甲子園は佐賀北高校が満塁ホームランで逆転して初優勝したのだそう。おめでとう。新しい伝統がまた一つできました。
※ ※ ※ ※
私は医療系メルマガの、MRIC(エムリック)というところから記事を配信してもらっています。ここは医療を取り巻く様々な話題や情報をより深い視点から送ってくれて楽しみにしているのです。
今回はここから、「これから月1回程度、医療とコミュニケーションに関する連載を始めます」という記事が送られてきました。著者は林 英恵(はやし はなえ)さんという方です。
コミュニケーションはなんのためか考えさせられましたのでご紹介したいと思いました。
ではまずこの記事をご一読ください。
*******【以下記事内容】*******
●二つのきっかけと連載の目的
インドで、HIV/AIDS 分野の予防啓発活動の一環として、CM づくりに携わっていた時のこと。
「日本語にHealth Communication やBehavior Change Communicationという言葉はあるのかい?」当時の上司からの質問だった。
それぞれ「ヘルスコミュニケーション、行動変容のためのコミュニケーション」という訳語が頭に浮かんだ。※
※ちなみに「ヘルスコミュニケーション」については、MRIC の掲載記事(2006 年 2月6日号)で別府文隆さんがとてもわかりやすく解説されている。
「Behavior Change Communication(BCC)」は、「保健分野のプロジェクトに必要不可欠な、健康教育・広報コミュニケーション活動のこと。(これらの活動においては、)必ず最終目標である、人びとの健康に結びつくような個人の行動変容が起きなければならない」
( http://www.joicfp.or.jp/jpn/problem/bcc.shtmlJOICFP より) とある。
「それぞれに相当する訳語はある。でも、日本語に訳されたHealth Communication やBehavior Change Communication という言葉が、医療や公衆衛生に従事する人の中でも十分に共有されているとは言いにくいことを踏まえると、確実に"言葉が存在している"とは言えないのかもしれない」と答えた。
「だったら、そういう概念が伝わるように君がこれから何とかすればいいんだよ。」茶目っ気たっぷりの上司は、ウィンクしながらそう言った。
* *
そしてもう一つは、全く別の機会でのこと。
友人でもある医師(英語も堪能)に、日本語に訳されたヘルスコミュニケーション分野の資料を見せていた。
すると、一通り目を通した後で、彼が一言。
「これって、(カタカナばっかりで)英語で読んだほうが絶対わかりやすいね!」
日本語になっていて、これなら理解してもらいやすいだろうと思って差し出した資料のはずだったのだが、予想外の反応だったのだ。
* *
この二つの出来事が、今回、連載の目的を決めたきっかけです。
アメリカを中心に、ヘルスコミュニケーションという分野が確立され、医療と公衆衛生の分野で政府や、国際機関、研究機関、企業など含めた様々なレベルの組織がこの分野の概念を盛り込んだプロジェクトを遂行しています。従来の広報を中心とした「業務内容を知らせる」ためのコミュニケーションではなく、ターゲットの行動変容を目的にした戦略的なコミュニケーションという考えは、日本においても、この国の社会に合った形で普及されれば、医療と公衆衛生分野において新しい風を吹き込むものになると考えます。しかし、現状は、日本語でこれらについて書かれた文献や資料は限られており、訳語としてではなく、言葉としてこの分野の概念を共有しやすいとはいえない状況にあると感じています。
本連載では、「医療/公衆衛生・コミュニケーション・メディア」を柱に、ヘルスコミュニケーションに対するイメージを皆様と共有させて頂くことを目的としました。様々な形で医療や公衆衛生に携わっていらっしゃる皆様に、ヘルスコミュニケーションという世界の存在を知って頂くこと、そして必要な時が来たときに、その扉を開いて頂ければ幸いです。
私の尊敬する人はいつも言います。
「Obstacle means chance! 」(障害はチャンスである!)。
これから、日本の医療と公衆衛生に貢献できる大きな可能性を秘めているこの分野の将来に期待して、連載を始めたいと思います。
*******【記事内容おわり】*******
つまり、コミュニケーションというのは、大切なことを伝えた結果、相手がそれを理解した上で状況を改善するように行動をうつすところまでいって初めて目的を達するのだ、ということ。ただ「話をした」「私は伝えた」ということだけではだめ、ということです。
じつはまちづくりも同じで、いくら良いことを言ってもその結果として関係者が行動を起こしてくれなくては成果は出ないのです。
ブログを読んだだけで読者が行動を変える…そんなことができるものでしょうか。
そういう意味で、今後送られてくるメルマガがなおいっそう楽しみになりました。
ちなみに
●MRICのバックナンバーはこちら
=> http://mric.tanaka.md
メルマガを読んでみたい方はtouroku@mricj.com までメールをお送りください。
