営業と挨拶回りの一環で、道央のゴルフ場を訪問しました。
ゴルフ場には結構アスファルト舗装が多いので、工事や資材のニーズがあるものです。
支配人にお会いすることができて、「もう一回大雪が来たらもう今シーズンはおしまいですかね」と言いながら、今日は一組がセルフで回っているとのことです。
最近のゴルフをめぐる状況を伺ってみました。
「私はゴルフをしないのでわからないのですが、ゴルフ人口って減っているんですか?」
「はい、残念ながら減少傾向です。高齢者が離れていく数に比べて若者がゴルフの世界に飛び込んできていないんですね」
「外国人を迎えるというのはどうですか?」
「うちはまだそこはやっていないんです。将来の課題だとは思いますがね」
ところでこちらのオフィスへ入る前に、私はジュニア育成のためのロストボール寄付のカゴを見逃していませんでした。
そこで、「そうするとゴルフ人口を増やすためにはジュニア段階からゴルファーを育成するというのが良いのでしょうか。先ほどもジュニア育成のためのロストボール集めのカゴを見かけました」とお尋ねしました。
すると支配人は「それも実はもろ刃の剣なんです」と言います。
「もろ刃の剣…ですか?」
「ええ。ジュニアからやらせると、大概は本人も親もプロを目指そうとするわけです。そうして幼い時から練習をさせていろいろな大会に出場させて上位の成績を収めようとします」
「はい」
「ところがそうやることで成績を上げてプロになれるのはほんの一握り。多くはその途中で自分の実力を悟って心が折れます。そうなるともうその後は、一切クラブを握らないようなところまでゴルフを嫌うようになるんです。私の娘も一時ゴルフをやらせてみましたが、中学生段階で止めてしまいました。今では『ゴルフは嫌いだからもうしない』と言って全く興味を失ってしまいました。なので、裾野を広げようと若い時からやらせるというのも善し悪しなんです」
何が何でも裾野を広げるためには若いうちからやらせて経験させればよい、と思っていましたが、分別のつかない年ごろであったり、あるいは本当に才能のある一握りだけが成功するがその陰には死屍累々というようであれば、好ましく楽しむような層にはならないのだ、と。
教育でもイヤイヤやらせられるようではその科目は嫌いになってしまうに違いありません。
どうせやらなくちゃいけないのだったら、練習も楽しく魅力的なものにしないといけないということのようです。
単純に数合わせだけでやられるような行政の政策も多くありそうです。
しっかりと質や成果を見極めることも大切ですね。
いろいろと考えさせられるお話でした。