稚内からオホーツク海沿いに南下してきた今日の挨拶回り。
今日のオホーツク海は波が穏やかでした。
稚内を出発して、車を走らせながら各地で国道を管理されている事業者さんたちを訪ねて、ご挨拶と共に地域の事情などを聴いて回りました。
ある地方の自治体の建設業の社長さんは、「やはり人手が足りません。若者は地方に留まっていなくて都会へ出てしまいます。もし残ったにしても若者は建設業には目を向けてくれません」と嘆きます。
「今後はどうするおつもりですか?」
「来春からベトナムの若者を採用する準備を進めています。建設業では特定技能2号という制度があって、家族滞在や在留期間が更新できる資格が与えられますので、将来建設技術者として育成を図る候補生として採用する予定です」
「ベトナムの方たちはどうやってこちらの会社縁があってを志望してきたのですか」
「ネットに条件が掲載されていて、それを見て応募してきたようです。ただそれを見せてもらったところ、『(日本)北海道、建設業、給料○○円』など、あまり詳しくは書かれていないのには驚きました。それでも来てくれるのですから、しっかり育成して後に続くベトナムの若者が希望と憧れをもって続いてくれるように頑張りたいと思います」
また別な社長さんは、「そうは言ってもやはり人手が足りない」と嘆きます。
「除雪を担ってくれる人材が心配なのですが」と言うと、「実はうちはそこはなんとかなっています」という答えが返ってきました。
「なぜです?」
「うちは漁業が好調で、若者が後を継いでくれています。酪農でも若者が戻ってきてくれていますが、酪農は年がら年中牛と向かい合うので余裕がありません。それに対して漁師さんたちは夏で稼ぐと冬は暇でやることがありません。なので『遊んでいてもしょうがない』とか、父親の世代が高齢化するのに伴って『私ももう年なので除雪車のオペレーターを息子に代わりたいがどうだろう』というような話があって、若者が除雪車の運転を担ってくれる体制がまだ続いています」
「素晴らしいですね」
「でもそれは、地域の一次産業がちゃんと稼げるという状態があるから成り立つ話です。地方が都会よりも稼げなければやはり人材は都会に流れてしまいます。地方の方が都会よりも稼げるという仕組みを作らなければ、地方は衰退してゆくんだと思います」
地方の暮らしを支える建設業も苦しいのですが、それを何とかしようという取り組みは進んでいます。
挨拶回り、営業周りと言いながらも、こういう現場最前線の話を聴けるのは実にありがたい時間です。
今日は北見宿泊で明日は網走方面へ向かいます。