今日は勤務経験者など、稚内にゆかりのある人たちの親睦会が開かれました。
ただ集まって飲んでもしょうがないので、少しは稚内にかかわる勉強をしよう、と講師をお招きして、稚内と宗谷地域の風力発電と送電事業の現状についてお話を伺いました。
ざっくりいうと、今はすでに営業しているのを除いて、新しい事業として、風力発電のための送電網整備の実証実験をしている最中、ということでした。
宗谷地域は風が強く、風力発電のための風況は良いものの地域の中での電力需要が少ないために、作った電気を消費しきれずこれは札幌や本州などへ提供したいのですが、なにしろ送電網が弱いので、それを電線で運べないというのが実情。
そのために、送電網を整備して風力発電をめぐる課題を解決する実証実験を行い、今は北海道北部風力発電㈱司会者が手を挙げてその実証実験事業を行っているのです。
実験と言っても、実験室でデータを取るようなちまちましたものではなくて、実際に稚内港外から天塩中川町まで電線網と開閉所・変電所を作り、さらに蓄電池システムも整備して、将来的な実際の需要にこたえようという壮大な実験です。
総事業費はなんと1,000億円ということですから、国を挙げて再生エネルギー利用社会の到来に備える準備というわけですね。
事業では、宗谷地域の風力発電で作った電気を天塩中川まで運んで、ここで北電の系統につないで買ってもらう、という形を予定していますが、不安定な風による発電と電気の質の向上のために、巨大な蓄電池システムを整備しているのが特徴です。
その規模は、720MWhという規模で、稚内市が一日に使う電気90MWhの8日分を貯めることができるのだそうで、講師曰く「おそらく世界でも有数か世界一の規模だと思います」とのこと。
完成のあかつきには、地元に固定資産税も落ちるでしょうし、見学の来客も増えると予想されることから、地元経済への大きな貢献も期待されます。
私個人的には、これだけの電気の安定供給量があるのだったら、宗谷地域の涼しさも魅力に加えて、世界レベルのデータセンターを誘致してはどうかと思いました。
国内のちまちました事業者ではなくて、GAFAの一角からの事業を受け入れるなんてことになると、面白いのにね。
宗谷地域の発電事業にはこれからも大注目です。