こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『力士探偵シャーロック山』田中啓文

2020-05-03 19:42:11 | 読書感想
 
高校時代にミステリ漬けだった斜麓山は、ホームズに憧れてやっていたバリツ(この世界では、ドイルがでっち上げたバリツという格闘技が存在する!)の全日本大会で優勝したことで、銅煎親方にスカウトされ、親の借金を肩代わりしてもらう代わりに相撲取りになった。

ちなみに、この話の語り手である輪斗山の四股名は、斜麓山によって名付けられたものであるという。
本来なら、斜麓山の付け人は数人あるべきなのだが、彼の妙なこだわりの為に輪斗山一人でこなさなくてはならず、大迷惑である。

元々、斜麓山自身が相撲に関心が無く、個室を手に入れた途端に怠け癖が出て、それまで封印していたミステリの読破を開始してしまった。稽古をさぼるようになったのだ。
さらに読むだけに飽き足らず探偵を志望し始め、周囲の人々に迷惑をかけるのだった。

まあこれで推理が的外れではなく、様々な事件を解決していくし、ホームズ譚と似たような出来事(というか、もじっていますが)が起きてしまうところが、斜麓山の運の強いところなのかもしれません。
そしてこの物語も、田中さんらしく駄洒落満載で脱力必至。
ミステリとしては真剣でありつつも、バカバカしい(褒めています)面白さです。
真面目なホームズファンと相撲ファンの方々、怒らないでくださいね。
コメント
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