今週の七日に稚内市内で『新春経済懇談会』が開催されて、そのなかで一時間ほど講演の時間をいただけることになっています。
さて何をお話ししようかと、最後の詰めを行いながらパワーポイントスライドの作成にいそしんでいるところ。
話す内容の順番ひとつでストーリー展開は変わりますし、導入から展開、そして〆まで、いくつかの話題に焦点を当てながら、「宗谷地域の展望とこれからの可能性」についてお話をしようと思っています。
とはいえ、人口減少とそれにともない地域産業の担い手も不足していく中、地域が自力で反転攻勢をかけるのは並大抵ではありません。
まして、私のようによそ者で、いつかまたこの地を離れる風来坊がどれくらい地域に土着の人たちの心を捕えられるでしょう。
風の様な我々がいくらモノを言っても、真に土の様な地域の人たちが動く気にならなければ地域は変われないことを、我々は良く知っています。
では風の様な我々に意味がないか、というとそうでもありません。長くその地にいると、他との比較ができなくて様々な地域の宝の価値に気が付かないか、気がついても長く身近にいると、面白いとは思えなくなってしまいます。いわゆる「限界効用逓減の法則」というやつです。
そんな変わり映えしない日常に、新鮮な目で喜びや楽しさの視点を与えるのがよそ者の役割。見慣れた風景が、「ここにしかない絶景だ!」ということに気が付くのはよそ者だからこそ。
ならばそんな、どうせいなくなる人と諦めずに、離れて行ってもこの地の価値を認めて宣伝し続けてくれる、この土地のファンでい続けてもらえばよいのです。
そういう人とずっと繋がっている関係性を積極的に保ちつづければ良いのです。
おそらく日常に疲れた地域では、そういう人たちを繋ぎとめようという努力もできずにいるのではないでしょうか。だとすれば、それは実にもったいないことです。
私は職場の仲間たちに、「転勤先を存分に楽しんで味わってください」と言い続け、自分でもそれを実践しているつもりです。そして多くの転勤族って、お世話になった土地には操を立てるものなのです。
ネットやSNSが発達した今日、きっとそういう繋がりと関係性は財産になっていくはずです。
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「関係している」ということが財産になるということを「関係の資本」と言い、それを社会学の立場で表現すると、"ソーシャルキャピタル"ということになります。
これからのビジネスは心の伝わらない「価格勝負」ではなく、「繋がり勝負」になるというのが、私の見立てです。
それを地道にやり続けるところ(人)と、それを仇おろそかにして無駄遣いしているところ(人)との間には長い目で見ると、大きな差が生じてきますよ。
今度の講演は、きっとそんなことが中心になるのかな。予告編の様な感じですが、大事なことは何度でも書き残しておくつもり。隠したり出し惜しみしたりしません。
なぜなら、覚えたらぜひ実践して欲しいし、友達に伝えて欲しいからです。忘れたらこのブログを検索してもらえば良いですし、ね。
ではお会いできる方は、七日にお会いいたしましょう。