北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

アルバイトは楽し

2011-08-09 23:45:49 | Weblog
 友人たちと飲んでいて、一人が「私の娘も飲食店でアルバイトをしているのですが、この夏はシフトがあるので帰れない」と言ってきましたよ、ということで、それぞれ昔どんなアルバイトをしたかという話題になりました。


 建設系のバイトでは、「職人さんの世界は言葉が通じなかったな、何を考えているか分からなかった」という者がいる一方で、私などはかわいがってもらった思いの方が強かったものです。

 建築のバイトだと、下っ端は足場や材料を運ぶのがまずは仕事。これで多くの新人バイトは予想と違って脱落することが多いもの。

「俺の時は入った最初が一個20kgの砂袋が4トン来てそれを運ばされたよ。職人さんは一度に3袋も運ぶんだけどこっちは一個でひいひい言ってたよ(笑)」

 私も最初は足場板を何枚も運ばされましたが、建設のバイトだと自分が携わった建物が後々まで残るので仕事をした、という感じが残ります。ものを作るのって最高です。



   【いろいろなバイトがあるものです】

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「僕が楽しかったのはリンゴの摘果でしたね。リンゴって一房に花が5~6個つくのでこの中から一つだけを実として残すんです。休憩のときに農家の方からいろんな話を聞けるのも楽しかったですよ」
 年齢の高い大人と会話ができるのもアルバイトの良いところです。

 一方でもたなかったアルバイトもあるそう。「工場でできた製品がラインを流れてくるんだけど、中に万が一乱れているものがないかをチェックするわけ。三人で一日見ていたけれど、とうとう一個も乱れて直さなくちゃいけないものはなかった。とってももたなくて一日で辞めたよ(笑)」
 いくらお金をもらっても人間性を封じ込めるような労働は無理があるようです。


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 私が一番勉強になったのは野球場での売り子のアルバイトでした。

 売り子のアルバイトは基本給に加えて売り上げに応じた歩合給が足されます。だから自分でがんばって売れば売るほど収入が増える仕組みなので頑張ろうと思うものです。

 先輩からは「いいか、単価の高いものをたくさん仕入れて売りまくるんだ。デーゲームの今日ならお昼の弁当だ。一個100円のポテトチップなんていくら売ったって売り上げに繋がらない。それよりも一つ500円の助六弁当や700円の幕の内弁当を売ると売り上げがあがるよ」と教えられました。

 そうやってお昼に球場の座席を巡りながらお客さんの様子をずっと見ていてあることに気が付きました。

 それは『お客さんはシャイで恥ずかしがりだ』ということ。

 他のお客さんがたくさんいる中で、遠くにいる売り子に対して大声で「おおい、こっちに来てくれー」とはなかなか言えるものではありません。

 だから(売り子さん、こっち見てくれないかな、近くに来てくれないかな)と思っているお客さんがいないかどうかを素早くチェックして、いたと思ったらさりげなく近くに寄って、相手の目を見ながら「お弁当、いかぁすかー」と声をかける。

 これでお客さんの方は恥ずかしい思いをせずに気楽に注文ができるというわけ。これってコミュニケーションの基本のようなかんじがしますが、これで売り上げが随分伸びたものです。


 学生時代のアルバイトは人生を豊かにします。お金以上に得られるものは多かったなあ。
コメント (3)
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