おやつに肉まんを食べようとして、「肉まん温め器」があったのを思い出して使ってみました。
冷凍状態で取り出して、容器に入れて1分50秒で熱々の肉まんが出来上がります。
簡単にあっためられるなんて便利な時代ですねえ。
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「暖かい肉まん」で思い出した私の子供の時の話。
もう45年も前ですが、中学生だった私は夕刊だけの新聞配達をしていたことがありました。
冬の季節、もう暗くなるころの新聞配達にはときどき小学生の弟と妹が面白がってついてくることがありました。
そんなときにはよく、(せっかくついてきてくれたのだから)という兄貴心を発揮して肉まんをおごってあげました。
当時肉まんは1個40円くらいで、月額4千円のアルバイト料からすると、3個で120円は一日分の稼ぎと同じくらいでしたが、まあ大らかなものです。
肉まんを買って家まで持ち帰ると、熱々の肉まんも冷えてしまうのですが、弟も妹も冷えても構わず美味しそうにパクつきます。
ある日私は良いことを思いつきました。当時の石炭ストーブの家庭には、排気の煙突の熱を利用する湯沸かし器がありました。
【今は見なくなりましたが結構お湯が沸いて便利でした
薪ストーブの新保製作所のホームページより http://www.maki-stove.jp/item/s-yuwakashiki/】
せっかくの肉まんを熱々にしてやろうと思って、冷たい肉まんをパクつく弟と妹を尻目に、私は肉まんをビニール袋に入れて、お湯の沸いた湯沸かし器に入れてみました。
(この熱ならきっと蒸されて熱々になるはず。我ながら良いことに気がついたなあ)とほくそえみながら何分か経ったところで湯沸かし器の蓋を開けて見ると…、なんと!肉まんをいれたビニールには穴が開いていたらしく、私のなけなしの肉まんはビニールの中でドロドロに溶けてしまっていたのでした。
「アハハ~…ン。こんなんだったら冷たくても食べちゃえば良かった…トホホ…」
弟に妹、それに親からも笑われて散々でしたが、我が家の「肉まん事件」として今ではテッパンの笑いのネタになっています。
井村屋の肉まん、ストーブと湯沸かし器、ケンカもしたけれど良く遊んだ弟に妹、笑いのある家庭…、みな懐かしい昭和の時代の思い出。良い時代でした。
今日、暖かい肉まんを見ていて、久しぶりに思い出した子供時代の「肉まん事件」。肉まんは大勢で食べる方が美味しいですね。
電子レンジの時代にはこんな失敗はないのが、ちょっと寂しいかもしれません。