今日と明日は、横浜で開催されている都市計画学会全国大会に参加してきます。
昨日の金曜日には横浜市内を見学させてくれるエクスカーションのプログラムもあったのですが、そちらは参加できずにちょっと残念。
横浜市内の見学って案外真面目にしたことがありませんもんね。
今日と明日は、全国から応募があった論文発表会と、午後には「都市計画を展望する」というシンポジウムがありました。
今回の大会は、横浜市の協力をいただいて趣のある開港記念館を使わせてもらえることになり、とても良い雰囲気です。
論文発表会は、全部で7つの会議室に分かれて同時並行で開催されるので、興味のある発表には時間を計算しながら会場を移動することになります。
会場は分かれていますが、なんとなく似たようなジャンルの論文を集めて発表されるので、思いもよらず面白い発表が聞けたりします。
今日は偶然、「米国ワシントン州シアトル市旧日本人街における日系コミュニティの変容過程に関する研究」という発表を聴けました。
アメリカ西海岸にあるシアトル市では、白人による開拓の後にまず中華系の移民があり、その人たちが排斥された後に日本人が入植していきました。
日系移民たちはその勤勉さもあって、大いに成功しシアトルの一角には日本的な建物が建てられて日本人街が誕生して大いに栄えました。
しかしその後日中戦争や日米戦争の時期を通じて、日本人は迫害に会い日本人町も衰退しますが、終戦後はある時期から再び往時の日本の歴史や文化を見直す時期を迎えます。
発表者の方は、現地でのヒアリングを通じてその変遷の様子を明らかにしてゆきました。
私が興味深く思ったのは、日本でもこれから移民ではないとされていますが外国人の労働者が多く入ってくることが予想されるでしょう。
そうしたときに、日本人移民たちは地域の人たちから結果として受け入れられて地域と融合をした成功例といえるのではないか、と思った点です。
発表後に発表者にその点を訊いてみると、日本人は戦前から地域の白人有力者たちを盆踊りや花見に誘うなど、文化をともに楽しむような融合の努力を続けていたということを教えてもらいました。
日本人も外国人や異文化を受け入れる際に大いに参考になるような気がして面白く感じました。
たまにはこのような知恵と知識が集まる場面に参加して、レベルの高い話に触れるのも良いですね。
明日は今上天皇陛下の即位パレードがありますが、関東の明日は秋晴れでしょう。