こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『冬虫夏草』梨木香歩

2014-06-02 19:31:36 | 本と雑誌

新進作家・綿貫征四郎は、亡き友・高堂の生家に管理者の名目で住まわせてもらっている。

時折、高堂が掛け軸を通じて現れ、様々な話をしていくのにも慣れた。

今回は、人望(?)も厚い飼い犬のゴローが行方不明になって二か月も経つので、鈴鹿の山を、もう一人の友人・南川の意見も聞きつつ、探索することとなった。

途中、イワナの宿という立ち寄りたい場所もできつつ、様々な人々、生き物、河童、龍、霊などと交流を深め、宿や人家に泊めてもらいながら、ゴローを探しまわる。

中でも面白かったのは、綿貫が空気を吸うように受け入れた霊の存在を、南川は容易に受け入れられなかったところで、綿貫の非凡さをしみじみと感じました。

淡々としながらも、柔らかく優しい奇譚でした。

冬虫夏草 冬虫夏草
価格:¥ 1,620(税込)
発売日:2013-10-31
コメント
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