北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

グーグルストリートビューの波紋

2008-08-16 23:25:57 | Weblog
 夜になってから気温がぐっと下がりました。少し寒いくらいですが、ちょっとほっとします。

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 世界中の情報を統合するという野望をもって日々新しいサービスを展開するグーグルが、グーグルストリートビューという情報提供を始めました。

 これまでもグーグルが提供する地図情報にはグーグルマップがあって、地図と航空写真を見ることができました。これに最近は「ストリートビュー」というボタンがついたのです。

 

 

 グーグルマップは上空から見た映像で、これで道案内をしても、実際にビルがどういう姿をしているかは分からないということがありました。ストリートビューは、それをまさに道路(ストリート)に立っている自分が見ているその景色(ビュー)がわかるというサービスです。実際にこれで東京駅を見るとこんな風に見えます。

 

 しかも、約10mくらいずつ移動することが出来て、その場で画面を回すと360度周辺の景色を見ることができます。

 いったいどうやってこんな情報を収集したかというと、車の天井に360度撮影が出来るカメラを取り付けて、細かい道路まで走ることでその変化する景色をデータとして集めたのだとか。

 気になって札幌の我が家周辺を見てみると、何と我が家も写っています。住宅街の狭い道路までも情報収集車が走ったということ。いやはやすさまじい執念です。

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 このサービスを使えば、初めての土地へ行くときも、駅から出て目指す目的地へ向かうときにどういう景色が見えるかを事前にたどることが出来るので、道に迷うことがなくなりそうです。

 ところがこのサービスが今議論を呼んでいます。例えば、何となく気持ち悪い、というものから、この景色の情報の中に自分の顔が写っていたらプライバシーはどうなるのか?あるいは、芸能人など自分の家を知られたくない人たちの希望はどうなるのか?といったことなどです。

 知る人ぞ知る、という性質の情報に誰もがアクセスできる社会に対する漠然とした不安などもありそうで、こういう社会に対する法的対応や情報リテラシーのありかた、道徳的価値観などもまだまだ未熟なままに技術だけがどんどん進歩していって、成熟がついて行けていない状況なのです。

 ストリートビューに関するブロガーや知識人のサイトを見ていて、こうした問題を議論する勉強会があると知りました。早速申し込んで参加してみようと思います。

 人間の社会は機械ではないので、スイッチ一つでコンセンサスを形成する対応ができるものではありません。スローな現実を技術の発展が凌駕して行くネットの世界には、一歩引いて様子をみる対応と、それでいてやはり真剣に立ち向かって議論をするという両面作戦が必要なのでしょう。

 それにしても、グーグルの呆れるほど底抜けに前に行く突進力には危うさも感じる今日この頃です。 

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 ストリートビューの議論に興味のある方はこちらへ → http://japan.cnet.com/blog/watanabe/2008/08/15/entry_27012985/
コメント
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