれを実現してきました。

 洗濯を簡単にしようと思って電気洗濯機を買いました。
 いつでもどこかに出かけられるようになるために自動車を買いました。

 音楽を楽しもうと思ってCDを買いました。
 家には照明を買ってつけてあります。便利な暮らしをしようと思えばモノを持たなくてはなりません・・・でした。

 しかしよく考えると、これらの便利な生活のためには本当にモノを持たなくてはならないかというと、洗濯機がなくても洗濯ができればよい、車を持たなくてもいつでも安く車が使えればよい、本屋さんに行かなくても楽譜が手に入ればよい、照明だって自分のものでなくても良い・・・と考えれば、全く違った生活スタイルが展開されます。

 洗濯だったらコインランドリーもありますが、家に置いておくのでも誰かから借りておけばよい。自動車もいつも使わないのなら、何人かで数台を所有して使える状態になっていればよい。
 音楽はネットでダウンロードできるようになりました。

 おかげでCO2の排出も削減できるようになり、こうした所有からサービスの享受へという流れの中で特に環境に効果があるものをグリーン・サービサイジングということもあります。

   *   *   *   *   *

 モノを所有すると、税金がかかったり壊れたら修繕したり、古くなったら廃棄処分をしなくてはなりません。そうしたことが手間や負担だと思って一定の負担を我慢できるようだったら、そこにビジネスのチャンスがあります。

 洗濯機は業者さんの所有ということにして、我が家で借りて使った分だけお金を払うということにします。
 自動車も家から少し離れたところに駐車場があって、あらかじめの利用者登録と使いたいときに事前予約をして、使うときは1時間○○円を支払うようにすれば、家に車庫も要らないしあまり乗らないのに高い税金や保険料を払う必要もありません。音楽はネット配信でCDを自動車で輸送する必要がなくなりました。

 面白いのは照明のサービスです。古い工場や建物にはいまだに電球など効率の悪い照明施設がそのまま使われているところがあります。これを電気設備会社が新たな照明設備を自らの負担で持ち込んで、電気使用効率の高い照明設備に変えてしまいます。
 当然電気代が安くなりますが、その安くなった分を工場の持ち主と電気設備会社でお互いに折半しようというEXCOというビジネスが成立しています。事業者も電気代が安くなっておまけに電気設備が新しくなり省エネになり、そのうえで電気設備会社もビジネスになるのですから、まさに「三法良し」というわけです。

 いろいろな中古市場も少しずつ成立してきました。古本や中古車は昔からありますが、最近では衣服の中古市場や厨房施設の中古市場なども立派なビジネスになりつつあります。

 自分にとってはもうあまり価値を感じないものでも、他の人ならもっと価値を感じるということもあるでしょう。それを市場が仲介できればビジネスになるというわけです。

 使うときだけ借りればよい、というドライな考えに対して、まだまだ日本人は所有欲が強いといわれます。やっぱり自分のものを使いたい、という素朴な感情です。

 しかし持っていたいという思いが、家の中でもうあまり使わなくなったものにか困られる生活をもたらしているかと思うと、ここはすっきりと割り切るライフスタイルもありかもしれません。

 さて、サービサイジングという言葉は流行るでしょうか?
 
 
コメント
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