予報よりはずっと天気が良かったので稚内の東にある大沼方面へ自転車で出かけました。
車で移動するとつい見過ごしてしまったり立ち寄るのが面倒くさかったりする場所も、自転車ならば機動的に巡ることができます。
市街地を出て隣の声問の集落手前に「松浦武四郎宿営の地」という記念碑があります。
ご存知のとおり、松浦武四郎は江戸末期から明治初期にかけて北海道全域はもとよりエトロフ島やカラフトまで巡った探検家。多くの調査記録を残してくれたほか、明治になってから蝦夷地を「北海道」と名づけてくれた名付け親であり、北海道にアイヌ語の地名が残っているのも松浦武四郎の探検録がもとになっているという北海道にとっての大恩人です。
この松浦武四郎は宗谷地域を三度訪れ、「戊午山川取調日誌」「西部古以登以誌」を残しており、その中にこの地を「コイトイ」として記録に残しているのです。
この碑は、彼の「東西蝦夷山川取調図」の完成百五十年を記念して、宗谷サロベツ松浦武四郎の会有志一同が作成したものとのこと。これも宗谷地域の立派な歴史であり、心にとどめておきたいものです。
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ところで今日声問方面へ向かった本来の目的は、イトウの釣りポイントの確認でした。声問の大沼周辺などというすぐ近くにイトウの釣れるポイントがあると聞いたので、事前にアクセスを確認しようと思ったのです。
教えてもらった場所へ向かってみると、ちょうど釣りを終えたご年配の方がいたので、「こんにちは、釣れましたか?」と訊いてみました。
こちらは自転車の格好なので突然釣りの話題を振られたことに驚いた様子でしたが、「こちらのポイントでもいいし、対岸もポイントがありますよ。でもまだイトウは降りて来ていないなあ。ちょっと時期が早いかな」と親切に教えてくれました。
教えられた対岸のポイントでもやはり年配の方が一人ダブルハンドという両手で遠くまで投げ込むフライフィッシングを繰り返しやっていましたが、こちらもまだ釣れる様子はありませんでした。
自転車であれば30分くらいで来れることは分かったのですが、ただしウェイダーや釣竿、その他釣り道具一式を自転車で(というか背負って)運べるかとなるとちょっと無理がありそう。やっぱりレンタカーくらい借りないと難しそうですね。
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近くの大沼ではもう季節的には終わりに近い白鳥やカモがまだ多数いて、毎日のように北へ向かって旅立ってゆくそうです。
声問の集落には海にちょっと突き出したところがあって、その先端まではじめていってみたところ、稚内市街と利尻富士が一望できる素敵な風景が広がっていました。
利尻富士が今日も綺麗だなあ、と感じ入っていると、そういえば野鳥観察館には天気の良いときの利尻富士や夕焼けの姿を収めた写真が飾ってあるのを思い出しました。
そこでぼんやりと、(せっかく利尻富士という対象があるのだから、利尻富士が見える各所から葛飾北斎の「富嶽三十六景」のようなものを選定したらよいのになあ)と思いました。
ところがこれをネットを調べていたら、なんと既に宗谷総合振興局の肝いりで昨年「利尻富士三十六景」が募集されていたことがわかりました。
おまけにこうした地域情報は「SOYA PARTY」という冊子になりweb上でも公開されていました。これはいい!私も改めてこれを見ながら地域をさらに深くめぐってみようと思います。
ひょんな思い付きから情報が繋がったのですが、やっぱり情報はネットで伝える時代ですね。一人一人がもっと頑張って情報発信をすればもっといいのに、と思います。
今日はいろいろときれいな風景が見れた素敵な一日でした。
【SOYA Partybook Web版】 http://soyaparty.com/webbook/