ある人から、「小松さん、組織のトップにいて部下の皆さんに伝えたい『こうあるべきだ』ということってありますか」と訊かれました。
ちょっと考えて私が答えたのは、「それは、やらされ感からの脱却だと思います」ということ。
組織には、上司がいますが、実はその上にも上司がいてさらにその上司がいて、どこまで行っても上司がいる世界。
組織の上司から言われたことは一体どの段階の上司から発せられた指示なのか、しばしば分からなくなります。
しかしそれを、「上が言っているから、やってくれ」と部下に伝えるのではいけません。
上司からの指示や命令があったとしたら、それを自分なりに解釈して自分の考えで、自分の指示で部下に仕事をしてもらわなくてはなりません。
ときどきそれを、「上司が言っているからやってくれ」と、仕事を右から左へ受け流すような人がいますが、それは間違いです。
上司からの指示は、「お前さんはどういうやり方をするんだい?」という宿題であって、試されているのは自分自身の解釈力と実行力なのです。
私は「上司が言うから…」というのは、自分自身の思考が停止したなにも考えていない状態だと思っていて、それではいけないのだと思います。
「やってくれ」と言われて渋々やるのか、「よし、では自分なりにどういう成果を上げようか」と思うのではパフォーマンスは全く変わるでしょう。
わたしはそれを「やらされ感からの脱却」と呼んでいます。人からいわれからやるのではなく、やらねがならないのだったら、どうするか、という未来志向で前向きに考えてほしいのです。
組織の中の仕事の指示とは、そうなっているかどうかまで心を配りましょう。そして部下たちが、自分から言われたからその仕事を(渋々)しているのか、それとも自分たちがやりたくて、工夫をしながら前向きに取り組んでいるのかどうか、を見極めましょう。
組織を活気あふれるようにするということは、上記のような一人一人が参加して結果を喜ぶということです。
少しずつでも良いから頑張りましょう。
「やらされているんじゃない、おれがやりたいからやっているんだ」ということを大事に致しましょう。