「命」という漢字がつく単語を並べてみる。
宿命、運命、使命、天命…、まだまだあるかもしれませんが、とりあえずこれくらいにしておきましょう。
「宿命」とは、辞書を引くと「生まれる前の世から定まっている人間の運命」などと書いてあります。
「運命」を引くと「超自然的な力に支配されて、人の上に訪れるめぐりあわせ。天命によって定められた人の運」とありました。
「使命」は「与えられた重大な務め。責任をもって果たさなければならない任務」となる。与えられた、というからには誰かからのものなのですが、上司、社長、それとも天から…。与える主体を考えると意味が広がりそうです。
「天命」となると意味が広くなりますが、ここでは「1. 天の命令。天が人間に与えた使命。 2. 人の力で変えることのできない運命。宿命」というあたりにしておきましょう」
こんな命についての単語を話していてある友人はこう言いました。
「辞書を引くといろいろ書かれているけれど、僕はそれぞれをこう理解している」
「ほう、聞かせてもらおうか」
「いいかい、宿命というのは、生まれと共に負う状態だよ。どんな親に生まれ、貧乏か金持ちか、才能のある親から才能を分け与えられたか、どの土地に生まれたか…などということは、まず生まれと共に背負う初期条件だな。これが宿命」
「なるほど」
「つぎに運命。これは宿命を背負いながら、自分の努力で切り開いた結果得られる世界だよ。運命は自分さえその気になれば、どんな境遇に生まれようと変えられるものだと思っている」
「ふむ」
「そして、宿命を背負いながら運命を切り開いて、ある程度の年齢になると考え始める、『自分の今生は何のために生まれてきたのか』と。自分の半生を掛けて培った能力や友人、財産、経験などから、自分がこれから先に命をかけるに値することは何なのかと考え始めるんだ。それを考えたら、それが使命感だ。つまり天から今生を与えられて果たすべき『使命』を感じるというわけだ」
「ほうほう」
「そして、使命を果たしながら、寿命や今生の到達点を見極めて『これが天命だったか』ということに思いが至る、というわけだな」
「分かるね、その気持ち」
「そうかい、分かるかい」
「ああ、そろそろ人生の半分を過ぎると、まさに今生は何のためで、残る命は何に費やすべきなのか、と考えることがあるよ。まさに命の使い道というわけだな」
「そう!それだよ、まさに命の使い道というやつだ。それが何なのかをそろそろ探し始めたくなる年齢だと思わないか」
「まさに、迷いと諦めと希望が渾然としているよ」
「そうか、自分も物狂おしい気持ちになることがあるんだ。お互いに命の使い道を間違わないようにしような」
「ああ、そうだな」
※ ※ ※ ※
健康な肉体に、経験とまだ残る幾ばくかの若さ、培ってきた多くの財産を掛けるのはどういうことなのだろうか、と考えることが多くなってきました。
たくさん与えられてきたものをどういう形で社会に還元し、旧に倍してお返しをして行くことができるのでしょうか。
命の使い道とはよく言ったものですが、迷いも多いのです。
宿命、運命、使命、天命…、まだまだあるかもしれませんが、とりあえずこれくらいにしておきましょう。
「宿命」とは、辞書を引くと「生まれる前の世から定まっている人間の運命」などと書いてあります。
「運命」を引くと「超自然的な力に支配されて、人の上に訪れるめぐりあわせ。天命によって定められた人の運」とありました。
「使命」は「与えられた重大な務め。責任をもって果たさなければならない任務」となる。与えられた、というからには誰かからのものなのですが、上司、社長、それとも天から…。与える主体を考えると意味が広がりそうです。
「天命」となると意味が広くなりますが、ここでは「1. 天の命令。天が人間に与えた使命。 2. 人の力で変えることのできない運命。宿命」というあたりにしておきましょう」
こんな命についての単語を話していてある友人はこう言いました。
「辞書を引くといろいろ書かれているけれど、僕はそれぞれをこう理解している」
「ほう、聞かせてもらおうか」
「いいかい、宿命というのは、生まれと共に負う状態だよ。どんな親に生まれ、貧乏か金持ちか、才能のある親から才能を分け与えられたか、どの土地に生まれたか…などということは、まず生まれと共に背負う初期条件だな。これが宿命」
「なるほど」
「つぎに運命。これは宿命を背負いながら、自分の努力で切り開いた結果得られる世界だよ。運命は自分さえその気になれば、どんな境遇に生まれようと変えられるものだと思っている」
「ふむ」
「そして、宿命を背負いながら運命を切り開いて、ある程度の年齢になると考え始める、『自分の今生は何のために生まれてきたのか』と。自分の半生を掛けて培った能力や友人、財産、経験などから、自分がこれから先に命をかけるに値することは何なのかと考え始めるんだ。それを考えたら、それが使命感だ。つまり天から今生を与えられて果たすべき『使命』を感じるというわけだ」
「ほうほう」
「そして、使命を果たしながら、寿命や今生の到達点を見極めて『これが天命だったか』ということに思いが至る、というわけだな」
「分かるね、その気持ち」
「そうかい、分かるかい」
「ああ、そろそろ人生の半分を過ぎると、まさに今生は何のためで、残る命は何に費やすべきなのか、と考えることがあるよ。まさに命の使い道というわけだな」
「そう!それだよ、まさに命の使い道というやつだ。それが何なのかをそろそろ探し始めたくなる年齢だと思わないか」
「まさに、迷いと諦めと希望が渾然としているよ」
「そうか、自分も物狂おしい気持ちになることがあるんだ。お互いに命の使い道を間違わないようにしような」
「ああ、そうだな」
※ ※ ※ ※
健康な肉体に、経験とまだ残る幾ばくかの若さ、培ってきた多くの財産を掛けるのはどういうことなのだろうか、と考えることが多くなってきました。
たくさん与えられてきたものをどういう形で社会に還元し、旧に倍してお返しをして行くことができるのでしょうか。
命の使い道とはよく言ったものですが、迷いも多いのです。