北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

実は全国区

2011-08-20 23:45:28 | Weblog
 音別商工まつりでの挨拶で音別地区へと向かいました。

 挨拶は午後3時からとのことで、それまでの時間を利用してフライフィッシングの釣竿を持って、茶路川探検へと行ってきました。

 茶路川沿いの国道392号線には本別から伸びる高速道路の白糠インターが接続することになっていて、現在急ピッチで工事が進められています。

 フライフィッシャーとしては、川への土砂流入には細心の注意を払っていただきたいところです。


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 さて茶路川。白糠の生んだ人気のお酒「鍛高譚」の原料である赤紫蘇を育てている鍛高地区を過ぎたところでちょいと河原へと降りてゆきます。


   【鍛高地区の赤シソ】


 だいぶ川の上流まで来たのですが河原は岩と言うよりは小石がいっぱいで、川も魚の隠れ場所になるような場所が少ない感じ。魚はいるのかな?

 魚がいなければキャスティングの練習にしてしまえばいい、とは思っていてもそこはやはり魚がかかってほしいもの。ところが結構な時間が経過しても成果はあまり芳しくありません。

 連れてきてくれたHさんと、「なかなかドライフライじゃつらいんですかね」などと話しているところへ、ちょっと年配のご夫婦連れが到着。同行のHさんの顔を見るなり、「おや、Hさんじゃないですか、珍しいねえ」「あ、札幌のSさんじゃあありませんか!これは偶然だ」という会話が始まりました。




 どうやらHさんとSさんとは釣り仲間で、ネットで情報交換を良くするような仲のようですが、このSさんは住んでいる札幌からわざわざ奥さんを連れてこちらまで釣を楽しみに来たのだそう。

 聞けば奥さんの方も数年前にフライを始めたとのことで、今日は釣りが終われば阿寒湖畔で宿泊して明日は阿寒湖で釣りを楽しむのだとか。夫婦での趣味が同じだと楽しいことでしょうね。

 また、なによりも地元ではフライの達人のHさんですが、茶路川の様子はこのSさんに事前にメールで様子を教えてもらっていたというのは驚き。地元よりも外の人の方が詳しいとは。

 音別川では旭川から来たというルアー釣りの男性もいました。この時期は道内外から道東を目指してくるようです。

「茶路川と音別川はフライの世界ではものすごく名前が通っているんです。季節でもいろいろですが、アメマスが始まるとその大きさに圧倒されますし、ニジマスその他普通にいるような魚でも大物が釣れるというのでその知名度は全国レベルなんですよ」とはHさんの弁。


 知らぬは地元ばかりなり、ということは多いものです。


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 さて私の釣り果の方は、今日もドライフライにこだわっていたために、それほどの大物は食べてくれず、20センチと10センチの山女魚、それに30センチのウグイを吊り上げてとりあえず大きさの自己ベストを更新できました。


 しかし札幌から来たSさんは、「上流で65センチのアメマスを釣ったよ」と嬉しそうでしたし、一緒になって近くで竿を振っている間にも、あっという間に35センチのアメマスを釣り上げました。

 「すごい!フライですか、どんな餌ですか?」と訊ねてみると、なんと直径7~8ミリほどの大きさの丸いタイプの「魚卵」と呼ばれるもので、イクラなど魚の卵に似せた一応はフライの部類に入る餌なのだそう。



   【魚卵に似せた疑似餌もあるんだ】


 この疑似餌は我々のように浮かせて流すのではなく、重りをつけて水の中に沈ませて魚を油断させるというわけで、これもフライフィッシングの一技術。

 私などはどうもドライのフライにこだわりたいところがあって、沈むフライには手を出したくない感じ。

 しかし同行のHさんは、ドライフライでは魚は食いつかない、とみるやすぐに宗旨替えをして魚卵のフライを使い始め、夕方の音別川では魚卵のフライで35センチのアメマスをヒットさせました。やっぱりこの時期は沈むフライなら釣れるんですねえ…。



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 さて、来月はいよいよアメマスが遡上を始めるシーズンの到来。全国からフライフィッシャーが大勢この地を憧れて訪れて来ることでしょう。

 大勢になんとなく知られている『有名』な土地もあれば、ごく一部の人に熱狂的に知られている『有名』な土地もあります。

 しかし訪問先で本当に味わいのある旅ができるのは、その土地の真の価値を知る一部の熱狂的な人たちでしかないのかもしれません。

 旅のスタイルを変えるとしたら、これからはなんとなく旅行雑誌をトレースして満足するような旅から、向かう先の土地とがっぷり組み合えるようなスキルを身に着けて挑む旅になるのではないかと思います。

 道東はそういうチャレンジャーを存分に受け入れる懐の深さがあります。

 そんな実力のある人が訪れてくる地元の川を誇らしく思うと同時に、今私たち自身が地元の真の価値をしるべきだ、とも思います。

 知恵も現実も現場にしかなくて、現場にはあるのです。

 観光も旅も現場から考えたいものですね。


 
コメント (3)
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