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私は医療系メルマガの、MRIC(エムリック)というところから記事を配信してもらっています。ここは医療を取り巻く様々な話題や情報をより深い視点から送ってくれて楽しみにしているのです。
今回はここから、「これから月1回程度、医療とコミュニケーションに関する連載を始めます」という記事が送られてきました。著者は林 英恵(はやし はなえ)さんという方です。
コミュニケーションはなんのためか考えさせられましたのでご紹介したいと思いました。
ではまずこの記事をご一読ください。
*******【以下記事内容】*******
●二つのきっかけと連載の目的
インドで、HIV/AIDS 分野の予防啓発活動の一環として、CM づくりに携わっていた時のこと。
「日本語にHealth Communication やBehavior Change Communicationという言葉はあるのかい?」当時の上司からの質問だった。
それぞれ「ヘルスコミュニケーション、行動変容のためのコミュニケーション」という訳語が頭に浮かんだ。※
※ちなみに「ヘルスコミュニケーション」については、MRIC の掲載記事(2006 年 2月6日号)で別府文隆さんがとてもわかりやすく解説されている。
「Behavior Change Communication(BCC)」は、「保健分野のプロジェクトに必要不可欠な、健康教育・広報コミュニケーション活動のこと。(これらの活動においては、)必ず最終目標である、人びとの健康に結びつくような個人の行動変容が起きなければならない」
( http://www.joicfp.or.jp/jpn/problem/bcc.shtmlJOICFP より) とある。
「それぞれに相当する訳語はある。でも、日本語に訳されたHealth Communication やBehavior Change Communication という言葉が、医療や公衆衛生に従事する人の中でも十分に共有されているとは言いにくいことを踏まえると、確実に"言葉が存在している"とは言えないのかもしれない」と答えた。
「だったら、そういう概念が伝わるように君がこれから何とかすればいいんだよ。」茶目っ気たっぷりの上司は、ウィンクしながらそう言った。
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そしてもう一つは、全く別の機会でのこと。
友人でもある医師(英語も堪能)に、日本語に訳されたヘルスコミュニケーション分野の資料を見せていた。
すると、一通り目を通した後で、彼が一言。
「これって、(カタカナばっかりで)英語で読んだほうが絶対わかりやすいね!」
日本語になっていて、これなら理解してもらいやすいだろうと思って差し出した資料のはずだったのだが、予想外の反応だったのだ。
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この二つの出来事が、今回、連載の目的を決めたきっかけです。
アメリカを中心に、ヘルスコミュニケーションという分野が確立され、医療と公衆衛生の分野で政府や、国際機関、研究機関、企業など含めた様々なレベルの組織がこの分野の概念を盛り込んだプロジェクトを遂行しています。従来の広報を中心とした「業務内容を知らせる」ためのコミュニケーションではなく、ターゲットの行動変容を目的にした戦略的なコミュニケーションという考えは、日本においても、この国の社会に合った形で普及されれば、医療と公衆衛生分野において新しい風を吹き込むものになると考えます。しかし、現状は、日本語でこれらについて書かれた文献や資料は限られており、訳語としてではなく、言葉としてこの分野の概念を共有しやすいとはいえない状況にあると感じています。
本連載では、「医療/公衆衛生・コミュニケーション・メディア」を柱に、ヘルスコミュニケーションに対するイメージを皆様と共有させて頂くことを目的としました。様々な形で医療や公衆衛生に携わっていらっしゃる皆様に、ヘルスコミュニケーションという世界の存在を知って頂くこと、そして必要な時が来たときに、その扉を開いて頂ければ幸いです。
私の尊敬する人はいつも言います。
「Obstacle means chance! 」(障害はチャンスである!)。
これから、日本の医療と公衆衛生に貢献できる大きな可能性を秘めているこの分野の将来に期待して、連載を始めたいと思います。
*******【記事内容おわり】*******
つまり、コミュニケーションというのは、大切なことを伝えた結果、相手がそれを理解した上で状況を改善するように行動をうつすところまでいって初めて目的を達するのだ、ということ。ただ「話をした」「私は伝えた」ということだけではだめ、ということです。
じつはまちづくりも同じで、いくら良いことを言ってもその結果として関係者が行動を起こしてくれなくては成果は出ないのです。
ブログを読んだだけで読者が行動を変える…そんなことができるものでしょうか。
そういう意味で、今後送られてくるメルマガがなおいっそう楽しみになりました。
ちなみに
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