北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

浜頓別の地域特性~いろんなことがあるものです

2015-05-26 23:46:33 | Weblog


 今日は午後から浜頓別で道路維持を担ってくれている業者さんたちと意見交換をしました。

 今年の冬を終えたところで除雪に当たっての課題や問題点、要望などについて上の立場の者たちが直接聞いて現場の現状について実態を理解しようという会合です。

 今日は現場を預かっている三社の現場代理人の方が参加してくれましたが、「担当区域の端っこに強風の時に吹き溜まる箇所があって改善してくれるとありがたい」とか、防雪柵の風通しを良くするような付帯除雪をちゃんとやらせてもらうと、防雪柵がしっかり機能する」などといった現場ならではの声には説得力があります。

 この地域では雪が降らなくても強風で積もっている雪が吹き飛ばされてドライバーの視界を遮る「視程障害」という事象が発生します。オホーツク海側では冬が厳しくなる頃に流氷が下りてきて海を覆うのですが、そうなると流氷の上に雪が降りそれが強風で吹き飛ばされ、雪が降っていなくても風が雪を舞い上げて交通を妨げることが時折あります。

 雪は降っていないのですが除雪に出なくてはいけないという状況になることがあるわけです。

 除雪の現場は、雪が何センチ降ったら出動するというような教科書通りにいかないことが現実にあるわけで、我々はそうした現実に対応するセンスが求められるのです。

 また地域で除雪を長くやっていると、様々な道路状況の情報が通常の情報ルートを飛び越えてダイレクトに入ってくるといいます。

「○○地区の坂が滑りやすくなっているよ」そう聞いたら、すぐに塩や砂を撒きに現場へ走ります。

「××地区で車が路肩に落ちていたよ」それっと現場へ向かうと警察より早く到着することもしばしば。誰が除雪や維持管理をしているかを地域の人たちが分かっているため、道路の情報は警察や我々の組織を経由するよりも早く届き、より迅速な対応ができるのだといいます。

 都会ではこんなことはないでしょうね。地域のつながりが近いところゆえの地域の特性です。

 
      ◆  

 

 除雪車を運転してくれる人材にも地域ならではの特徴があります。

 ここオホーツク海沿岸では、冬期に除雪車に乗ってくれるのは漁師さんが多いといいます。漁期が三月くらいから秋まで行われるとそこから手が空くので、除雪車に乗る仕事をしてくれるのです。

 農業地帯で農家さんが冬の除雪を担ってくれるところでは農繁期と農閑期がはっきりしているので、オペレーターさんの研修と言えば農閑期に受けようということになりますが、漁師さんたちは年がら年中漁期があるので結構忙しく過ごしています。

「研修を受ける暇がなかなかつくれなくて苦労しています」これもここならではの特徴です。

 
      ◆   


 先日、「ホタテのフライって案外食べたことがありません」と書いたところ、今日集まった地元の人たちから「嘘でしょう?」という反応が返ってきました。

「え?そりゃそうでしょ。新鮮だったら刺身だし殻付きだったらバーベキューで焼いて食べるとかそんな調理法しか思いつきませんよ。カキフライだったらわかるけど、ホタテフライは僕には珍しい存在です」

 するとある地元の方が「だって、地域にいると『獲れたよ、食べて』と言って20リットルの缶に一杯ホタテをくれるんです。最初は刺身や焼いたりして食べますが、同じ食べ方だとどうしても飽きてくるので、そんなときはフライにして目先を変えないと食べきれないんです」

 うーむ、なんとうらやましい。でも食べ過ぎて嫌いになっても困るしなあ。

 これもこの地域の地域特性と言えるかもしれません。贅沢なような、まあやっぱりほどほどが良いような。

 この次に来るときはがっつりホタテを食べたいものです。

 

 現場を巡っていて北見神威岬という突端を通りました。トンネルができる前はぐるっと回った旧道が残っているのと、道路から一段高いところをかつて国鉄興浜北線が走っていた跡があるとのことで、とても印象的でした。 

 今日の浜頓別は気温が7℃と寒く雲もずいぶん下まで下がっていました。次は天気が良い時に来ようと思います 

 

コメント
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