こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『ニャン氏の童心』松尾由美

2019-03-02 20:21:45 | 読書感想
中堅の出版社で働く田宮宴は、童話作家ミーミ・ニャン吉氏の担当をしている。

彼の童話執筆は、あくまでも趣味。
本業は、とある財団を率いる実業家らしい。
しかし彼の実体は謎に包まれており、直接彼に会った事があるのは限られており、表立った場所では、丸山という秘書が代理を行っている。

そんなニャン氏には、もう一つ、名探偵という特技があったのだ。
例えば、警察官に追われているTシャツの男が袋小路に追い詰められたと思っていたが、なぜか、警察官だけが忽然と消えてしまった件。

小型のプライベートジェットを日本に売り込みに来た社長が、フライトシミュレータを運用している最中に、両親が、相次いで亡くなった件。

亡くなった作家のたった一人の身内である甥が、蔵書の整理を行おうとした件。

どれも、素直に見ると謎だらけの現象が、ニャン氏の視点で見てみると、まるで違った光景が浮かび上がってきます。

何よりも、ニャン氏の正体が微笑ましく、それでいて明晰な頭脳を見せるところが、犬派の私としては、羨ましい限りでした。
今まで読んできた犬が出てくるミステリは、犬が足を引っ張ったり、あまり格好良くないんですよねー。
犬好きのミステリ作家さんの中で、どなたか犬の名探偵を書いて下さる方はいないのでしょうか?よろしくお願いいたします。
コメント
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